シンガポール・セントーサ島の旧要塞フォート・シロソ国定史跡に登録

シンガポール国家遺産局(NHB)は2月15日、シンガポール本島南のリゾート地セントーサ島西端にあるかつての軍事要塞フォート・シロソをナショナル・モニュメント(国定史跡)に登録したことを明らかにしました。

フォート・シロソは1878年に当時シンガポールを支配していたイギリスにより、港の防御を目的として建設。

第2次世界大戦中は、シンガポール本島に侵攻してきた旧日本軍に対し、砲弾による反撃を行ったほか、シンガポール陥落後は、旧日本軍によってイギリス兵やオーストラリア兵の戦争捕虜収容所として使われました。

これまでに登録されたシンガポールの国定史跡は、イスタナ(大統領官邸)、シティー・ホール(現在のナショナル・ギャラリーの一部)、ラッフルズ・ホテルなど、フォート・シロソを除き、73カ所に上り、第2次世界大戦ゆかりの史跡登録は、MRTシティー・ホール駅近くに建てられているシビリアン・ウォー・メモリアル(市民戦没者記念碑)、チャンギ刑務所入り口の門、旧キャセイ・ビルディングなどに次いで、今回が8カ所めとのことです。

現在、フォート・シロソは戦争博物館(入館料無料)として一般に公開され、当時の砲台などを展示。

フォート・シロソが国定史跡に登録された2022年2月15日は、イギリスが日本に降伏した1942年2月15日からちょうど80年にあたります。

NHBは今後、フォート・シロソの補修・保存に向け、ガイドラインの策定に着手する計画を示しており、フォート・シロソが国定史跡に指定されたことに伴い、フォート・シロソの管理者であるセントーサ開発公社(SDC)などが、フォート・シロソの敷地内の史跡に何らかの手を加える場合は、法律に基づき、NHBの承認が必要となります。

シンガポールの歴史の歩みを今に伝えるフォート・シロソ。国定史跡登録を機に、フォート・シロソを訪れ、シンガポールと日本との歴史をあらためて思い返してみるのもいいかもしれません。


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SingaLife編集部

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