シンガポール航空とシンガポール国立大学が共同研究施設を開設 長距離線乗客の寝心地改善など目指す

※写真はイメージです

長距離線の飛行機内での乗客の寝心地改善などを研究するシンガポール航空(SIA)とシンガポール国立大学(NUS)の共同研究施設“The SIA-NUS Digital Aviation Corporate Laboratory”が1月10日、NUSのケント・リッジ・キャンパス内にオープンしました。

同施設は、国内の研究開発についての政策立案を担う政府機関“National Research Foundation(NRF)”の支援の下、4,500万Sドルを投じて開設。

施設内には、機内の環境を再現したモックアップ(実物大模型)が設置され、NUSの研究者とSIAが、今後数年にわたり、被験者の顔の表情や心拍数、眠りの姿勢、段階をモニターするセンサーを通じて、機内での乗客の睡眠の状態や食事のために乗客を起こすのに最適な時間などを研究します。

コックピットのシミュレーターも設けられており、拡張現実(AR)や仮想現実(VR)を活用して、操縦士が自宅ででも訓練を行えるようにするほか、収益管理やダイナミックプライシング(需給に応じた価格設定)、従業員の健康増進に関する研究も実施する計画です。

“The SIA-NUS Digital Aviation Corporate Laboratory”の開所には、ヘン・スイキャット副首相兼調整相(経済政策担当)も、立ち会い、コロナ下でのSIAのデジタル化推進の取り組みに満足の意を示すとともに、大学・研究機関との協力強化を検討する国内企業が増えるよう期待を表明しました。

また、SIAのシニア・バイスプレジデント(情報技術担当)、ジョージ・ワン氏は、国際線を取り巻く環境がきわめて不透明な中での今回のNUSとの提携について、「われわれは短期的な利益にとどまらず、長期的な成長を見据えている」と述べ、「世界を代表する航空会社になるには、イノベーションが大切だ」との考えを表しています。

コロナ下で飛行機を利用する機会は激減しましたが、感染が収束し、寝心地がさらにグレードアップしたSIAのキャビンを体験できる日が1日も早く訪れるよう待ち望まれます。



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SingaLife編集部

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