シンガポール寺院と廟めぐり!多様性と歴史を感じる観光スポット9選

多民族国家シンガポールには、多様な異国情緒を感じられる観光スポットが数多くあります。仏教・ヒンドゥー教・道教の寺院や廟が点在し、それぞれの宗教建築の美しさと歴史に触れることができる貴重な体験が待っています

 

シンガポールで寺院と廟をめぐる魅力とは?

シンガポールは中華系74%、マレー系13%、インド系19%の多種多様な民族で構成されており、宗教も仏教、イスラム教、キリスト教、道教、ヒンドゥー教と多様性に富んだ社会です。この多宗教社会では、それぞれの信仰が自然に共存し、色とりどりの建築様式を楽しむことができます。

チャイナタウンでは中華系の道教寺院、リトル インディアではヒンドゥー教寺院、そして仏教寺院が各エリアに点在しています。観光スポットですが、それ以前に宗教施設ですのでマナーを守って観光しましょう。歴史ある建築美と住民の信仰風景を通じて、シンガポールの多様性を肌で感じることができる貴重な文化体験となるでしょう。

一度は訪れたい寺院・廟スポット9選

Buddha Tooth Relic Temple(ブッダ トゥース レリック寺院)

出典:Buddha Tooth Relic Temple

チャイナタウンの中心に位置する仏教寺院で、仏陀の歯を安置することで知られています。2007年に完成した建物は、伝統的な中国仏教建築の美しさと現代技術が融合した壮麗な建物です。5階建ての建物には入場料無料の仏教博物館も併設されており、仏教文化について深く学ぶことができます。

屋上庭園からはチャイナタウンの街並みを一望でき、早朝には地元の人々が太極拳をする光景も見ることができます。内部撮影は制限されている場所があるため、事前に確認が必要です。

Buddha Tooth Relic Temple and Museum(仏牙寺龍華院博物館)
住所:288 South Bridge Road, S058840
最寄り駅:Chinatown駅(徒歩7分)
開館時間:7:00-17:00
定休日:無
電話番号:6220 0220
WEBサイト


Sri Mariamman Temple(スリ マリアマン寺院)

チャイナタウンにあるスリ マリアマン寺院は、1827年に遡る歴史をもつシンガポール最古のヒンズー教寺院です。南インド様式の建築が特徴的で、色鮮やかなゴプラム(塔門)には数多くの神々の彫刻が施されています。

マリアマン女神を祀るこの寺院では、病気治癒の祈願に多くの人が訪れます。毎年10月頃に行われるティミティ祭では、信者が火渡りの儀式を行う光景を見ることができ、ヒンドゥー教の信仰の深さを実感できます。

Sri Mariamman Temple(スリ マリアマン寺院)
住所:244 South Bridge Road, S058793
最寄り駅:Chinatown駅(徒歩3分)
開館時間:6:00-12:00/18:00-21:00(※金曜日は21:15まで)
定休日:無
電話番号:6223 4064
WEBサイト


Thian Hock Keng Temple(ティアン ホッケン寺院)

出典:Thian Hock Keng Temple 

1839年に建立された中国系移民によるシンガポール最古の道教寺院の一つです。福建省出身の移民たちが航海の安全を祈って建立し、海の女神である媽祖を祀っています。釘を一本も使わない伝統的な中国建築技法で建てられ、その精巧な装飾は見る者を圧倒します。

天井の美しい彫刻や、中庭に配置された香炉からの線香の煙が立ち込める光景は、まさに古き良き中華文化の象徴です。現在はナショナル モニュメントの指定を受け、シンガポール福建会館が管理しています。

Thian Hock Keng Temple(ティアン ホッケン寺院)
住所:158 Telok Ayer Street, S068613
最寄り駅:Telok Ayer駅(徒歩3分)
開館時間:7:30-15:30
定休日:無
電話番号:6423 4616
WEBサイト


Sakya Muni Buddha Gaya Temple(サクヤ ムニ ブッダガヤ寺院)

リトル インディアに位置するタイ仏教寺院で、高さ15mの巨大な仏陀坐像で有名です。1927年にタイ人の僧侶によって建立され、タイ様式の建築と装飾が特徴的です。

この寺院は、タイガーバーム創業者で知られるAw Boon HawとAw Boon Parの寄付によって1930年に建設されました。「千灯寺院」とも呼ばれ、仏像の台座には数多くの電球が飾られ、夜になると幻想的に光ります。静寂な雰囲気の中で瞑想や祈りを捧げる地元の信者の姿も見ることができ、仏教文化の神聖さを感じることができます。

Sakya Muni Buddha Gaya Temple(サクヤ ムニ ブッダガヤ寺院)
住所:366 Race Course Road, S218638
最寄り駅:Farrer Park駅(徒歩8分)
開館時間:8:00-16:45
定休日:無
電話番号:6294 0714

 

Kwan Im Thong Hood Cho Temple(クアン イム トン フード チョー寺院)

出典:Kwan Im Thong Hood Cho Temple

ブギス アラブストリート地区にある中華系仏教寺院で、イスラム教寺院が多いこのエリアでは珍しい存在です。1895年に建立された歴史ある寺院で、聖観音菩薩を祀っており、お祈りを捧げると幸運に恵まれると言い伝えられています。

中国の伝統的な建築様式で建てられ、1982年の修復を経て2002年にはシンガポール国家遺産局により認定された由緒ある建造物です。特に旧正月期間には多くの参拝者で大混雑するほど人気で、仏教徒以外からも篤い信仰を集めています。線香を使った伝統的な参拝方法や占いも体験できますが、堂内は撮影禁止となっているため注意が必要です。

Kwan Im Thong Hood Cho Temple(観音堂)
住所:178 Waterloo Street, S187964
最寄り駅:Bugis駅(徒歩7分)
開館時間:通常 6:00-18:45、祝 4:00-18:45、毎月1~15日 5:00-18:45
旧正月の大晦日は24時間オールナイト
定休日:無
電話番号:6337 3965
WEBサイト


Lian Shan Shuang Lin Monastery(ロン シャン寺院)

出典:Lian Shan Shuang Lin Monastery

トア パヨー地区にある大規模な仏教寺院で、1898年に福建省出身の移民によって建立されました。シンガポール最大級の仏教寺院として知られ、広大な敷地内には複数の本殿、鐘楼、宿泊施設などが配置されています。

伝統的な中国宮殿建築様式で建てられた建物群は圧倒的な存在感を放ち、特に正月時期には多くの参拝者で賑わいます。敷地内では仏教の教えを学ぶ講座も開催されており、仏教文化に深く触れることができる場所です。

Lian Shan Shuang Lin Monastery(双林寺)
住所:184E Jalan Toa Payoh, S319944
最寄り駅:Toa Payoh駅(徒歩15分)
開館時間:6:00-17:00
定休日:無
電話番号:6259 6924
WEBサイト


Leong San See Temple(ロン サン寺院)

観音菩薩を祀る仏教寺院です。1815年に建立されたこの寺院は、シンガポールの中心部にありながら落ち着いた雰囲気を保っています。赤い提灯が印象的な外観と、精緻な木彫装飾が特徴的です。商売繁盛や学業成就の祈願に訪れる人が多く、特に試験シーズンには学生の参拝者が目立ちます。

規模は大きくありませんが、アクセスの良さと静謐な環境で、都市の喧騒から離れて心を落ち着かせることができる貴重な空間です。

Leong San See Temple(龍山寺)
住所:371 Race Course Road, S218664
最寄り駅:Farrer Park駅(徒歩5分)
開館時間:6:00-18:00
定休日:無
電話番号:6298 9371
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Loyang Tua Pek Kong Temple(ロー ヤン トゥア ペッ コン廟)

出典:Loyang Tua Pek Kong Temple

チャンギ ヴィレッジ近郊にある独特な寺院で、道教・イスラム教・ヒンドゥー教の3つの宗教が一つ屋根の下で共存している珍しいスポットです。

「洛阳大伯公宮」の名前通り、メインは中国の土地神トゥア・ペックコン(大伯公)を祀る道教寺院ですが、同じ建物内にイスラム教の聖堂ダトック クラマット(Datok Kramat)とヒンドゥー教のガネーシャ像も鎮座しています。

この寺院の起源は、チャンギ海岸で中国人・マレー人・インド人の漁師たちが、それぞれの神様の像を拾い集めて小さな祠に祀ったことに始まります。共に漁に出る仲間同士として、信仰する神は異なっても海の安全と大漁という共通の願いを込めて祈りを捧げていました。

4回の移転と火災を経て、数年前に建設費S$1,200万をかけて建設された現在の建物は、中国と台湾の建築家による本格的な寺院建築となっています。

Loyang Tua Pek Kong Temple(老爺宮大伯公廟)
住所:151 Loyang Way, S508744
最寄り駅:Pasir Ris駅(バス約15分)
開館時間:6:00-18:00
定休日:無
電話番号:6585 6552
WEBサイト

 

Fuk Tak Chi Temple(フク タック チー廟)

出典:Fuk Tak Chi Temple

チャイナタウン近くのファー イースト スクエアに佇むフク タック チー廟は、1820年~1824年に広東系および客家系移民によって設立された、シンガポール最古級の中国寺院です。道教の神・大伯公を祀り、当時の中国移民たちが無事にシンガポールへ到着できたことに感謝を捧げた場所として知られています。

1825年には寄付によりレンガ造りの堂々たる建物が完成し、後に広東・客家系コミュニティの拠点となり、福祉や紛争解決の場としても機能しました。1990年に政府により保存対象とされ、中国とマレーシアから職人を招いて全面修復され、1998年に博物館として再出発しました。

現在はブティックホテルの敷地内に位置しながらも、歴史の面影を色濃く残しており、周囲のショップハウスやオフィス街の喧騒を忘れさせる静かな空間です。都市開発が進む中でも、初期中国移民の信仰と共同体の足跡を今に伝える貴重な文化遺産として、多くの人々に親しまれています。

Fuk Tak Chi Temple(福德祠)
住所:76 Telok Ayer Street, S048464
最寄り駅:Telok Ayer駅(徒歩1分)
開館時間:10:00-22:00
定休日:無
電話番号:6532 0025
WEBサイト


寺院・廟めぐりのマナーと注意点

シンガポールの宗教施設を訪れる際は、露出を控えた服装を選ぶことが重要です。宗派によって細かなルールは異なりますが、基本的な注意点を把握しておきましょう。

服装について

▪男女ともに肩と膝を隠す服装が基本
▪ノースリーブ、ショートパンツ、ミニスカートは避ける
▪ヒンドゥー教寺院では特に厳格で、長ズボンやロングスカートが推奨
▪仏教寺院では比較的緩やかですが、それでも露出は控える

靴について

▪ヒンドゥー教寺院:入口で必ず靴を脱ぐ
▪仏教寺院:本殿に入る際は靴を脱ぐことが多い
▪道教寺院:場所により異なるため、現地の指示に従う

撮影について

▪本殿内部の撮影は、多くの場合禁止されているか、もしくは有料
▪神像や仏像の撮影は特に注意が必要
▪参拝者の撮影は必ず許可を得る

線香・献香について

▪仏教・道教寺院では線香を供えることが可能
▪正しい作法を知らない場合は現地スタッフに確認
▪ヒンドゥー教寺院では花や果物の供物が一般的

シンガポール寺院&廟のおすすめルート・まわり方

🔶チャイナタウン周辺半日コース
スリ マリアマン寺院 → ブッダ トゥース レリック寺院 → ティアン ホッケン寺院 → フク タック チー廟の順でまわることで、ヒンドゥー教・仏教・道教の3つの宗教建築を効率的に見学できます。
すべて徒歩圏内にあり、3~4時間で完走可能です。

🔶ブギス~リトル インディア文化体験コース
観音堂(ブギス)から始まり、MRTでリトル インディアへ移動。
サクヤ ムニ ブッダガヤ寺院とロン サン寺院をまわることで、仏教とタイ仏教の違いを体感できる半日コースです。

🔶郊外大寺院巡礼コース
ロン シャン寺院とロー ヤン トゥア ペッ コン廟は郊外にあるため、1日かけてゆっくりと見学することをおすすめします。現地の信仰生活により深く触れることができます。

シンガポールの宗教建築で感じる多様性の魅力

シンガポールの寺院・廟めぐりは、単なる観光以上の価値を提供してくれます。シンガポール市内最古の礼拝の場を見学して、豊かな多文化社会を実感できるこれらのスポットでは、建築美・歴史・宗教文化すべてを同時に体験できます。

異なる宗教が共存するシンガポールならではの光景を目の当たりにし、多様性を受け入れる社会の寛容さを感じることができるでしょう。適切なマナーを守りながら、この貴重な文化体験を存分に楽しんでください。現地の人々の信仰に敬意を払いながら観光することで、より深いシンガポール文化の理解につながるはずです。

●記事内容は執筆時点の情報に基づきます。


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この記事を書いた人

SingaLife編集部

シンガポール在住の日本人をはじめ、シンガポールに興味がある日本在住の方々に向けて、シンガポールのニュースやビジネス情報をはじめとする現地の最新情報をお届けします!

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