シンガポール版マイナンバー「SingPass」がリニューアル、将来的に自動販売機でのアルコール購入も可能に
2003年に導入されたシンガポール版マイナンバーの「SingPass」が2021年3月4日、18年ぶりに新しいロゴに生まれ変わり、ウェブサイトもリニューアルしました。
SingPassを開発したGovTech(政府技術庁)によると、今回のリブランディングは「より多くの便利な新機能を提供するSingPass」を知ってもらうために行われたそうです。
具体的には、SingPassアプリで年齢確認を行うことで、自動販売機でアルコール飲料を買えるようになる新機能が今年中に導入予定です。
シンガポールでアルコールを購入する際は店で身分証を提示する必要がありますが、この機能が導入されると、SingPassアプリで自動販売機のQRコードを読み取って、6桁のパスコードもしくは指紋/顔認証で本人確認を行うことでアルコールを購入できるということです。
ちなみにシンガポールでお酒が解禁されるのは、18歳からです。
コロナ禍でSingPassユーザーが増加
新型コロナウイルスの影響で日常生活のさまざまな場面でDX(デジタルトランスフォーメーション)が進んだことにより、SingPassの利用者数や取引件数は大幅に増加しました。
GovTechによると、SingPassによる取引件数は前年の2倍となる1億7,000万件を超え、SingPassアプリの使用人数も昨年の3倍となる250万人に達し、さらにそのうち90%以上が月に1回以上アプリを使用しているそうです。
SingPassアプリは利用者のNRIC番号(個人識別番号)のほか、運転免許証番号、結婚証明書番号、子供の出生記録、財産所有データなどの個人情報を保存します。そのため利用者はSingPassが提携する公的機関や企業で申請などを行う際に、こうした個人情報を登録する手間を減らすことができます。
例えば2018年、DBS銀行はSingPassを利用したオンライン申請サービスを開始し、顧客のクレジットカードの申請を即時に承認できるようになりました。
SingPassは現在約140の公的機関と200の民間企業による計1,400以上のサービスで利用可能で、今後不動産、ヘルスケア、金融、自動車といった分野の企業も提携予定だということです。
シンガポールのスマート国家戦略担当のビビアン・バラクリシュナン大臣は「SingPassは最終的には国境を越えて使用できる、国際的なデジタルIDやパスポートへ進化することでしょう」と述べ、現在オーストラリアやイギリスと協議が進んでいるデジタルパスポートについても言及しました。
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この記事を書いた人
SingaLife編集部
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