一般家庭用のロボット掃除機で盗聴の危険性
12月7日、シンガポール国立大学(NUS)の研究者は、ロボット掃除機に内蔵される光を用いたリモートセンシングシステムのLidarセンサーを利用し、ロボット掃除機のある部屋での会話やテレビ番組の音声を高精度で復元することに成功したと発表しました。このことから、所有者が気づかない間に他人に会話などを盗聴される危険性があると警告しています。
研究者は2つの音源を備えた一般的なロボット掃除機を使用し、「コンピュータースピーカーから流れる数字をカウントする声」と「テレビ番組の音声」という2つの19時間以上にも及ぶ音声で、実験を実施。部屋にごみ箱や持ち帰り用の袋などの一般家庭にあるさまざまなアイテムを置いた状態でロボット掃除機のレーザーを反射させます。
この時にデバイスの中核であるLidarセンサーが受信した信号を、ディープラーニングのアルゴリズムで分析したところ、90%の正確性でテレビ番組の特定、また91%の正確性でカウントされた数字を特定することができたそうです。
この実験で使ったシステムは「LidarPhone」と呼ばれ、今後は自動車の運転にも適用するよう試みているとのことです。
より便利でスマートな暮らしが、私たちのプライバシーを脅かす結果となることもあるんですね。
この記事を書いた人
SingaLife編集部
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