シンガポールで英語多読を始めよう!「おうち英語」におすすめ本・アプリ・始め方を徹底ガイド

英語学習に効果的な「多読」を、シンガポールでのおうち英語に取り入れてみませんか?
英語が公用語の一つであるシンガポールは、多読を始めるのに最適な環境が整っています。この記事では、多読のメリットや、シンガポールでのおうち英語の実践方法、おすすめの教材などを詳しくご紹介します。
多読とは?

幼児教育における英語多読は、簡単で楽しい本をたくさん読むことで、自然に英語力を身につける学習法です。無理のない読書を続けていくことで、着実に、確実に子どもの英語力を伸ばすことを目的としています。
多読は、子どもたちが読書を楽しむことを最優先に考えます。そのため、子どもにとって簡単で、興味を持てる内容の本を選ぶことが重要です。子どもたちは自分の好きな本を選び、読む機会が習慣化することで、読書に対する抵抗感が減り自然と読書量が増えます。これにより、言語の習得を自然に行うことを目指しています。
多読では、分からない単語があってもその都度辞書を引かず、わからないところは飛ばして読み進めます。文脈やイラストから、英語の意味を推測することが推奨されているからです。その結果、読解力が向上し、英語を英語のまま理解する力が育まれます。
さまざまなジャンルやトピックの本を読むことで幅広い知識を得ることができ、語彙力や読解力が自然に向上することを狙いとしています。
多読で得られる効果とは?
多読を通じて、子どもたちは新しい単語や表現を自然に学びます。これは言語の習得において非常に重要です。多読は、英語のテレビ番組やラジオ、歌のかけ流しなどの「受動的な英語学習」とはアプローチが異なります。能動的に英語学習に取り組むことに焦点を当て、その中で最も効果的と言われる英語の読書という作業を通じて、英語力を伸ばす効果が期待できるものです。
簡単な内容の本を繰り返し読むことで、子どもたちはストーリーの構造や文脈を理解する力を高めます。これにより、段階を経て、より複雑なテキストにも挑戦できるようになります。自分の好きな本を自由に読むことが、気づけば「読める」に繋がり、子どもたちは読書に対する自信を持つようになります。これは、将来的な英語への学習意欲にもつながっていきます。
多読の始め方ガイド:今日からできるステップ
始めは、簡単な本から始めましょう。子どもが簡単に読める本からスタートし、楽しく繰り返し読むことを習慣化していきます。読めない箇所は飛ばしながら、自然に本と接する機会を増やし、徐々に内容のレベルを上げていくことが推奨されています。
次に、子どもに興味を持たせることです。子どもが興味を持つテーマやキャラクターの本を選ぶことで読書への関心を高めることは、多読のモチベーション維持に繋がります。最も重要なのは、定期的な読書時間を設けることです。朝晩の短い読書時間や、親子での読み聞かせ、本の内容を英語で確認し合うなど、読書を習慣化し、自然な流れで無理なく継続していくことがポイントです。
おすすめの多読本&アプリまとめ

多読学習を始める際に目にするのは、英語のレベル分けの指標となっている「YL」というレベル表記です。SSS英語学習法研究会が日本人の英語学習のために定めたもので、語彙数や総語数が難易度によって分けられているため、学習目標設定やレベル決定の目安となります。
数値が小さいほど読みやすいことを示し、0.0から始まって、難易度の高いものは10.0以上まであります。読み手のレベルのあった本からスタートし、レベルアップして行く際にも役立つ指標です。本を選ぶ際にぜひ参考にしてみてください。
幼児から〜
ORT(Oxford Reading Tree)

出典:公式ORT日本広報部
🔶YL:0.0〜1.9(目安)
Oxford Reading Tree(オックスフォード リーディング ツリー)は、英語を学ぶ子どもたちに向けた多読用の絵本シリーズです。イギリスの約80%以上の小学校で使用されている教材で、初めて英語を学ぶ子どもたちに適しています。
魅力的なキャラクター、主にキッパー少年とその家族や友人との日常生活が描かれていて、頻繁に使う英語表現が繰り返し本の中で登場します。ポップなイラストも相まって、自然な英語を学ぶことができます。
約10段階に分かれているレベル設定は、子どもに無理のない学習を促すことができます。また、絵から意味を想像しやすい工夫がされており、辞書を引かない、という多読の学習法にも納得です。
ORTはオーディオCDが付属しているため、子どもがネイティブの発音を聞きながら学習できます。
Raz-Kids

出典:Raz-Kids
🔶YL:0.0〜3.0(目安)
ラズキッズは、英語圏の小学校などでリーディングの副教材として使われているオンライン図書システムです。400冊以上のデジタルブックにアクセスすることができ、毎月新しいタイトルが更新されるため、飽きることなく継続できるのも魅力です。
レベルは29に分かれているので、子どもが無理なくリーディングを進められるレベルが見つかります。パソコンやタブレット、スマートフォンなど、さまざまなデバイスからアクセス可能で、いつでもどこでも学習ができるのも利点です。自動音声読み上げや、学習後すぐにクイズによる内容理解の確認もあり、インタラクティブな機能は学習をより楽しいものにしています。
リーディングをするともらえるスター(ポイント)を貯めることでサイト内の自分のアバターの洋服や小物をアップグレードできるなど、読書のモチベーションを高めるツールで、子どもが継続的に読書を進められるように設計されています。レベル別の豊富なトピックは、物語、科学、歴史とジャンルはさまざまです。
Pearson English Readers(Penguin Readers)

🔶Easystarts :YL 0.5〜1.5(目安)
世界中で販売されている英語学習者のための人気多読教材シリーズです。Easystartsからレベル6まで7段階にレベル分けされていて、世界の文豪作品、マザー・テレサなどの伝記や童話、古典、ミステリー、コメディー、ディズニーなどの人気映画のノベライズものまで豊富なラインアップです。
特にEasystartsシリーズは、英語学習者向けに設計された初級レベルの読書教材です。豊富なイラストは視覚的に内容の理解を促し、子どもが英語でストーリーを楽しむ手助けになります。内容は非常にシンプルで、基本的な話の流れが展開されていくので毎日取り組みやすいのも嬉しいポイントです。細かい描写や複雑な文法は避けられていて、物語の筋を追うことに集中できるようになっています。
英検準2級・2級程度〜
Diary of a Wimpykid

🔶YL:3.5
アメリカの小学生に大人気のDiary of a Wimpy Kidは、日本語でも「グレッグのダメ日記」というタイトルで日本語に翻訳されて出版されている大人気シリーズです。
主人公グレッグのダメダメな日常を描いたユーモアたっぷりな内容は、子どもたちが日常生活で経験する失敗やトラブルの「あるある」な出来事と重なり、自然と共感を覚えます。文章は大きめの文字で、イラストや吹き出しが豊富なことから視覚的にも楽しめる要素が多く、あれば小学校低学年からでも楽しめるように工夫されています。
本の中では主に、グレッグと家族、親友のローリーとの日常が描かれています。ケンカやいざこざを繰り返しながらも、最終的にはお互いを支え合う友情や家族の姿や、失敗を経験に変えていく大切さを示唆した教育的要素も含んでいます。難しい表現が少なく直感的に理解しやすい内容のため、多読はもちろん、これから語彙力を増やしたい子どもたちにも読書の楽しさを教える良い入り口となるシリーズです。
Magic Tree House

🔶YL:3.5
Magic Tree Houseは、アメリカの作家によって書かれた小学校向けの冒険小説シリーズです。比較的読みやすいページ数の本は隙間時間の読書にもぴったりで、持ち運びにも適しています。
主人公の兄妹ジャックとアニーが魔法のツリーハウスから、恐竜時代、タイタニック号、日本の江戸時代など、さまざまな時代のさまざまな場所へ学びながら旅をするというストーリーです。文章は短くシンプルで、ほとんどが65〜75ページ前後で構成されているため、英検準2級〜準2級プラス程度の語彙力があれば比較的取り組みやすいかと思います。
特に日本の中学英語レベルで理解できる内容が多く、ファンタジーでありながら物語の舞台や登場人物は史実に基づいている点は、楽しく世界の歴史を学ぶことにも繋がります。1巻から徐々に英語のレベルが上がっていき、シリーズを読み進めるにつれて段階的にレベルアップできるつくりになっています。
The Famous Five

出典:Enid Blyton
🔶YL:4.0〜4.5
5人の子どもたちがさまざまな冒険を繰り広げ、友情、勇気、チームワークで宝探しやミステリーを解決して行く物語です。物語の展開が速いことで読み手を飽きさせず、日常的な会話や状況が描かれているため実用的な語彙を学ぶのに適しています。読者にポジティブなメッセージを伝えます。
イギリスでは非常に人気があり、世代を超えて長く読み続けられてきたシリーズです。Magic Tree Houseよりももう少しリアリティーのある冒険もので、少年少女のやり取りから英語のリズムや表現を自然に学ぶことができるため、英検2級〜準1級取得を目指す方にとっても理想的な多読教材です。
シンガポールは英語多読にぴったりの環境
日常生活の中で英語が頻繁に使用されているシンガポールでは、学んだ英語を実際に使う機会が多くあります。シンガポールの大手書店(KinokuniyaやPopular Bookstore)や国立図書館(National Library Board)では、英語の書籍が豊富に取り揃えられていて、子ども向けの絵本から大人向けの小説まで、さまざまなレベルの本を入手できる英語教材に有利な環境です。さらには国立図書館のアプリ、「NLBモバイルアプリ」を使えば、電子書籍(eBooks)も無料で利用可能です。
また、オンラインでも多読教材は簡単に手に入ります。送料無料のBook Depositoryのオンライン書店やAmazon.sgなどを活用すれば、自宅でゆっくり選んで購入することができます。
英語力維持&向上に効果的!多読の魅力

幼児教育における英語多読は、子どもたちが楽しく、自然に英語を学ぶための効果的な方法です。興味を持たせることが鍵となり、読書を通じて多くの知識や感情を得ることが期待できます。多様な文化が共存するシンガポールでは、英語を通じてさまざまなバックグラウンドを持つ人々と交流することができ、異文化理解への一歩となるでしょう。
現在、シンガポール在住の日本人家庭でも、「おうち英語」の英語環境づくりとして「おうち多読」を実践するケースが増えています。多読は「簡単な英語を」「大量に」「楽しく」読むという、シンプルながらも「継続」が鍵となる学習法です。
語彙、読解、リスニング、英語脳など、英語スキル全般の底上げに役立つ多読を、英語が身近なシンガポールという環境を最大限に活かして、ぜひ日々の生活に取り入れてみてください。子どもも大人も、英語へのハードルがグッと下がり、いつの間にか「読める」「分かる」が増えていくはずです。
⚫︎記事内容は執筆時点の情報に基づきます
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この記事を書いた人
SingaLife編集部
シンガポール在住の日本人をはじめ、シンガポールに興味がある日本在住の方々に向けて、シンガポールのニュースやビジネス情報をはじめとする現地の最新情報をお届けします!