換気の悪い空間で新型コロナウイルスの拡散を防ぐための新しいガイドライン
シンガポールの建築建設庁、国家環境庁、保健省は、新型コロナウイルスの蔓延を防ぐため、建物の換気と空気の質を改善する一連の最新ガイドラインを発表しました。
当局は、新型コロナウイルスは、換気の悪い閉鎖的な環境でエアロゾル(浮遊する微粒子)によって拡散する可能性があると指摘しています。したがって、室内環境の換気と空気の質を改善することで、このリスクを軽減することが重要であると述べています。
ガイドラインでは、建物の所有者や施設管理者が実施すべき対策を、3つの異なる環境ごとに示しています。
まず、オフィスビルやショッピングモールなど、機械的換気設備と空調のある空間では、管理者は換気システムが正常に機能していることを確認し、外気を最大限に取り入れる必要があります。建物を使用する前に少なくとも1日1回は空気を入れ替え、室内空気の再循環を減らす必要があります。また、トイレなどでは、換気扇を常に稼働させなくてはなりません。
次に、小売店などの機械的換気設備のない空間では、できるだけ頻繁にドアや窓を開け、管理者は窓に取り付けられる換気扇の設置を検討する必要があります。
最後に、喫茶店やドミトリーなどの自然換気施設の管理者は、窓やドアを常に開けておき、外向きの換気扇を設置して空気の入れ替えを行います。また、水周りの水密性など、その他のシステムをチェックし、空気の漏れがないことを確認する必要があります。
これらの対策を個別に実施するだけでは不十分だと当局は述べています。頻繁に触れられる箇所は定期的に消毒し、また、建物の利用者は、安全な距離を保ち、マスクを着用する必要があります。
科学技術庁が昨年行った調査によると、公共のバスや電車は換気が行き届いているとのことです。電車では、6分ごとに換気装置で空気が入れ替わるほか、各駅のドアの開閉でも空気が入れ替わることが分かっています。バスでは、ドアの開閉時に新鮮な空気が入ります。また、インターチェンジでは、ドアが開いたままの状態で換気が行われています。
「換気システム、清掃・消毒の強化、さらには通勤者が質の良いマスクを着用し、会話をしないという厳しい規律を守ることで、通勤者のウイルス感染を最小限に抑えることができます」と当局は述べています。
建物内での換気がより強化されていくシンガポール。バスや電車の換気も優れていますが、私たち自身も正しいマスクの着用やソーシャルディスタンスを意識して感染の防止に努めましょう。
この記事を書いた人
SingaLife編集部
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