新型コロナで着用義務化になったマスク シンガポールでは子どもの着用めぐり懸念が広がる

新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、日常的習慣となったマスク着用をめぐって、子どもの情緒やコミュニケーション能力の発達に及ぼす長期的影響を懸念する声が、シンガポールの保護者や専門家の間から上がっています

シンガポールの民間カウンセリングセンター“インコンタクト・カウンセリング&トレーニング”のセラピスト、アールティー・マンダさんは「口調、言語的要素のコミュニケーションへの影響度はそれぞれ、38%と7%にすぎないものの、マスク着用が子どものコミュニケーション面や社会性・感性の発達の遅れにつながる可能性がある」と指摘。

また、スイスの心理学専門誌“フロンティアズ・イン・サイコロジー”の研究報告によると、子どもが、他者との交流において感情を共有・確認するうえで、顔の表情や視覚的刺激が非常に重要な意味を持つとのことです。

こうした事実を踏まえ、シンガポール国内の幼児教育・保育施設では、コミュニケーションに際しての子どもの理解向上を図るさまざまな取り組みが広がっています。

たとえば、カナダ系の幼稚園メープルベアでは、子どもたちが唇の動きを読み取れるように、先生がマスクの代わりにフェースシールドを着用

シンガポールを拠点に世界各国において幼稚園・学校を運営するイートンハウスも、「マスクを着用していると、似た音の言葉や音声の場合、とりわけ会話の理解が困難だ」との理由から、子どもたちの身ぶり・手ぶりに特に注意を払うとともに、先生が本を朗読する際などは、口の部分が透明なマスクを利用しています。その一方、子どもたちがマスクを着用する大切さを楽しみながら学べるよう、物語やゲームを活用する幼児教育施設もあるようです。

なお、シンガポールでは、世界保健機関(WHO)と国連児童基金(ユニセフ)の勧告を受け、マスク着用を義務づける最低法定年齢が9月に2歳から6歳に引き上げられています。

シンガポールでは収束の兆しが見られるものの、世界各地で今も続く新型コロナウイルスの感染拡大。子どもたちが安心して幼稚園・学校に通える日が1日も早く訪れるよう待ち望まれます。

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SingaLife編集部

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