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「マンダリン・オーチャード・シンガポール」隔離待機の13人、入国後にコロナ感染か

シンガポールの新型コロナウイルス感染拡大防止対策では、一部の国や地域をのぞいて海外からシンガポールへの入国者は、シンガポール政府が指定するホテルなどの隔離施設で14日間待機しなければなりません。この制度は「Stay Home Notice(SHN)」と呼ばれています。

11月に、シンガポールに来る前に新型コロナに感染していたと判断された陽性者13人は、SHNを「マンダリン・オーチャード・シンガポール」で送っていましたが、この13人について、入国後に感染した可能性が浮上しています。

このためマンダリン・オーチャードの全ての利用客が段階的にチェックアウトとなり、約500人のホテルスタッフがコロナの検査を受けることとなりました。ホテルも徹底して清掃、消毒されます。

新型コロナウイルスの潜伏期間は、14日間と言われており、13人の陽性が判明してから既に1ヵ月以上が経過しているため、専門家は、この一件が新たな感染拡大の波を引き起こす可能性は低いと見ています。

13人がシンガポール入国後に感染したと考えられている理由は、アメリカ、韓国、イギリス、フィリピン、バーレーンなど10か国からシンガポールに入国していたからです。国はばらばらなのに、13人が感染した新型コロナウイルスの遺伝型が極めて似通っており、ひとつの感染源が由来なのではないかと推定されます。

13人は10月22日~11月11日まで、マンダリン・オーチャードの同じタワーで入国後待機(SHN)を行い、11月2日~11日の間に行われた検査で陽性が確認されました。

12月9日、シンガポールの保健省と観光庁は共同の声明を出し「同一の感染源の可能性がある」と指摘しました。

シンガポールでは、全ての感染確認例を元にしてウイルスの遺伝子の系統調査が行われています。これには通常4週間を要します。

13人の感染に関連性がある可能性が持ち上がったことから、保健省は彼らが感染したのが入国前なのか、それともシンガポール入国後なのかを見極めるため詳しく調査しました。

調査の関係者は「保健省の調査では、マンダリン・オーチャードで感染が発生したという可能性は消せない」と話します。ウイルスの遺伝子追跡調査は今も続いています。

保健省は現在マンダリン・オーチャードで隔離待機中の人全員を、14日間の隔離期間終了を待たずに検査をする方針で、すでに大部分は検査済みです。

また、11月11日以降に滞在した人に対し、直近でホテルに滞在した日から14日間は健康状態を気にするように求めています。もし喉の痛み、鼻水、熱、嗅覚や味覚の異常などの症状が出たら医師に相談しなければなりません。

マンダリン・オーチャードで入国後隔離をしている人はホテルのメインタワーの28フロア・446部屋に分かれています。他のタワーからは独立していますが、ホテル側は予防のため全員をチェックアウトさせると決めました。

今回のケースは、リー・シェンロン首相が、国内感染率の低さなどを理由に、12月28日から8人までの会食を認めるなど政府のコロナ対策措置を緩和させると発言したころに発覚しました。

しかし、専門家はマンダリン・オーチャードのケースが政府方針を転換させるほどのものではないといいます。「国内の感染はほぼ感知できている。発覚していない感染拡大があるのだとしたら驚きだ」

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