「AI活用で渋滞解消や都市開発」ニューラルポケット社、東南アジアでの展開見据えてシンガポールに拠点開設

都市の渋滞が深刻な問題となっている東南アジア各都市の都市開発にも貢献

人工知能(AI)を活用して、道路の渋滞解消や都市開発を手掛けるニューラルポケット(本社:東京・千代田区)が4月、東南アジアでの事業展開を見据えてシンガポールに拠点を開設した。

ニューラルポケットは2018年創業のスタートアップ企業で、同社の技術的な特徴は、ネット上でデータを処理する「クラウド形式」ではなく、端末(エッジ)でデータを処理できる点。こうすることでデータの処理スピードが上がり、リアルタイム性を実現できる。データをクラウドにアップロードする必要がないため、端末(エッジ)内でデータを処理した後に、すぐさま元データを削除することで匿名性が確保される。

例えば、ニューラルポケットの技術を搭載したドライブレコーダーであれば、車の運転中にカメラに収まる様々な情報(道路の故障箇所の察知や渋滞ポイントの検知)のデータをドライブレコーダー本体で処理し、メタデータとして吸い上げる。画像データはすぐさま削除される仕組みになっている。

道路沿いにあるコインパーキングの「空き・満車」の状態がドライブレコーダーに映ることで混雑状況をドライバー間で共有、満車の駐車場を避けて、スムーズに駐車場を探せるようになる。

こうした技術を応用することで、都市の渋滞が深刻な問題となっている東南アジア各都市の都市開発にも役立てることができるという。

シンガポールは、スマートシティ領域に対する政府の投資額も大きく世界トップレベルの都市であることから、拠点を構えることが重要と判断して支店を開設した。

シンガポール支店のプレジデント種良介(たね・りょうすけ)さん(35歳)は「AIの分野では中国が先行しているが、ニューラルポケットのジャパンメイドのAIを東南アジア各国で導入できるようにしていきたい」と語った。

シンガポール支店プレジデント 種良介(たね・りょうすけ)さん

<企業情報>
ニューラルポケット
所在地:9 Straits View, Marina One West Tower, #06-07, S018937
問い合わせ:contact☆neuralpocket.com(☆を@に変換してください)
Web:https://www.neuralpocket.com/index.html

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SingaLife編集部

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