在星者・子育てインタビュー/ケース②「日本人学校からインター校に編入した理由〜シンガポール在住Bさんのケース〜」
海外で子育てをしていると、一度は(いや何度も)親は思ってしまう「子どもに英語を話せるようになってほしい」という願望。子どもを持つ親なら誰もが思い当たるところがあるのではないでしょうか。
日本に住んでいれば、近所の公立か、私立であっても日本語で学ぶ学校に行くのが一般的。でも一歩海外に出ると、ローカル校、インターナショナル校も選択肢に加わり、それに伴って子どもへの教育の可能性も広がり、環境的に恵まれていると思いながらも、なかなか決断に迷いが出てくるかと思います。
今回は、シンガポール在住のBさんにインタビューしました。Bさんは、子どもを小学校高学年でシンガポール日本人学校からインターナショナルスクールに転校させました。その理由、転校させてみて実際どうか、お話を伺いました。絶対に転校はいやだと言っていたというお子さんをどのように納得させて、何に期待して転校させたのか、親子で頑張っている様子を聞かせてもらいました。
小学5年の一学期が終わった後に日本人学校からインター校に移りました。誕生日の都合で一個上の学年、つまりインター校では中学1年の学年になるのですが、今転校しないともう移るタイミングは訪れないだろうと思い、子どもを説得しなんとか納得してもらって編入学しました。 主人が実は前々から子どもをインター校へ行かせたいと希望していて、小学校高学年まで待ってもらっていました。英語力をもっと付けて欲しいという思いがあったようです。私としては日本語の基礎や日本式の勉強方法をしっかり身につけてからと考えていたので、やはりこのタイミングだったかなと思っています。 同じタイミングでインター校へ転校したお友達が多かったようで、色々なインター校へ散らばっていきました。 日本人学校の期間が長い方が、日本語で学んだものを忘れにくいかな、と思ったからです。4年生より5年生の方がうちの子は適しているなと見ていて思いました。 算数や社会の日本の地理などを学んだ後、勉強の基盤がちゃんとしてきたのが、その年齢だったという感じでしょうか。日本人学校でも英語の授業はありますが、英語能力が十分でないことは分かっていたので、勉強自体の基盤ができていないとインター校に移ってもどちらも不安定な状態になってしまうことを心配したのもあります。 日系学習塾で英語を習っていましたが、それだけです。あとは学校で週3、4回英語の授業ですね。家でも日本語で会話し、テレビやアニメも日本語のものを視聴しています。そんな状況だったので、多少英語には触れていましたが、会話は英語で話すことはできなかったですね。 まだ数ヶ月ですが、少し英語力は上がったように思います。最初に学校で英語のレベルチェックテストを受けて、レベル別で英語の取り出し授業を放課後に行ってくれる時間があり、そこで文法をしっかり教えてくれているようです。 週に3回あるのですが、文法とリスニングが上がったかなと親から見ていて思いました。日本人学校の時は、文法はそこまで徹底的に教わっていなかったようですが、取り出し授業のお陰で理解できるようになってきたようです。リスニングについても、移ってすぐは先生の話していることは全く理解できていないようでしたが、聞き取れるところも多くなってきたようです。 子どもの誕生月の問題で、一つ上の学年になってしまったのもあり、中学で習うような内容も多いです。社会は世界の歴史を今やっています。 理科は体の作りのことをやっていました。ちょうど移る前に日本人学校でやっていたことと同じような内容で、本人は取り組みやすかったようです。理科は実験もするようですが、今はコロナの問題でまだ再開していないみたいです。 学年が上がってしまうことを心配して、一つ学年を下げられないか学校サイドに確認しましたが、それはできないと言われそのまま一つ上の学年で受け入れるしかなかったですね。ローカル校だと同じ状況だと学年を下げさせられるようですが、インター校はその下げるケースはあまりないと言われました。 うちのインター校では、1人一台iPadを持たされて、それを教科書やノートとして使って、宿題もそれで行います。学校でやっている内容や宿題は、親も確認できるようにシェアされているので、やっている内容が分かるのは安心だなと思いました。 また、授業内容は段々理解できるようになったとはいえ、まだ完全には分からないので、翻訳機能を使って子どもは問題を解いています。 あと、ちょっと意外だったのが思ったより日々出される宿題が多く、親も一緒になって英語翻訳機能を使いながら取り組んでいます。歴史や理科の用語など、なかなか難しく苦戦しながらやっています。 それと子どもが言うには発表やプレゼンの時間が多いようで、緊張しながらしているとのことです。本人は今いやがっていますが、英語力向上のためにも将来的にも慣れていってほしいなと思っています。 授業中、生徒達でやる気のある子、ない子がはっきりしていて、やる気のない子は後ろの方の席で思い思いに授業を受けている子もいるようで、先生が積極的に授業中の態度に関与しないのは、少し聞いて心配になりました。インター校は個人主義だからだろうなとは理解はしてはいるんですが…。日本人学校はその点、生徒の生活面や時間の管理を先生がちゃんと見てくれていたんだな、と離れてみて気付いた点でした。 また本人は、言葉が100%わからないのが嫌だと今も思うようで、何度かそう本人から訴えられると、少し親としては不安に思ったりもします。同じ学年で日本人学校からうちのインター校に来たお友達は、同じくらいの英語力でも全く気にせず楽しんでいるようなので、性格でかなり違うんだなと感じています。 それと、ある程度予測していたことではありますが、補修校の勉強がプラスであるので、子どもはそれも大変そうです。漢字や作文をしっかり宿題で出してくれるので有り難いですが、子どもにはプラスαで負担にはなっているだろうなと見てはいます。 友達が日本人以外なかなかできないんじゃないかと心配していましたが、その点はランチに食堂に行く4、5人のグループの子達とそれなりに楽しくやっているようで、お休みの日にその子達の親御さんからWhat’sAppに連絡があって遊びに誘ってもらうこともありました。色々な国の子とせっかくなので仲良くやってほしいなと思います。 子どもはちょっと恥ずかしそうですが、日本式のお弁当も日本人以外には珍しいようで、よく取り囲まれると話していました。お弁当をきっかけに話しをするきっかけができているようです。 また、うちのインター校に通う日本人ママのグループLINEがあり、そこで学年を越えて数十人の人達と情報交換ができるのもかなり心強いです。国際交流のイベントのことや、普段の学校生活において聞きたいことなど、このグループ内で情報を共有しあっています。 うちの子は、できれば早いタイミングで日本人学校に戻りたいと言っていて、それなら具体的に「この程度の英語力に到達すれば日本人学校に再編入しようか」と話しています。やはり最終的に本人の気持ちが大事かと思うので、英語力が早く向上できるようにサポートしたいと思っています。英語系の検定試験は、まだシンガポールは再開していないものも多いのですが、受験できるようになったらすぐ受けられるようにしてあげたいです。 また、モチベーション維持のために、趣味でやっているスポーツを継続させてあげたり、課題がきちんと終われば日本人学校時代の友達と遊んだり、ゲーム時間を設ける等、メリハリをつけて気分転換させることも心がけています。本人もそういったことを楽しみながら、英語力向上のために頑張っています。1年後2年後はどのような選択をするかまだ分からないですが、本人の様子を見ながら少しでも可能性が広がればと願っています。お子さんが何年生の時にインターナショナルスクールに移りましたか?
小学4年より5年生の方がいいと思ったのは何故ですか?
もともと英語はどこかで学んでいましたか?
実際にインター校に移ってみて、英語力はあがりましたか?
学習内容は日本人学校と同じ内容を学んでいますか?
授業の進め方で、日本人学校と違うなと思うところはありますか?
インター校の様子を子どもから聞いて、心配に思うことはありますか?
逆にインター校で良かったと思ったり、安心したことはありますか?
お子さんの今後のビジョンやそれに向けてサポートしていることがあれば教えてください。
この記事を書いた人
Natalie
駐在4ヵ国目、2児の母。 日本で旅行情報誌の制作・編集を経て、在住国の海外邦人向け情報誌のライターへ。 お値打ちで美味しいもの、安く手に入る雑貨などを好むプチプラ・ラバー。激辛激甘に目がない。推しのKPOPを聴くこと、ドラマや映画を観ること、ゴミ拾いが趣味。