【オービットアカデミックセンター】コロナ禍での子どもの教育や進学をどう考えればよいか。開校30周年のオービットが答えます。

新型コロナ禍のなか、オービットではどのような対応をとりましたか?

4月から6月末まで、一時期的にオンラインのライブ授業に移行しました。当初、オンライン授業には不安もありましたが、もともとオービットは講師と生徒間のインタラクティブ(双方向)な授業を行っていたので、オンラインになっても一方通行になることはなく、ほぼ問題なく行えました。

ほとんどの生徒が学習環境の変化への柔軟な適応ができたように思います。これも、オービットではもともと日本人学校生とインター校生が半々の割合で混ざった、多様性のある環境で学習をしていた効果だと考えています。

アフターコロナの時代を生きる子どもたちにとって、今後どのようなスキルが求められると考えますか?

AIの進展により、オンライン授業やリモート勤務のように、新しい形態の学習や労働形態が常態化すると思われます。当然、ICTツールを使いこなすスキルは必要でしょう。

一方で、だからこそ、リアル空間でのコミュニケーションの価値が高まり、その高いスキルが重要になってくると思います。実際、対面よりもコミュニケーションが難しいオンライン授業においても、画面越しに、相手が何を考え言おうとしているのかを読み取るスキルが求められることを実感しました。リモートが主流になっても、コミュニケーションの本質の理解とそのスキルがより求められるのではないでしょうか。

そのためにも日ごろから、同質性が高い環境ではなく、多様性のある環境において、自分とは異なった文化・習慣や考えをもった人と交流し、学習をする環境の場が必要と考えます。

シンガポールにいる間にどのような学力を身につければよいでしょうか?

元号が「令和」に変わった昨年、ちょうど1年後のこの状況を誰が予想していたでしょうか。これからの時代は予測不能の時代を生きることになります。そんななか、答えが予め用意されている問題を解くだけのスキルを鍛えても意味がありません。

今後は、未知なる課題に対して、自分で情報を集め、論理的に考え、それを相手に表現する力=PISA型学力が必要になってくるでしょう。また、社会がグローバル化していくなか、外国人に対しても国際標準語である英語を使ってコミュニケーションできるアカデミックな4技能型英語力が求められるでしょう。

シンガポールがこのような能力を身につけることができる極めて恵まれた環境であることを認識し、この環境をどう活かすかということを考えてほしいと思います。

社会のグローバル化が進む中、教育制度や入試制度改革を踏まえて、今後どのような入試になるでしょうか?

今回、大学入試センター試験に代わる大学入学共通テストでの記述問題や、英語4技能型民間試験の採用は見送りになり、入試制度改革はやや後退しましたが、いずれも技術的な問題によるものです。

改革の方向性は本質的には変わらないでしょう。多様化する社会と少子化を考えると、偏差値基準や1点刻みの選抜は意味をなさなくなります。個々の特性を多様な角度から審査する、海外大学型の選抜方法に移行していき、中学・高校入試もその影響を受けるでしょう。「満遍なくそこそこできる」生徒よりも、「キラリと光る何かがある」生徒が高く評価されることになります。

今年の海外入試や帰国生入試では、主に面接や書類で審査を行う「オンライン入試」を導入する学校が急増しています。コロナ禍により図らずも改革の流れが加速化すると思われます。

どのように学校を選べばよいでしょうか?学校選びの視点を教えてください。

コロナ禍の終息時期が不透明で、本帰国の時期が見通せない不安がますます増大しているかと思います。学校説明会もオンラインで行われるようになり、いろいろな学校を気軽に見比べることができるようになったのは、まさに時代の恩恵です。

一方で、多種多様な学校があるため、何を基準に選べばよいか悩ましいところです。確かに、情報収集をして学校をよく知ることは重要ですが、まずは、お子さまの特性をきちんと把握することが必要です。そしてご家庭での教育方針を明確にすること=言語化することが必要です。

すべての希望を叶えてくれる学校は皆無といってもいいでしょう。多感な中高時代を過ごすのにはどんな環境が良いか、時代の変化を見据えて将来身につけさせたい本質的なスキルは何か、海外生活で培った学習特性や個性をさらに伸ばしてくれる学校はどこか、といった視点で、優先順位をつけながらお子さまも交えて話し合って共有してほしいと思います。

新しいコース、取り組みがあれば教えてください。

「新中学準備コース」(小6生対象。10月スタート)
小6から始める新時代の高校受験・IB準備
単なる教科内容の先取りではなく、グローバル時代に必須の抽象思考、論理的表現力の早期訓練を、教科学習を通して行います。比較的時間のある今の時期だからこそ、教科の本質の理解、論理的思考・表現力の養成を重視したコースです。
グローバル理数クラス(中1・2対象)
社会のグローバル化に加え、AIの急速な進展や理数教育の重要性が高まる中、英語による国際標準の理数学習を実践することで、将来、国際人として世界に通用するために必要な理数系の教養・学力の土台を身につけます。インター校や日本人学校中学部のグローバルクラスのような、英語を使って教科を学ぶスキルを身につけるための橋渡しをする画期的なクラスです。
インター中高生対象 秋期特別講習(G7~G12)
インター校のミッドターム休みを利用して、インター歴が浅い生徒や成績を伸ばしたい生徒を対象に、将来の高校・大学受験に向けて学校やTOEFLのスコアを上げるための短期集中プログラムです。

イベント情報などがあれば教えてください。

海外生専門進学塾だからこそできる情報発信はシンガポール随一です。保護者の方からも「他塾の説明会やセミナーとは異なり、勉強になる、役に立つ」との声を多数いただいております。すべてオンラインで実施しますので、お気軽にご参加ください。

  • 9/10(木)、9/17(木)10:30~12:00 「新中学準備コース説明会」
  • 9/19(土)19:15~20:15「インター中高生のための学習法セミナー」
  • 9/20(日)10:30~12:30 無料受験セミナー「グローバル時代の中学・高校受験、編入とその対策」
  • 9/20(日)13:30~15:00 無料英語学習セミナー「シンガポール在住者のための新しい時代の英語学習」
  • 10/8(木)、9(金)冬期講習説明会

授業体験、入会個別相談も随時受付中です

この記事を書いた人

SingaLife編集部

シンガポール在住の日本人をはじめ、シンガポールに興味がある日本在住の方々に向けて、シンガポールのニュースやビジネス情報をはじめとする現地の最新情報をお届けします!

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