シンガポール生活の住居トラブル!コンドミニアムで起こりがちなトラブルと対処法を体験談も含めてご紹介

シンガポール在住者のリアルな住居トラブル体験談!コンドミニアムで起こるさまざまな住居トラブルの具体的な解決策や、トラブルが起こってしまった際の対処ステップをご紹介します。
シンガポールのコンドミニアムでよくある住宅トラブル
シンガポールでは、日本では経験したことのない数々の住宅トラブルに出くわすことが多いようです。それらの大半は施工時の不具合放置や施工不良、経年劣化によるものだという声をよく耳にします。もはや「それが当たり前」くらいでいることが生活していく上でのポイント、とも言えてしまうかもしれません。
しかし、住居は少しでも快適であってほしいもの。この記事では、シンガポールのコンドミニアムでよくある住宅トラブルの一例や、それらの原因と対処法を詳しくご紹介していきます。
よくあるトラブル事例と対処法
扉を開けると異臭がする!?

これは筆者が実際に入居して一番最初に立ち向かうことになったトラブルです。築5年ほどの綺麗さで入居を決めたコンドミニアムでしたが、扉という扉を開けると、匂いのしない場所がなく、特にシンク下と洗面下の収納スペースは、開けるたびに異臭に悩まされました。下水臭やカビ臭などが原因の匂いでしたが、見た目はいたって普通です。
一般的にシンガポールのコンドミニアムは、退去時に清掃会社による簡単な清掃が入ります。しかし、日本ほど細かな箇所まで綺麗にする習慣がなく、隅の黒カビや手の届かない箇所の埃や汚れは放置のままです。積もり積もったものが匂いを発生させている可能性もあるため、匂いへの対処法としては、掃除をすること、除湿剤や消臭効果のあるものを置くことが推奨されます。
筆者の家では、対象箇所をあまり使わないこと、買い置きの洗剤などカビにくいものをストックする場所にすることとなりましたが、強い匂いが完全に消えることはありませんでした。
しかし、日系の会社が行なっている入居前の不具合を特定する「新居チェックサービス」というものもあり、これにより不具合箇所をあらかじめ特定し、退去時に修繕費用として加算されないよう、入居前にオーナーへ要請することもできるようです。
電気が突然消える!ブレーカーが頻繁に落ちるのはなぜ?

東南アジアの国々では突然の停電が多いようですが、シンガポールは例外で、先進国と比べても停電の頻度は少ないそうです。
しかし、ブレーカーが落ちるのはまた別の話になってきます。ブレーカーが落ちる原因としては、ネズミが配線を噛みちぎっていたり(シンガポールでは滅多にないかも?)、経年劣化であったり、そもそも安全ブレーカーが壊れている(大元のブレーカーからの電源を分配するためのもの)などが考えられますが、シンガポールでの主なブレーカー落ちの原因には、契約アンペアの超過や漏電が挙げられます。これにより、電気が突然消えることがあるようです。
復旧手順はシンプルです。まずブレーカーを確認し、アンペアの超過であれば、電気や電化製品の使用を減らします。漏電が疑われる場合は、専門業者に点検を依頼しましょう。日本製の電化製品は入居前に契約アンペアを確認し、電気機器の使用状況を定期的に確認することが推奨されます。
エアコンからの水漏れとパイプつまりのメカニズム

シンガポールでは、エアコンからの水漏れが頻発するのですが、主に排水パイプの詰まりが原因であることが多いです。定期的なメンテナンスが必要で、約3か月に一度の点検が推奨されます。
これは入居時に交わす条件となっており、(シンガポールは、国として6か月に一度のエアコンメンテナンスを義務化していますが、3か月に一度の条件の元、入居することがほとんどです。)清掃後2か月を過ぎて3か月が経つ前には、水漏れが起こる、ということも少なくありません。除湿のために一日中ドライを付けっ放しにしている家庭もあれば、換気をして1日の大半を過ごす家もありさまざまです。使用頻度によって水漏れの頻度は異なるでしょう。
漏水の種類もさまざまで、ポタポタと水滴が滴り落ちてくることもあれば、電源を切った瞬間、滝のように突然大量の水が流れてくることもあります。筆者の場合は後者で、エアコン下のファブリック製のソファーめがけて大量の水が落ちてきてしまい、専門業者が来るまではバケツを置いて対処をしました。溜まっては捨て、溜まっては捨てを繰り返す日々でした。
ですので、漏水が発生した場合はまず、エアコンの電源を切る前にエアコン下部に濡れてはいけないものがあれば撤去をしてから止めることをおすすめします。そして、早めに専門業者に連絡をしましょう。シンガポールのアパートやコンドミニアムは、配管スペースの制約からドレーンパイプが細く設計されています。埃などがたまり、これにより排水がスムーズに行われず、詰まりやすくなっていることが大きな原因のようです。
給湯器のお湯がでない!

給湯器からお湯が出ない場合、ガス式の場合は元栓が開いているか、電気式の場合はブレーカーを確認し、Water Heaterのスイッチを確認します。
シンガポールに移住した当初、同じ時期に移住してきた友人が、「シャワーからお湯が出ないから水を浴びてるんだ!」と言うんです。驚いて調べてみると、お湯が出るように切り替えるための「Water Heater」のスイッチがOFFだったことがわかりました。
洗面所は洗面所の、キッチンはキッチンのWater Heaterがあることがほとんどのようですが、コンドによって仕様は異なることもあるでしょう。お湯が出ない際には、以上のチェックポイントを整理し、問題が解決しない場合は専門業者に点検を依頼することが必要です。
水道管の水漏れや詰まりはどうする?

水道管の水漏れや詰まりが発生した場合、まずはバーストパイプの応急処置として有効なテープ補修を行います。どこから水漏れが発生しているのかを確認し、漏れがひどい場合は、すぐに水道の元栓を閉めて水の流れを止めます。
テープ補修をするにあたり、水漏れ箇所の周りを清掃し、汚れや水分をしっかり拭き取ってから処置することでテープの粘着力が向上し、効果的に補修できます。使用するテープは、耐水性が高く、粘着力の強いものを選びましょう。例えば、シリコンテープや自己融着テープが適していますが、隙間からの水漏れなら防水補修テープ、ひび割れからの水漏れなら「仮補修テープ」、パイプからの水漏れなら「シリコーン自己融着テープ」と水漏れ箇所の素材によってテープもさまざまです。
筆者の場合、細かな埃や髪の毛の蓄積等で洗面台のホースが詰まったり、キッチンの排水溝も細かな食材のカスが溜まって詰まってしまうことが1年のうちに数回起こりました。ゴミをキャッチするネットを使ったり、日本から持参したパイプ掃除用の洗剤で対処するも、やはり繰り返される水の流れにくさ。結果、その都度業者を呼んで対応してもらいましたが、お部屋のオーナーさんに相談をしたり、勤め先に良い業者がないかを確認したりとその時々でさまざまでした。
漏水は、被害を最小限に抑えるためにも、専門プランジャーの使用を検討し、必要に応じて修理業者に速やかに依頼する判断を下すことが重要です。漏水が確認できたら、コンドミニアムの管理事務所に連絡し、問題を報告することも大切です。管理事務所が修理業者を手配してくれることもあるでしょう。
鍵の閉め出しとロックアウト

玄関ドアが自動ロックの場合、各階に付いているダストシュートへゴミを捨てに出てそのまま締め出されてしまったり、うっかり鍵を持たずに出てしまい、気付いた時には時すでに遅し、と言うことも少なくありません。
各部屋のスペアキーが管理事務所に預けられていることはほぼなく、大抵のコンドの住戸は電子ロック式や暗証番号式、カードキーをかざすものや指紋認証式などドア鍵もさまざまです。それぞれが機械式ということで、電子切れにより鍵が開かない、ということも考えられるでしょう。
電子ロック式やカードキー忘れ、電池切れで締め出された場合は管理オフィスに連絡し、鍵屋を利用することが一般的です。携帯を持っていない場合には、管理オフィスに出向きましょう。鍵屋の利用時のために、費用相場を事前に確認しておくと安心です。
一例ではありますが、カードキーの再発行であればS$30で済みましたし(筆者実体験)、鍵自体の交換、ドア部分を壊しての対処、となってくると、とある修理会社ではS$150〜S$800と幅がありましたので、詳しくは対応時、交換時に業者へ確認をしてみてください。
インターネット接続ができない!そんなときは?

インターネット接続ができない場合、まずはルーターの再起動やデータポイントの確認を行います。Wi-Fi強度を測定し、問題が解決しない場合は専門IT業者への相談を検討します。これにより、迅速に問題を解決することが可能です。
害虫・ネズミがコンドミニアムで発生!

シンガポールのような高温多湿の国は、コンドミニアムなどに害虫が発生しやすい環境です。特に主要5大害虫であるゴキブリ、ネズミ、蚊、アリ、シバンムシの特性はそれぞれで、対応や駆除の仕方も異なります。
ゴキブリはシンガポールでは特に多く見られる害虫で、湿度の高い環境を好みます。主に食べ物の残りや水分を求めて侵入します。ネズミも同じく、食料を求めてコンドミニアムに侵入します。特にゴミ捨て場やダストシュート周辺で見かけることが多く、非常に繁殖力が強いため、早期の対策が必要です。アリは食品の残りや甘いものに引き寄せられ、特にキッチンに発生することが多いです。
蚊はデング熱の懸念も考え、しっかりと虫除けの対策を取りましょう。湿度の高い環境で繁殖し、特に水たまりがある場所で見られます。そのような場所でお子さんと遊ぶ際には十分留意しましょう。最後に、シバンムシです。主に湿気の多い場所に生息し、紙や衣類を食べることがあります。
基本的にはキッチンやゴミ置場の食べ物の残りや水分を取り除き、清掃をこまめに行うことで害虫の侵入を未然に防ぐことが第一です。しかし、共有エリアで発生した害虫が住戸まで上がってくることは珍しいことではありません。
キッチンや水周りに市販の粘着トラップや毒餌を使用して害虫対策をしたり、各害虫の苦手な天然の香りをサシェにして隅に置いておく対処法もあります。(実際に筆者は、ゴキブリなどの害虫が苦手とするヒバのエッセンシャルオイルを日本で購入し、シンガポールへの移住時に一緒に持参し、早々に対策をしました。)
また、入居後半年ほど経った頃でしたが、朝起きてキッチンへ向かうと、水周りにアリが集まるようになっていました。掃除には力を入れていたため、くまなく原因を探したところ、キッチンの壁のゴムパッキンがひび割れており、そのひび割れから壁裏にいたアリが侵入した可能性が考えられたのです。
そのひび割れも、経年劣化にしては早すぎる築年数。日本では考えられないような場所にひび割れを起こすのも、高温多湿なシンガポールの気候ならでは、なのでしょう。結果的には、ゴムパッキンのひび割れは何箇所も見つかり、穴を塞ぐためにマスキングテープを貼って対応しました。すると翌日、そのマスキングテープにアリが捕獲されており、翌日からはさらに粘度の強いテープを購入して穴を全て塞いで対応したところ、アリの発生はなくなりました。
このように、突然頻出する害虫の生態を理解した上での対処や、どうにもならない場合にはDIY駆除やプロの定期点検サービスを選ぶことも重要です。
カビ・湿気による健康被害はしってる?

シンガポールの高温多湿な環境は、カビの発生を助長しやすく、気づけば見えない場所に発生してしまうことが多いです。カビの胞子が空気中に放出されることで、アレルギー反応や呼吸器系の問題を引き起こすことが知られており、特に喘息や免疫力が低下している人々にとってはリスクが高まります。健康に深刻な影響を及ぼす可能性もあるため、こまめなチェックや掃除が必要です。
湿度が70%を超える状況になるとカビが繁殖しやすく、シンガポールでは漏水や結露がその原因となることが多いようです。毎日雨の降る雨季は、湿度が80%を超えることも。この時期は特にカビ発生に気をつけ、セルフチェックを欠かさないようにします。万が一大量のカビ発生に悩まされる場合は、専門業者による除去を検討しましょう。再発防止策についても解説します。
🔹漏水:水道管や排水管の漏れは、カビの発生を引き起こす主要な要因です。特に、浴室やキッチンなど水を多く使用する場所では注意が必要です。
🔹結露:外気と室内の温度差により、窓枠や壁に結露が生じ、そこにカビが発生することがあります。窓枠や窓に背を向けて設置しているソファや家具の裏側のチェックをしましょう。
🔹湿度計の使用:室内の湿度を測定し、70%以上の場合は対策が必要です。湿度が高いと感じたら、エアコンや除湿機を使用して湿度を下げることが重要です。
🔹内装:浴室の壁や天井、各部屋にも黒い斑点やシミがないか確認します。特に水回りや風通しの悪い場所は注意が必要です。
🔹カビ臭:カビが発生している場合、特有の臭いがすることがあります。明らかな異臭を感じたら、早めに対処をしましょう。
専門業者によるカビ除去は、効果的かつ安全な方法です。業者は、カビの発生源を特定し、適切な方法で除去します。再発防止のためには、こまめな換気も大切です。晴れた日には、定期的に窓を開けて新鮮な空気を入れることで、湿度を下げることができます。特に風呂場やキッチンでは重要です。
また、各部屋の除湿機の使用、エアコンのドライ機能も活用しましょう。特に湿気が多い方角の部屋やバスルームでは湿度対策は必須です。加えて、エアコン内部はカビの温床になりやすいため、定期的な清掃が必要です。清掃を怠らず、カビやバクテリアが繁殖しないよう留意し、健康的な住環境を維持していきましょう。
騒音・共有スペース問題などの隣人トラブル

多種多様な民族が生活をするシンガポールでは、コンドミニアムにおける騒音問題は住民にとって深刻な悩みの一つです。騒音の原因としては、隣人の生活音や工事の音、敷地内の共有エリアでの騒音、さらには外部からの騒音などが挙げられます。
上下左右の部屋による騒音が耐え難い場合は、原因となっている隣人に直接話しかけることが最初のステップです。多くの場合、相手も自分の音が他人に迷惑をかけていることに気づいていないことがあります。冷静に状況を説明し、理解を求めることで、問題が解決することがあります。
筆者の隣人は、玄関のドアを解放した状態で大きな音楽を流す習慣があり、日中はあまり気にならない音楽も、夜の時間帯となれば話は別です。「Could you 〜?」の丁寧な会話で伝えるよう心がけましたが、(この時は確か、「Could you please lower the volume of the music you are enjoying at home just a little?」)出来るだけ簡潔に尋ねましょう。
直接のコミュニケーションが難しい場合や効果がない場合は、コンドミニアムの管理会社に報告をします。管理会社は騒音問題に対応すべく手続きを行う責任があるため、騒音の発生時間や内容を記録し、具体的な情報を提供することで、迅速な対応が期待できます。
外部からの騒音が深刻な時、または管理会社の対応が不十分な場合は、警察に通報することも選択肢の一つです。シンガポールでは、騒音に関する苦情を受け付けるホットラインが存在しますが、警察が実際に出動するかどうかはケースバイケースです。特に、夜間の騒音が続く場合は、警察に連絡することが有効です。
トラブルを回避して安心に暮らすために
シンガポールでのコンドミニアム生活は快適ですが、トラブルを未然に防ぐためには、事前の準備と確認が不可欠です。契約内容をしっかり確認し、特に解約条件やデポジットの返金については明確にしておくことが重要です。契約前にリクエスト事項を明記することで、後々のトラブルを避けることができます。これらのポイントを押さえて、安心して生活を楽しんでください!
●記事内容は執筆時点の情報に基づきます。
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この記事を書いた人
SingaLife編集部
シンガポール在住の日本人をはじめ、シンガポールに興味がある日本在住の方々に向けて、シンガポールのニュースやビジネス情報をはじめとする現地の最新情報をお届けします!