日本とは異なる対応の病気も。シンガポールで注意したい病気。すぐに病院に行った方が安心です

外国で生活してると、少しの体調の異変でも不安になるものですよね。ましてや、子どもが病気になってしまった時は、その心配はいかばかりか。あらかじめこんな病気があるんだ、という情報をインプットしておくと慌てずにすみそうです。

タングリンにある日本メディカルケアの佐藤健一先生に、シンガポールで気をつけたい病気についてお伺いしました。


子どもが注意する病気

どこでもらってきたの?と首を傾げてしまうほど、ひょんなことで病気になってしまう子ども。子育て中の家庭では、気が気ではありません。シンガポールで注意すべき子どもの病気について、ご紹介します。

シンガポールで気をつけたい病気 ①手足口病

シンガポールにおいては手足口病には幼稚園・保育園・プレスクールなどは非常に敏感になっており、口の中や手足に疑わしい発疹があるとすぐに呼び出しがあって医療機関で確認を求められます。

現実的には治療方法はなく、発疹が消えていくのを待つしかありませんが、2日程度で全身に広がって5日程度で消えていくことから基本的には1週間程度の自宅待機が必要となります。

手足口病は発疹以外は特に大きな症状はなく(たまに発熱があるタイプもありますが)、本人は元気なため、登園許可を出す頃にはお母さんが疲れ果てていることが多いという現実もあります。

予防方法は特になく、集団生活をしていると避けられないかと思います。また、大人であっても過去に手足口病にかかったことのない方は子供から感染する可能性もありますし、その際は症状が強く出ることが多いです。

シンガポールで気をつけたい病気 ②ヘルパンギーナ

実はヘルパンギーナと手足口病は似たウイルスによって発生します。しかしその症状は異なり、手足口病と異なって、ヘルパンギーナでは高熱や喉の痛みを訴えます。また、口腔内でも発疹が複数個発生していることが大部分です。

治療方法は手足口病と同様になく、症状を緩和させるために痛み止めを使用していきます。

シンガポールで気をつけたい病気 ③アタマジラミ

シンガポールにおいて、時々アタマジラミの発生が見られます。子ども同士が携帯型ゲームを一緒に画面を見ながら頭をくっつけて遊んでいることで移ったりもします。

頭を痒がるようになったときは髪の毛にシラミの卵がないかどうかを確認します。疑わしい髪を見ていると、ちょっと付着しているフケなども卵ではないかと思えてしまいます。シラミの卵であった場合、セメント質の物質で髪の毛にしっかりと固定されているため、軽くこすっただけでは取り除くことは出来ません。

シラミを疑ったときはシラミをやっつける液体を髪に塗ったり寝具の消毒等が本人だけではなく家族にも行う必要が出てきます。ですので医療機関を受診して相談されることをおすすめします。

シンガポールで気をつけたい病気 ④突発性発疹

生後6カ月程度を過ぎてくるとお母さんからの免疫がなくなってきます。そのタイミングで初めて発熱を来したときは突発性発疹のことが多いです。

高い熱が3日ほど続き、平熱に戻ったかと思えば体に散発性に発疹が出てくるといった特徴があります。ヒトヘルペスウイルスの感染によって発生するので抗生物質などは不要で、熱によって辛そうであれば解熱剤を使用することになります。

ここからは、大人も含めて気をつけたい病気についてご紹介します。

シンガポールで気をつけたい病気 ⑤インフルエンザ

多くの方が誤解されるのですが、シンガポールでもインフルエンザは流行します。しかも年に2回、12月ころの北半球分と6月ころの南半球分での流行があります。

シンガポールはいろいろな国のハブとなっていることから人の移動が多く他国での感染症の影響を受けてしまいます。

ただ、街中にいるとインフルエンザのことを耳にすることは殆どないかと思います。というのも、インフルエンザは風邪の一種との認識であり、熱が出たら学校や会社を休み、熱が出たら解熱剤を使用するだけで、タミフルなどの抗ウイルス薬を使用しないのです。

ですので、流行のことを考えると冬に備えるタイミングでのワクチン接種と春先にワクチン接種がおすすめです。

シンガポールで気をつけたい病気 ⑥デング熱

シンガポールにおいてデング熱は年によっては大流行が起こります。

デング熱はネッタイシマカ・ヒトスジシマカが体内に持っているデングウイルスが刺されることで体内に入って増殖することによって発生します。ですので、デングウイルスを持っていない蚊に刺されてもデング熱は発症しません。また、刺された方のうち80%は無症状もしくは軽度の症状で、中等度の症状は15%程度、深刻な状態にまでなる方は5%程度と言われています。

デングウイルスを持った蚊に刺された場合、約5日程度の潜伏期間の後に40℃近い高熱、頭痛や目の奥の痛み、関節痛、吐き気・嘔吐などを急速に発症します。特に高熱は解熱剤が効きにくく、だるさが非常に強くなります。皮疹が有名ですが、発熱から3〜4日程度してから発生することが多く、また皮疹が出ない例もあります。高熱と激しい頭痛の状態であれば水分をしっかり取ることができていれば自宅療養でもなんとかやっていけます。しかし、少しぶつけただけでもあざができる、鼻血が出やすい、白目が赤くなっているなどがあれば血小板が減って出血傾向となっていることより入院が必要となって来ます。

そのほか、破傷風や狂犬病などもありますが、そもそも患者数が少ないこと、ワクチン接種が推奨されていることから、記事中では省略いたしました。

シンガポールで暮らしているとどうしても病気にかかってしまうことがあります。予防するのが難しい病気もあり、病気になってしまうのは仕方のないことかもしれません。幸いにもシンガポールの医療水準は世界的にもとても高く、医療体制は恵まれています。すぐに病院を受診するようにしましょう。


取材協力


住所:6A Napier Road #03-31, Annexe Block Gleneagles Hospital S258500
電話:6474-7707
診療時間:平日 9:00〜12:00、14:00〜17:30
     土曜 9:00〜12:00
休診日:日曜、シンガポールの祝日
最寄駅:Orchard。Orchardから、バス7番、77番、106番、123番、174番のいずれかに乗車し、Botanic Gardensのバス停で下車
無料シャトルバス(マウントエリザベス病院、Youth Parkバス停の巡回バスあり)
ウェブ:https://www.nipponmedicalcare.com.sg




この記事を書いた人

SingaLife編集部

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