<21年1月レポート>シンガポール入国後の隔離滞在先は運任せ。乳児を連れてシンガポールに戻るまでの記録

シンガポールから日本への里帰りをしていたシンガライフのスタッフの蘭さん(仮名)。およそ2ヶ月間の日本滞在を終えて、2021年1月に日本からシンガポールに戻って来ました。蘭さんは「日本に帰国するときよりも、シンガポールに入国する時の方が準備が大変だった」と話します。蘭さんのシンガポールに入国し、14日間の隔離生活に至るまでの体験記をご覧ください。

2020年9月に第一子となる息子がシンガポールで生まれ、両親への顔見せの意味もあり、11月上旬から夫婦と息子と3人で、日本に里帰りしていました。2021年1月にシンガポールに戻って来ましたが、入国後に14日間の隔離措置があったり、渡航前にPCR検査を受けなくてはならなかったりと、日本からシンガポールに入国する時の方が不安が大きかったです。

日本でコロナの変異種発見で不安募る

2020年末、日本でコロナウイルスの変異種が発見されたというニュースが流れました。シンガポール政府は、すでに変異種が大流行していたイギリスからの入国を一切禁止にしていましたので、日本国内でも変異種が拡大するようだと、シンガポール政府が「日本からの入国も拒否」という方針を打ち出すのではないかと心配になりました。そうするともちろんシンガポールへ戻ることはできません。

PCR検査は地方都市では受けにくい

シンガポールに入国するには、日本国内でPCR検査を受けて、陰性証明書が必要になります。シンガポール政府の規定により、シンガポール到着の72時間の検査でなくてはなりません。私たちが滞在していたのは、四国地方にある実家で、東京とは異なりPCR検査を実施している医療機関の数が多くありません。

シンガポールへのフライトは成田空港発だったので、PCR検査を東京で受けるために、フライトの数日前に四国から東京へ移動し、東京のホテルに泊まっていました

このとき感じたのは、このPCR検査で陽性となった場合のことです。「もし陽性となれば、生後4カ月の乳児を含めて、家族はどこに滞在することになるのだろうか」との不安でいっぱいでした。

おそらくホテルに隔離となるのでしょうが、準備した大荷物(スーツケース4個)はどうしたらいいのか、などと思ったりもしました。

高額なPCR検査

東京都内でPCR検査を実施している医療機関を調べると、数は多くありましたがその検査費用は3万円台が主流でした。

・都内のPCR検査実施機関一覧
https://www.covid19test.jp/html/page2.html

夫婦2人で受けると結構な金額になってしまうので、少しでも安く信頼できそうなところ、と探した結果、内幸町にある「チーム メディカル クリニック」でPCR検査を受けることにしました。陰性証明書(英字)付きで、14500円と他のPCR検査機関よりも比較的廉価で、検査翌日の朝には陰性証明書が発行されることも決め手でした。

閑散とした成田空港と免税店

そして検査翌日に陰性証明書をもらい、成田空港へ向かいます。
閑散とした成田空港。新型コロナが流行する前は賑わっていた免税店も空いているのはわずか数軒だけ。その免税店のお客さんも数人だけ、でした。飛行機の乗客は50人もいなかったと思います。空席だらけの機内ですが、キャビンアテンダントさんの心遣いは、往路と変わらず温かく、乳児連れの私たちにはありがたかったです。

搭乗口横にある免税店も閉鎖されていました

14日間の隔離先は運に任せるのみ

※関連記事にあるように、状況がアップデートされ、現在では追加の料金を支払えば希望のホテルの希望の客室を指定することができます。

シンガポール入国後の1番の不安は14日間の隔離生活です
私たちが日本へ一時帰国をすることにした11月上旬の段階では、日本からシンガポールへの入国者は、ホテルでの14日間の隔離は免除され、自宅で過ごすことが認められていました。ただ、日本で新型コロナウイルスの感染が拡大したことを受けて、シンガポール政府は方針を転換。ホテルなど政府が用意した施設ですごさなくてはなりません。

大型バスで運ばれます

このホテルがどこになるかは、最大の心配事でしたが、運に任せるしかありません。私たちは、シティホールにあるフェアモントホテルでした。部屋は親子3人が過ごすには十二分に広く、バスタブや窓を開けられるバルコニーも備わっていて、14日間をそれほど不自由なく、快適に過ごすことができました

こちらは推測になりますが、クリスマスの時期や年末など混雑する時期にシンガポールに入国すると、入国者が多いからなのか、グレードが低いホテルも使われるような印象です。

部屋は快適でありがたかったです
ベビーベッドでくつろぐ息子

費用は同じ部屋なら割引に

私たち夫妻のビザは、EPとDPです。
こちらの記事では、シンガポールに入国する前に、同じ部屋にしてくれるようにシンガポール労働省(MOM)に申請する、との記載がありましたが、私たちのときは、事前の申請はしませんでした。

空港にいるスタッフに「家族だ」と伝えれば、必然的に同じホテルにバスで運んでくれます。14日間の隔離生活の費用は、私たちは大人2人と乳児でしたが、3人で一部屋を利用しているので、費用は以下のようになりました

大人:$1300/人×22600
乳児:$00
PCR検査:$125/人250
合計$2,850

また、同じフライトでシンガポールに到着しても、同じホテルになるとは限らないようです。私たちと同じJAL便で到着した母子は、入国審査に時間がかかっており、同じバスとはなりませんでした。連絡先を交換していたので、2〜3日後に滞在先を聞いてみたら「シャングリ・ラホテル」とのことでした。

滞在10日目に受診したPCR検査の結果も、陰性でした。ただ、シンガポールでのPCR検査は、日本よりも念入りに?行われ、鼻の奥の奥まで綿棒を突っ込まれて、とても痛かったです

フェイスブックコミュニティの情報が役立つ

私たちがシンガポールの入国(帰国)する時に、役立ったのでは、フェイスブックのコミュニティ「Singapore Hotel Quarantine Information & Experience」です。このコミュニティには、シンガポールの隔離生活(Stay Home Notice)について各国から入国した人が、さまざまな情報を書き込んで情報共有しているコミュニティです。

「汚いホテルでSHNをさせられているが、部屋を変えるにはどうしたらいいか」
「同じフライトの搭乗者にコロナ陽性者が出て、SHNが延長になった」

などなどの書き込みがされています。

これからシンガポールへ入国する人はぜひ参加しておくと、参考になる情報もあると思います。

こうして大きなトラブルもなくシンガポールに戻ってきました。1月中旬現在で、日本では新型コロナウイルスの感染拡大が続いている状態です。シンガポール政府がいつ規制を強化するのかはわかりません。

今回、2ヶ月という長期で日本に戻れたことは、とてもよかったと思います。両親もとても喜んでくれました。早くかつてのように自由に往来できる日が戻ってきて欲しい、と切に思いました。

この記事を書いた人

SingaLife編集部

シンガポール在住の日本人をはじめ、シンガポールに興味がある日本在住の方々に向けて、シンガポールのニュースやビジネス情報をはじめとする現地の最新情報をお届けします!

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