コロナ禍でもシンガポールの億万長者3人増
UBS銀行と監査法人プライスウォーターハウスクーパース(PwC)は10月7日、シンガポールに居住する億万長者(資産10億米ドル、もしくは約100億円)が新たに3人増えたと発表しました。アジア太平洋地域全体での億万長者は831人で、世界全体の約38%を占めます。その資産総額は3.3兆米ドル(4.49兆シンガポールドル)で、平均すると1人あたり40億米ドルになります。
シンガポールに居住する億万長者は合計25人。前回の調査から4人追加されましたが、今年4〜7月にかけて1人がリストから外れたので、合計すると3増えたことになります。UBSとPwCの調査は毎年行われますが、今年は新型コロナの影響を考慮するため、調査期間が4月7日までから7月31日までに延長されました。
シンガポールの億万長者の資産総額は11%増加し、4月時点で791億米ドルに達したのち、4〜7月にかけてさらに30%増加して1,026億米ドルになりました。これは、4〜7月にかけて世界の株式市場がV字回復したのと一致しており、新高値に押し上げられる結果となりました。
アジア太平洋地域でみると、各業界のイノベーター(革新者)または破壊的イノベーターと称される億万長者の資産が23%増加して1.4兆米ドルになりましたが、一方、同じ期間に億万長者全体の資産は13%減少しました。この地域には、ヘルスケアやテクノロジー分野で活躍する億万長者が181人おり、これらの分野の億万長者が全体で最も高いシェアを占めています。
アジア太平洋地域の億万長者の81%は自力で富を手にしていることから、この地域には成功する機会があるといえます。中国本土ではさらに高く98%で、コロナ禍にもかかわらず415人の億万長者がおり、総額1.7兆米ドルの資産を保有しています。これは2018年から71%増加した数字です。今年4月までの10年間で比較すると、米国では富が2倍になったのに対し、中国ではほぼ9倍に増えました。
また、億万長者は資産が増えただけでなく、ますます多くの億万長者とその家族が社会に還元することに関心を寄せていると報告書は指摘しています。慈善活動や持続可能な社会への転換に向けた投資など、それらの活動を行う財団を支援するために資金を提供する傾向にあります。また、富が若い世代に受け継がれるなかで、その傾向はますまず強まるだろうと指摘しています。
成功したら富を社会に還元してお金を循環させる、そんな億万長者なら応援したいですね。
この記事を書いた人
SingaLife編集部
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