シンガポールの職場で労働環境整備を求める安全衛生規定違反が増加

シンガポール人材開発省(MOM)は、2021年1~4月に行った職場の労働環境整備を求める安全衛生規則に関する検査で、前年同期の1800件の約2倍にあたる3200件超の規定違反が見つかったと発表しました。

労働環境に関する検査を巡っては、2月に国内西部トゥアスの工業施設で作業員3人が死亡し、7人が負傷した爆発事故が発生したことを受け、可燃性粉塵を扱う企業500社を対象とした調査も実施。2021年1~4月に行われた安全衛生検査は、前年同期の1000回を上回る約1600回に上り、MOMは、違反の摘発件数が増えた一因として、検査回数の増加を挙げました。

違反の増加について、職場の安全問題を専門とするコンサルタント会社QuESHコンサルタンツのNgo Seow Kuan氏は、「雇用主がその場しのぎの対策のみを講じるケースもありうる」と述べ、「検査はいたちごっこのようなものだ」と評しています。

また、MOMは、検査を補う職場の安全衛生監査を国際基準に合わせる取り組みの一環として、10月に建設業界向けの改訂版監査チェックリストを全面導入する計画です。改訂版のチェックリストは、監査プロセスの改善に向け、書類検査の負担を減らすよう刷新されます。

しかし、2020年9月に10の事業所で行われた改訂版の試験運用に携わったNgo氏は、「監査項目がまだ多すぎる」と指摘。「書類の点検に大半の時間が費やされ、現場を視察する時間がほとんど残らない」と述べるとともに、「職場の安全衛生をめぐる良好な風土は、企業のトップによって育まれるべきだ」として、監査チェックリストの改善にあたり、企業レベルの検査を奨励する必要性を強調しています。

シンガポールにおいても死傷者の報告が後を絶たない労災事故。誰もが安心して働ける職場環境の確立が望まれます。

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SingaLife編集部

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