2020年のシンガポール国内の廃棄物量減少、リサイクル率は7%に低下
シンガポールの国家環境庁は4月23日、2020年における国内の一般廃棄物のリサイクル率が低下したと発表しました。また、新型コロナウイルスのパンデミックにより、全体の廃棄物量(資源ごみとリサイクルできないごみの合計)は、前年から19%減少しました。
シンガポールのごみ総発生量は、過去4年間で徐々に減少しています。2020年の固形廃棄物の総発生量は、およそ588万トンとなっています。
ごみの排出量は減少しているものの、パンデミックにより2020年のリサイクル率は低下を見せました。国家環境庁によると、2020年のリサイクル率は52%と、2019年の59%と比べ7%低下しました。
リサイクル率の低下は、例年全体の廃棄物量の60%占めている「建築・解体廃棄物」と「鉄系金属」の発生が、2020年には大幅に減少したことが原因となりました。新型コロナウイルス対策によるサーキットブレーカー期間中は、建設活動が停止したため、産業施設・商業施設から出る産業廃棄物量が減少しました。
一般ごみのリサイクル率も2019年の17%から、13%に低下しました。家庭や学校、地域社会から出るリサイクル可能なものの回収が、新型コロナウイルスの関係で一時的に停止したことが理由です。
また、学校や地域が主導するリサイクルプログラムも一時停止したために、紙やプラスチックなどの資源ごみの回収が進みませんでした。
シンガポール政府は、持続可能な環境整備を目指すための計画「シンガポール・グリーンプラン2030」の中で、2030年までに埋め立て地に送るごみを、1日1人当たり30%削減することを目標としています。また、廃棄物処理に関して、シンガポール国内全体のリサイクル率を70%に引き上げる目標を掲げています。
国家環境庁は、「無駄なごみをゼロにするというビジョンを実現するために、市民や民間部門、公共部門全体が協力する必要がある」と述べています。
新型コロナウイルスによりリサイクルが進まなくなっている今だからこそ、サステナブルな社会の実現に向けて私たち1人1人が積極的に行動していけると良いですね。
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SingaLife編集部
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