シンガポールで味わう、至福の大阪天ぷら「一宝」からりと揚がった至宝の天ぷら
いつ頃からでしょう、天ぷらを食べると胃液が上がってくるようになったのは。単に歳のせいかと思っていましたが、天ぷら一宝で理由が判明。原因は重い油を吸った衣にあったようです。厳選された日本食材と新鮮な油を使い、さっくりと揚がった一宝の、胃もたれ知らずな天ぷらの秘密をご紹介します!
COMO Dempsey
外国人にも人気の、シンガポールにありながら避暑地にいるような気分が味わえる場所がDempsey Hill。
一宝は、その中にあるファッショナブルなCOMO Dempseyの一角にあります。ここにあるフードストリートレストランは、コムデギャルソンなどシンガポールとアジアで多くの一流ファッションブランドを展開するClub21の姉妹会社、COMOグループが所有しています。
ミシュランレストラン「Candlenut」 デンプシー・クックハウス&バー(The Dempsey Cookhouse and Bar) やアジアにインスパイアされたコンテンポラリーなヨーロッパ料理など7店が入っています。
青を基調にしたモダンなインテリアは、さすがの一言。大阪の本店や銀座店とは違ったイメージで、一見日本料理とはわからない雰囲気です。
天ぷら一宝東京銀座シンガポールへ
本日ご紹介するIppoh Tempura Bar By Ginza Ippohは、大阪に本店を構える天ぷら一宝の5代目、関勝さんのシンガポール旗艦店。
関さんは同志社大学を卒業後、単身アメリカの大学へ3年間留学した国際派。卒業後に本店で修行を積み、銀座店をオープン。シンガポール出店はClub21のオーナー、Christina Ongさんからのオファーで、2016年12月にオープンしました。それ以来、外国人やローカルの方々を中心に愛されています。
コースメニューは4種
Momiji(もみじ):9品の天ぷらランチメニュー(S$90++) Ume(梅):11品の天ぷらランチメニュー(S$125++) Tsuki(月):9品の天ぷらディナーメニュー(S$150++) Yuki(雪):11品の天ぷらディナーメニュー (S$230++) アラカルトはランチ、ディナーともにご利用いただけます。 |
本日の一品は、年に4、5度シンガポールを訪問する、銀座一宝の「一宝天ぷら酒場」創業家5代目の関勝氏が腕を振るってくださいました。
以前は店の奥にあるカウンター12席のみでしたが、現在では居心地のいいテーブル席もご用意。用途により、またお好みにより選べるのは好評です。筆者は目の前で揚げてくれたり、下ごしらえの様子も見れて、料理人の方との会話を楽しめるカウンター席がいいですね。ちょっとした会話が味にエッセンスを加えてくれます。
銅の天ぷら鍋は2台
以前は天ぷら鍋は1台でしたが、現在では2台にしました。それはシンガポールに暮らすベジタリアンの方のためだとか。ヴィーガンのお客様などもいることから、他の食材と混ざることなく、野菜専用の天ぷら鍋を使用して対応、というのがきっかけでした。ですがそのおかげでベジタリアンだけでなく、一般のお客様もお待たせする時間が短くなり、喜ばれています。
衣も油も常に新しい
出来合いの衣の中に漬けて揚げる、という筆者がよく知る天ぷら屋の工程。ですがここでは一品揚げるごとに粉を足し、新しく作っています。それは素材によってこまめに微調整するためと、衣は作りたてがおいしいから、というシンプルな理由ながら、手間がかかり実行するには大変なことだと思います。
関さん世代で5代目という長い歴史から生み出された感覚と技術が合わさり、理想的な天ぷらが生まれるんですね。
また油も毎日、一度使うごとに換えるのが一宝のポリシーです。紅花油ゆえコストはかかりますが、こちらも一宝のポリシーです。
厳選した日本酒
本日のお酒は、酒メニューを見ていて目についた「蓬莱純米大吟醸 色おとこ」。思わず名前で注文しましたが、フルーティでスムーズ、お酒があまり得意でない方もおいしくいただける味わいです。今日のハッピーな気分にぴったり。
レストランマネージャーのクロエさんに全幅の信頼を置き、お店に置くお酒に関しては、彼女に任せたそうです。そのバラエティの中に黒松白鹿純米大吟醸が仲間入り。フレッシュでさわやかな酸味、飲み始めと後味が変化する魅力的なお酒です。
そしてもう一つ予定されているのが、現代の名工と呼ばれる杜氏農口さんが生み出したお酒です。日本酒ファンの皆様に朗報ですね。
本日のYukiメニュー
今回SingaLifeスタッフは、Yukiメニューを実食しました!
一宝にはセットメニューと季節のスペシャルメニューがあり、食材を表記していません。そのため常連さんにも、常に新鮮な驚きを味わってもらうことが可能となりました。確かに同じものでは飽きてしまうかもしれません。
前菜
シェフのスペシャル三品盛り(右から)アメーラトマト自家製黄身そぼろ、特製出汁入りもずく酢いくら添え、炭火和牛ゆずジェリー、雲丹添えごま豆腐。Chloeさんからは、右から順番に食べるように勧められました。
甘味の強いアメーラ、出汁の効いたもずく酢、仕上げは肉の旨みで締める。もちろん自慢の雲丹添えごま豆腐は、雲丹の色合いだけで新鮮さがわかります。週2回日本から空輸、その他、シンガポールの輸入業者からも仕入れており常に新鮮な食材を食べられます。
関さんのこだわりは、日本と同じクオリティの食材を提供すること。そこに妥協はありません。牛肉は同系列であるCulinaの極上の牛肉を使っているので、関さんのお眼鏡にかなったものです。
刺身3種盛り
本日はマグロ、鯛、ホタテの3種。風味を加えるために食用菊をしょう油に散らして、とのことでやってみました。彩も美しくなりました。もちろん全て新鮮。特にホタテの甘味が残り、今も口の中で味を再現できそうなくらいです。
いよいよ天ぷらが登場!
その前に、盆に盛られたつゆなどのセットが登場。甘酢の大根とレタスは、お口の中をリセットし、次の食材の味を際立たせます。野菜類は大根おろしと天つゆ(かつおの一番出汁がとても効いており、思わず飲みたくなりそうな味!)で、エビなどの海鮮は焼き塩、またはレモン、もちろん両方でもおいしくいただけます。
車海老 |
車海老らしい、桃色に揚がっています。衣は薄いというのではなく、余分な衣をつけていない、という印象。噛むとエビの甘味と歯ごたえを感じます。
もう一尾のエビは大葉を巻いており、ベストマッチな組み合わせ。さわやかな味わいです。からりと揚がった頭もぱくり。クリスピーでおいしい!尻尾も一緒に食べましょう。残すのはもったいない。
なす |
驚きはなすの実部分の白さ。こんなにきれいななすは初めてです。火の通り具合も完璧で、つゆに入れても、ぐにゃっとしません。
さつまいも |
まるで極上の金時の衣のよう。均一にしかもぴったりと身に付いています。火を通して甘さが増しているのに、全く油っこくありません。それも日本で代々使っている山形県で作られた紅花油ゆえでしょうか。香りがなく、どんな食材にも合います、と関さん。確かに油物が苦手な方でも、ここの天ぷらは大丈夫だと思います。
スズキ |
千葉で獲れたスズキは白身でありながら、身はしっかりと旨みがあります。もちろん衣は皮が透けて見えるような厚さ。
万願寺とうがらし |
初めて食べた万願寺とうがらしは、ジューシーでほんのり甘く、驚くほどおいしい野菜です。季節アイテムですが、もしあったらぜひお試しを!
太刀魚 |
一見、太刀魚とは思えない厚みのある身ですが、口に入れると口の中でほろほろほどけます。新鮮なので臭みもなく、旨みの余韻だけが残ります。
エビトースト |
です。ですが、いわゆる普通のエビペーストを挟んだトーストとは別物です。薄いトーストはサクサクと軽い食感。重い感じはありませんがエビの味はしっかりとしていシンガポールオリジナルのものを、と言われて関さんが生み出したものます。
一通り揚げ物を堪能した後、ここで今日一番の驚きは…
油きりに油が落ちていないことです。通常なら衣が吸った油がしたたり、とろりと溜まっているはずですが、ほとんど残っていません。それはもちろん、関さんがおっしゃるように衣が余分な油を吸っていないことの証でしょう。まさにおどろき!
雲丹の天ぷらキャビア添え
Sea Urchin Tempura With Caviar
ご飯をつけた海苔をカリッと揚げ、そこに新鮮な雲丹とキャビアをのせました。大きなお口で一口でぱくり。味わいも食感も複雑な旨味のハーモニーを生み出します。シンガポールでしか味わえないメニューアイテムです。
半熟卵の天丼トリュフ添え
Soft Boiled Egg Tempura Rice with Shaved Truffle
こちらもシンガポールオリジナルメニューアイテム。柔らかい味玉とエビを揚げ、温かいご飯にのせたら、天つゆとトリュフの薄切りを散らします。そうするとゴージャスな締めの丼の出来上がり。
関さん曰く、合わせるとおいしくなるもの同士を組み合わせるとハーモニーを生むそう。卵は天ぷらが合うし、エビと卵も合う。卵とトリュフはもちろん相性抜群。そうして絶妙の丼が完成しました。
日本の果実
マスクメロンのさわやかな甘さと、皮ごと食べるのがおすすめの種なし巨峰の風味は、コースのラストにふさわしいもの。満腹のお腹にもすっと収まります。
最初から最後まで大満足のYukiコース。エビの尾ひとつ残らず、幸福な満腹感に満たされました。
旬のメニュー
コース料理は量が多いと迷ってらっしゃる方には、おすすめのSeasonalメニュー。
注目はToday’s Catchment。その日のおいしいお魚が提供されます。今日は九州や沖縄で獲れるおいしい魚メイチダイ。以前なら現地でしか食べられなかった魚ですが、今では流通が便利になったので、シンガポールでも食べられるようになったそうです。
今日のコースに含まれる、おいしいものをアラカルトでも注文できるので、コースは量が多いと言う方にもぴったり。
カウンターは満員御礼
私達が食事を楽しんでいる間に、6人グループ、カップルとカウンターに着席。平日はご予約の方がほとんどですが、週末はウォークインの方が多いとか。こちらにあるCOMO Dempseyでのショッピングを終えて、ふらりと入って来たり、天ぷらをつまみにおいしいお酒を楽しむ方がいたり、様々なお客様がみえます。
もちろんテーブル席でゆっくり楽しむのもまた良し。ご一緒する方で変えるのもいいですね。いろいろなシーンで活躍するお店です。
全てにおいて大満足
最初から最後まで、食事のみならず、最高のおもてなしを受けた夜でした。関さんのお料理はもちろん、お店を切り盛りする渡辺料理長、副料理長のレオンさん、あやめさんは関さんの料理哲学を共有しており、伝統の味を守っています。そしてレストランマネージャーのクロエさんとソムリエのジェイミーさんとでサービスも完璧な布陣です。
シンガポールにいながら、日本の新鮮食材と技術を堪能できる、そして温かいサービスを味わえるお店。ローカルの方や外国人の方ばかりでなく、ぜひシンガポール在住の日本人の方にも味わってもらいたい!ぜひお気に入りの店に加えてください。
一宝天ぷらバーby銀座一宝を気軽に楽しんでいただくために
予約はこちらから ※席数に限りがありますので、なるべくご予約されることをおすすめします。 電話番号はこちら⇒ 6486 1052 |
店舗情報
Ippoh Tempra Bar By Ginza Ippoh 一宝天ぷらバーby銀座一宝 住所:17C Dempsey Rd, S 249676 最寄り駅:Orchard、Napier駅からバス 営業時間: ランチ 月〜日 12:00-15:00(L.O 14:00) ディナー 月〜木日 18:00-22:00(L.O 21:00) 金土祝前日 18:00-23:00(L.O 22:00) 定休日:なし 他店舗:なし 電話:6486 1052 WEBサイト 予約はこちらから |
●記事内容は執筆時点の情報に基づきます。
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この記事を書いた人
林じゅん子
長崎県出身。バブル期の東京で浮かれて過ごし、そのままシンガポールへ。気がつけば20数年!香港映画がきっかけでアジア芸能にはまり、シンガポール初日本人芸能記者(自称)に。ラジオ、雑誌ともに芸能一筋、出会った芸能人は数知れず。 現在はエンタメ以外の3大好物、イケメン、おいしいもの、アニマルネタ目を光らせる。期間限定&新製品にも目がない、ローカルどっぷりジャパニーズ