シンガポール政府のワクチン接種プログラム、12〜39歳の外国人居住者も対象に。ワクチンパスポートなど、海外旅行再開への検討も進む
シンガポール保健省は6月24日、新型コロナウイルスのワクチンの供給を前倒しできたことにより、国が進めるワクチン接種プログラムを加速することを発表しました。7月2日からは、シンガポールの永住権保有者や12歳から39歳までの長期ビザ保有者など、外国人居住者にもワクチン接種プログラムの対象を拡大します。ワクチン接種の登録を行うと、7月2日以降順次SMSで個別の予約リンクが送付され、接種の予約ができるようになります。
保健省は6月26日以降、1日あたり最大8万回の接種が可能となり、現在の1日あたり4万7,000回から70%の増加となることを発表しました。ワクチン接種プログラムの強化に伴い、6月26日から数日間、新たに50万人分の初回接種予約枠が追加される予定です。
保健省は、すでに7月中旬から下旬に初回の接種の予約が入っている人に対し、予約を前倒しすることを勧めています。シンガポールでは現在、ワクチンの接種間隔を延長し、多くの人が1回目のワクチン接種を行い、一定の予防効果を持つ居住者を増やすことを優先しています。ワクチンの供給が前倒しされたことにより、2回目の接種を早めることが可能となる見込みといいます。
また、ワクチン接種を受けた人の海外旅行再開についても指摘がありました。新型コロナウイルス対策の閣僚タスクフォースの共同議長であるローレンス・ウォン財務相は、ワクチンを接種した渡航者がシンガポールに入国する際、新型コロナウイルス対策として実施している隔離措置(Stay Home Notice=SHN)の短縮や免除も考えられると述べました。ウォン財務相は「滞在国のリスクと感染率を考慮することになります」と語っています。
同タスクフォースの共同議長であるガン・キムヨン貿易産業相は、シンガポールがより高いワクチン接種率に達すると、海外旅行を再開できると指摘。8月にはシンガポール国民の3分の2がワクチン接種を終えると想定されるものの、渡航を再開するには「3分の2ではまだ不十分です」と述べています。
政府は渡航再開を認めるワクチンの接種率について検討を行なっていく考えです。また、渡航時に国同士で相互承認するワクチン接種のデジタル証明書(ワクチンパスポート)などについても検討を進めています。
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SingaLife編集部
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