駐在夫、子を育てる-18-  乗り物

これはシンガポールに駐在する妻に帯同し、“駐在夫”として家事や育児に奮闘する日々を綴ったコラムです。シンガポールのフリーマガジン「シンガライフ」誌上で連載しているものに一部加筆して、ウェブでも公開しています。


多くの女の子が”おままごと”やリカちゃん人形(今もまだあるのかな)が好きなように、多くの男の子は、電車やバスなどの乗り物、救急車やミキサー車といった働くクルマを好きになるように思う。ここで一つ疑問が。電車好き男の子にとって最上位に位置付けられる新幹線を、新幹線が走っていないシンガポールで育った男の子が好きになるケースは多いのだろうか。

新幹線が電車界最上位にいることに異論は少ないだろう。大きくて長くて、すごいスピードで走り去る姿にかっこよさを感じているのだと思う。駐在夫の甥っ子も例に漏れず新幹線が大好きだ。特に好きなのが秋田新幹線「こまち」。乗りはしないのに、東京駅のホームまで見に行くぐらいだ
一度も実物を見ないままシンガポールで育つモモタ(仮名)も新幹線を好きになることがあるのだろうか。

クルマに対してはすでに興味が出てきているようだ。日本からシンガポールに戻ってきてからの14日間の隔離措置期間中に我々が滞在していたホテルにはバルコニーがあり、窓も開いたので、16階(だったかな)からよく外を眺めていた。

モモタを抱っこして外を眺めていると、モモタは地面の方をずっと見ている。視線の先にあったのは、道路を走る車たち。赤や青や黒や黄、白などカラフルな車が赤信号のため減速したり動き始めたり。ひっきりなしに行き交っていた。よだれをたらーってさせながら、10分、20分と飽きずにずっと見ていたモモタ。ぐずって泣いていても走る車を見せると泣き止むことが多かった。

クルマ好きなのは、昨年秋の日本滞在中に芽生えたのかもしれない。チャイルドシートを付けて自家用車で走っていた時のことである。チャイルドシートは窮屈なので、当然ぐずるのだけれど、時速が50キロを超えると泣き止むことが多かった。外の景色が流れているのが好きなのか、スピードに乗って進んでいる感が好きなのか。見るだけでなく乗ることも好きなようだ。

次、一時帰国するときには、新幹線を見せてみよう。まずは乗らずに、入場券を買って。今よりもっとずっと大きくなっているはずのモモタがどんな反応をするのか、楽しみだ。本帰国する前に、新幹線好きになってしまっては困るが、まずはきっかけを与えてみたい。



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この記事を書いた人

SingaLife編集部

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