シンガポールのリサイクル事情!ゴミの出し方や不用品のリサイクル方法を詳しく解説!!
シンガポールでのゴミの出し方や、不用品のリサイクルはどうすればいいのでしょうか。着なくなった衣服や古着など、再利用できるものをそのまま捨ててしまうのはもったいないですよね。また、大型家電や電化製品など、捨て方に迷うものもあると思います。今回は、そんなシンガポールのリサイクル事情や不用品の処分方法をわかりやすくご紹介します。
シンガポールのリサイクル事情
シンガポールでは、Clean & Green Singapore (CGS)というテーマのもと、リサイクルを含む環境保護に力を入れています。ゴミの分別やリサイクルに対するルールが厳しく、コンドミニアムなどの住居のルールによっては違反した場合に罰金が課されることもあります。シンガポール国家環境庁(NEA)は、年間60,000t以上発生する電子廃棄物(E-waste)に対する処理を進めており、リサイクルボックスも街中に増えています。
さらに、マリーナベイ サンズをはじめとする大型ホテルでは、余った食材をフードバンクに寄付するなど、廃棄物の削減にも積極的に取り組んでいます。リサイクル活動に対し政府が力を入れて制度を敷くことで、日本と比べてもシンガポールでのリサイクルに対する意識は近年高まっています。
National Recycling Programme(ナショナルリサイクリングプログラム)
2001年4月に開始されたこのプログラムによって、National Environment Agency(国家環境庁)(NEA)から認可を受けた公共廃棄物収集業者 (PWC)は、公共廃棄物収集制度に加入しているすべてのHDB、一軒家、コンドミニアムに対してリサイクル専用のボックスとリサイクル用品の収集サービスを提供することが義務付けられています。
出典:National Environment Agency(国家環境庁)
紙、プラスチック、ガラス、金属などのリサイクル可能な物を、この青いリサイクル専用のボックスに入れ、公共廃棄物収集業者 (PWC) が回収します。街中でもよく見かける緑のゴミ箱は一般ゴミ用のもので、この青いものはリサイクル用のものになります。ゴミ箱と同じ形のため、間違えやすいですが、ボックスの色は青で「Recyclables only」と記載がありますので、リサイクル対象以外のものは投入しないようにしましょう。
国家環境庁(NEA)が提供している「Bloobin’s Recycling Guide」には、青いリサイクル専用ボックスに入れられる、リサイクル対象アイテムがイラストとともに分かりやすく紹介されています。上の画像のグラスや紙以外にも、金属やプラスチックなどのリサイクル可能な品目がまとめられていますので、リサイクルに出したい物がある方は、一度ご覧ください。
また、国家環境庁(NEA)が提供する「Bloobin AI Chatbot」では、WhatsAppかTelegramのチャットでどの不用品がリサイクル対象になるかAIに質問できます。リサイクルに対応している物を検索できる「Recycling Search Engine」もぜひ活用してみてください。
シンガポールでのゴミの出し方
シンガポールでは、高温多湿な気候で生ゴミが腐りやすいといった事情から、家庭ゴミや事業所ゴミを含む全てのゴミは毎日収集されています。ポイ捨てには罰金が課されるシンガポールでは、街の至る所にゴミ箱が設置され、綺麗な街が保たれていますが、各家庭での一般ゴミはどのように捨てるのでしょうか。詳しく見ていきましょう。
ダストシュート
HDBやコンドミニアムには、ダストシュートが各家の中や玄関のすぐ近くに設置されており、毎日こまめにゴミを捨てることができます。これはシンガポールの南国の気候に合わせた、家の中にゴミを置いておかないための工夫です。手軽にぽんぽん捨てられ、ゴミ収集の日を待つ必要がないのは便利です。
ゴミ捨て場
一軒家などダストシュートがない場合や、ダストシュートに入らないような大きなゴミの場合、ゴミ捨て場にある緑のゴミ箱に捨てることができます。重い物や大きなゴミを無理にダストシュートに捨てると詰まったり壊れたりすることがあるので、その際は直接ゴミ捨て場に持っていくようにしましょう。
家庭ゴミ収集料金について
シンガポールでは、家庭からのゴミ収集に対して料金が設定されています。国家環境庁(NEA)によると、HDBやコンドミニアムの場合は月額S$9.63(税込)、一軒家の場合は月額S$32.07(税込)となっています。この料金は、ゴミやリサイクル品の収集サービスにかかる運営費や人件費に充てられています。公共廃棄物収集業者(PWC)は公開競争入札で選ばれ、各家庭からのゴミを収集しています。一般的に、HDBやコンドミニアムではこの料金が管理費に含まれていることが多いです。
※実際のお住まいの住居のルールによって異なる場合がありますので、お住まいの住居のルールを確認することをおすすめします。
不用品をリサイクルとして処分したい
青いリサイクル専用のボックスでは回収されていない電子機器や大型家電、衣類などをリサイクルしたい場合、どこに持ち込めばよいのでしょうか?それぞれ不用品ごとに、リサイクルの収集方法や回収場所をご紹介します。
電子廃棄物(E-waste)
電池や電球、タブレットや電子ケーブルなどの情報通信機器は、国家環境庁(NEA)が任命した「ALBA E-Waste」が管理・設置している「E-Bin」に捨てることができます。
出典:ALBA E-Waste
電池や電球、タブレットや電子ケーブルなどの情報通信機器を収集している「E-Bin」です。500mm x 250mmのスロットに収まる物であれば、プリンターやデスクトップモニター、パソコンなども廃棄することができます。
出典:ALBA E-Waste
電球と電池の受け入れをしている「E-Bin」です。蛍光灯は特定の場所のみで、受け入れ可能です。
出典:ALBA E-Waste
電池専用の「E-Bin」です。
それぞれ受け入れられる電子廃棄物が異なりますので、対応する物のみ廃棄するようにしてください。どの施設に設置されているかは「E-Bin」の設置場所マップからチェックすることができます。
▶「E-Bin」の設置場所マップはこちら
現在、シンガポール全土に600台以上の E-Bin が設置されており、街中、ショッピング モール、コミュニティセンター、スーパーマーケットなどの公共エリアにて見かけることができます。
冷蔵庫などの大型家電
大型家電(エアコン、乾燥機、冷蔵庫、テレビ、洗濯機)、電動アシスト自転車、プリンター、デスクトップパソコン、モニター、携帯電話、充電器などの情報通信機器については、ALBAが提供する玄関先収集サービスか、廃棄物収集イベント「E-Drive」を通じて受け入れられます。
🔶玄関先収集サービス
現在ALBAでは、不要になった大型家電を自宅の玄関先で回収するサービスを有料で提供しています。以下のフォームから申し込むことができます。
▶ALBAの玄関先収集サービスの申し込みフォーム「Doorstep Collection」
🔶廃棄物収集イベント「E-Drive」
ALBAは市議会(Town Councils)と共同で、定期的に「E-Drive」という廃棄物収集イベントを開催しています。イベントのスケジュールは、公式ホームページの以下のリンクのList of Quarterly E-Drive (2024年の四半期ごとのE-Driveのリスト)から確認できます。
また、コロナの影響などにより開催がされていなかった、不定期での「E-Drive」イベントも再び開催されるようになったようです。最新の情報は公式ホームページからご確認ください。
▶ALBA公式ホームページ「E-Waste Collection Drives (E-Drives)」
対象の大型家電や電子機器の廃棄を検討されている方はぜひチェックしてみてください。
その他の小型家電
小型家電(炊飯器、掃除機、電子レンジ、ブレンダー、扇風機、ヘアドライヤー、ディフューザー、電動歯ブラシ、コーヒーメーカー、カメラ、トランシーバーなど)や、医療機器などのその他の種類の電子廃棄物は規制対象外となりALBAでは受け入れらません。国家環境庁(NEA)が指定している電子廃棄物リサイクル業者「Metalo、KGS、SGRecycle-Virogreen」が提供するゴミ箱や収集を通じて処分する必要があります。
🔶「Metalo、KGS、SGRecycle-Virogreen」の収集場所マップ
E-Waste(電子廃棄物)の処理は少し複雑で、特に大型家電や「E-bin」では受け付けないものの廃棄に困ることもありますよね。そんなときは、国家環境庁(NEA)の公式ホームページを見ると、さまざまなE-Wasteの処理方法が詳しくまとめられています。リサイクル方法や廃棄に迷ったときは、ぜひ参考にしてみてください!
スポーツシューズ
スポーツシューズや靴は、青いリサイクル専用ボックスでは回収していません。不用になった靴を寄付する場所として、Active SGがDow、Alba、Decathlon、BT Sportsなどと協力して推進するスポーツシューズの寄付プロジェクトがあります。比較的綺麗な状態のもので、金属部品がついていないゴム製のスポールシューズ、スリッパやサンダルなどを寄付することができます。集められたゴム製のシューズは、スポーツ施設やランニングトラック、フィットネスコーナー、プレイグラウンドなどに再利用されます。
これまでに40万足以上、総重量125tの靴が集まり再利用されました。
ファッション衣類や布製品
循環型ファッション企業Cloopが設置したTextile Recycling Bin(テキスタイル リサイクル ビン)には、新品、中古を問わず清潔で乾燥した状態の衣服や古着を寄付することができます。
出典:Cloop
この黄色のTextile Recycling Binは、シンガポール各地のショッピングモールやHDB下など450か所以上に設置されています。衣服、バッグ、靴、アクセサリー、ベルト、帽子、きれいな下着、ぬいぐるみ、リネン、枕などを受け付けています。
利用する際は、きれいで乾いた状態にしてから50×50cm以内(最大7kg)の袋に入れ、しっかり口を縛り、黄色のTextile Recycling Binに入れるだけでOKです。よく見かけるので、着なくなった衣服やサイズアウト子どもの古着などを気軽に寄付できてとても便利です。
出典:Cloop
またCloopは、黄色のTextile Recycling Binの設置に加え、Fashion Swap(ファッションスワップ)として衣類交換イベントを開催したり、厳選された中古品を扱う自己責任制リサイクルショップ「Open Wardrobe(オープン ワードローブ)」を運営したりしています。
ここでは、信頼システムに基づいた支払いで、中古の衣類を気軽に購入できます。Cloopはファッションを楽しみたいという想いと、ファッションの過剰消費と廃棄を削減するというビジョンを両立させることを目指しています。
次回のFashion Swapイベントに参加し不要になった服を持ち寄り、素敵な新しいお気に入りの服を見つけてみませんか?
「Kloth Cares Bins(クロス ケア ビン)」は、衣類や布製品を気軽に入れられるリサイクルボックスです。2013年に設立された「Kloth」は、繊維、衣服、プラスチックの循環型経済を促進することを目指す、女性主導の社会的企業です。マレーシアでの活動を中心としていますが、シンガポールの一部のモスクにも設置されています。
このKloth Cares Binsは、新品から使い古したものまで、どんな状態のアイテムでも受け入れています。回収された衣類や布製品は、海外市場向けの製品、ファッションの素材、クリーニング用の雑巾など、500種類以上の用途に分類され、余すことなく使うことを目指しています。きれいな衣類や布製品だけを選び、それ以外は焼却する他の取り組みとは違い、Klothではできる限り無駄を出さない工夫をしています。
出典:Kloth
100%リサイクルポリエステルで作られたショールなどのオリジナル商品も販売しており、購入することで活動のサポートができるのも魅力です。
出典:ZARA
ZARAでは、店舗に設置された専用コンテナに衣類、シューズ、アクセサリーを寄付することができます。回収された衣類は再利用やリサイクルに回される前に丁寧に仕分けされ、100%の綿、ウール、ポリエステル素材は新しい生地として再生されます。その他の素材は、建設業や自動車産業の資材として活用されます。
寄付する商品はZARA製品である必要はなく、リサイクル可能な衣類や布製品であれば何でも受け付けています。専用コンテナに入れる際は、衣類をしっかりと密封したパッケージに入れて投入してください。
他にもUNIQLOでは「UNIQLO Recycling Programme(ユニクロ リサイクリング プログラム)」を実施しており、不要になったUNIQLO製品を店内のリサイクルボックスに寄付できます。ただし、寄付できるのはUNIQLOの製品のみです。まだ使えるアイテムは洗濯された後、難民や困っている人々など、衣料品を必要としている方々に届けられます。
不用品も社会貢献に!シンガポールで始める持続可能な暮らし
シンガポールのリサイクル事情について、ゴミの出し方や不用品のリサイクル方法をご紹介しました。使える資源を無駄にするのはもったいないですよね。少しの意識と工夫で、リサイクルを通じて持続可能な社会づくりに貢献できます。政府の取り組みによりリサイクル専用ボックスの設置も増え、シンガポールでも分別やリサイクルがますます身近になっています。ぜひ一緒に取り組んでいきましょう!
●記事内容は執筆時点の情報に基づきます。
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この記事を書いた人
SingaLife知りつくし隊
シンガポール在住の日本人をはじめ、シンガポールに興味がある日本在住の方々に向けて、現地のトレンド情報やライフスタイル情報をお届けします。「知り尽くし隊にこんな情報を取り上げてほしい」各種SNSにてリクエストも随時募集中です!