シンガポールの結婚・離婚件数、2020年は新型コロナでともに減少

シンガポール統計局は7月7日、2020年の結婚・離婚統計を発表しました。それによりますと、2020年の婚姻登録件数は、2019年の2万5,434件を10.9%下回る2万2,651件に落ち込み、2000年以来最大の減少幅となりました。一方、離婚・婚姻の取り消し件数は、2019年の7,623件を8.7%下回る6,959件と、2006年以来最少の水準に減少しました。

統計局は、結婚・離婚減少の理由として、新型コロナウイルス感染拡大防止を目的とした外出制限措置“サーキットブレーカー”と安全管理対策を挙げており、結婚式への出席者数が制限されるなど、パンデミックをめぐる不透明感が広がるなか、挙式を延期するカップルがいたとみられています。

離婚については、家庭裁判所がサーキットブレーカー期間中、生命に危険を及ぼすといった、“緊急かつ重要”な事例しか取り扱わなかったため、離婚申請件数に影響を与えたとのことです。また、ある弁護士は、「パンデミックの影響が収入に及んだ結果、資産分割に伴い、家計が悪化するのを望まなかった夫婦もいた」と述べています。

なお、離婚率は過去10年間、男女ともに減少傾向にあり、結婚経験がある20歳以上の人に占める離婚経験者は、2010年の男性1,000人中7.5人、女性同7.2人から、2020年は男性6.3人、女性6.1人に減少。

2020年に離婚した夫婦の平均結婚年数は、10.4年となっています。

また、2020年に結婚したカップルのうち、夫婦ともに初婚だったカップルの割合は、2010年の73.9%を上回る78.5%でした。

異民族間の結婚については、過去数十年間で増えつつあるものの、2020年は結婚件数全体に占める割合が、2019年の19.7%から18.2%に縮小。

さらに、国際結婚についても、シンガポール国立大学(NUS)リー・クアンユー公共政策大学院のタン・ポーリン助教授は、「国境閉鎖やパンデミックをめぐるその他の規制措置により、減少しているかもしれない」と指摘しています。

新型コロナウイルス感染拡大の影響は、社会の隅々にまで及んでいるようです。




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SingaLife編集部

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