シンガポールでの出産は大変!?費用や手続きなどの出産情報まとめ

※鍋島医師は2023年7月末で日本メディカルケアを退任し、後任の陣内理子医師が着任いたしました。
産婦人科の外来診療からご出産までの診察を再開しています。
日本人助産師による母乳外来・授乳指導も再開しております。ご希望の方はクリニックまでご連絡ください。

ただでさえ不安の多い出産ですが、海外での出産となると心配事はさらに増えますよね。医療先進国のシンガポールは、出産のサポートが充実しているのでご安心を!その他、気になる出産費用や入院期間について、ご紹介します。





産婦人科は日本語が通じると安心

少しでも和らげたい妊娠&出産時の不安や心配。日本語が通じる病院なら、海外での出産も安心ですね。シンガポールで日本語の通じる代表的な産婦人科を、3つご紹介します。

日本メディカルケア
ボタニックガーデン近くのグレニーグルス病院内、NICUを備える充実した設備の日系総合病院

モトコクリニック
オーチャードにあるマウントエリザベス病院に隣接するクリニック。英語、日本語、北京語が堪能な女性医師が在中

ラッフルズジャパニーズクリニック
ブギスのラッフルズ病院内にある総合病院。必要なものがパッケージに含まれていて費用面も安心。妊娠27週までのパッケージは、日本での里帰り出産を考えている方に対応。


無痛分娩が主流

日本でも昨今、分娩時の痛みなどの身体への負担を軽減し、産後早期の体力回復につながるとして、「無痛分娩」が徐々に増えています。

共働きが多いシンガポールでは、無痛分娩が主流となっています。中華系のルーツを持つ方が多いシンガポールでは、風水の考えを大切にしています。出産する日も縁起の良い数字の日を選ぶ傾向にあります。

医療先進国のシンガポールでは、安心して自然分娩や無痛分娩を選ぶことができるので、希望に合わせて選択してください。


入院期間は2泊3日が一般的

シンガポールでは出産から退院までの平均入院日数が、経膣分娩では2~3日、帝王切開では3~4日です。入院期間が、経腟分娩で5~6日、帝王切開で6~7日が主流の日本に比べると、とても短く設定されています。希望すれば入院期間を延長できますが、その分費用も上乗せされます。

日本では入院中に行われる赤ちゃんの黄疸判定のモニタリングも、入院期間が短いシンガポールでは退院後すぐから通院して行うことになります。ですので、産後は家族やプロのケアサポーターのサポートを準備しておくとよいでしょう。


出産に係る費用

シンガポールでの出産費用は、S$1,000~S$12,000(日本円で約10 万円~120万円)かかります。公立病院か私立病院、大部屋か個室、経膣分娩か帝王切開などによって料金は異なりますが、平均3日の入院期間を考えると日本よりはるかに高額になります。病院によって多少の変化はありますが、妊婦検診から出産の費用を合計して、S$24,000前後(約200万円)です。

公立病院での出産費用
S$1,000~S$9,000
 経膣分娩:平均S$5,000程度
 帝王切開:平均S$8,500程度
私立病院での出産費用
S$5,000~S$20,000
 経膣分娩:平均S$9,000程度
 帝王切開:平均S$15,000程度

日本人がシンガポールで外国人として出産する場合、助成金などがないので100%自己負担になります。診察の都度支払う形と、ある程度の診察項目が含まれたパッケージとしてまとめて支払う形と、病院によって異なります。


期間別の検査

妊娠初期の頃は4週間に1回、後期には2週間に1回の健診があります。日本とは異なる部分もありますが、概ね日本で出産する場合と検査内容は同じです。

<初期>
診察
超音波検査、妊娠検査(尿検査、採血)
子宮頸部細胞診(オプション)

<8週~10週>
出産予定日が決まります。

<11週~24週>
初期の血液検査を行ったり、染色体検査を行えるようになるのもこの頃です。日本国大使館で母子手帳をもらいます。

実施される検査内容
・FTS検査
・NIPT検査
・羊水検査
・FAS検査
(※追加費用が発生するオプション検査となる項目を含む)

日本で里帰り出産をする方は、出産予定日が決まったら希望する日本の病院に‟分娩予約”をします。その際に、いつまでに帰国する必要があるかを病院に確認しましょう。

4週間に1回の診察
血圧、体重測定
尿検査、超音波検査
11 週~14週頃 初期血液検査
12週頃     FTS検査
10週~     NIPT (母体血胎児染色体検査)(オプション)
12~16週    絨毛検査(オプション) ,羊水検査(オプション)
20週      FAS検査


<28週~35週>
診察が2週間に1回の頻度になります。

血圧、体重測定
尿検査、超音波検査
28週 後期血液検査
35週 GBS


<36週~40週>
診察が週1回になります。

36週 後期血液検査
38週 胎児心拍モニタリング

 

保険に加入するケースも

高額になりがちなシンガポールでの出産。難産でICU(集中治療室)に入ってしまった場合、高額の医療費を請求されることもあります。そうなった時に備えて、出産(マタニティ)保険に加入する人もいます。

高額になりがちなシンガポールでの出産。難産でICU(集中治療室)に入ってしまった場合、さらに高額の医療費を請求されることがあります。万が一に備え海外での出産準備の一つとして、マタニティ保険への加入がおすすめです。

マタニティ保険は、妊娠の際の合併症などの治療費用の一部を賄ってくれるなど、会社によってさまざまなプランがあります。

マタニティ保険の一例:

AIAのマタニティ保険は、次のような内容になっています。

加入条件:16歳から45歳まで
妊娠期間:13週から36週まで

AIAのマタニティ保険では、妊娠合併症で入院した場合の給付金や、原因を問わない長期の入院やICUに入った場合には「大規模入院治療給付金」で、経済的な支援を行います。

補償例として以下のような内容があります(詳しい内容は必ずAIAへご確認ください)。

妊婦
妊娠中の合併症、死亡、出産時の医療過誤、30日までの入院、30日を超える入院や5日以上のICU滞在

赤ちゃん
先天性の病気や最大30日までの入院

 

シンガポールの産後ケアは充実

出産後6~8週間、母体が妊娠前の状態に回復する“産褥期”という期間があります。お母さんが身体を回復するために体力が必要なこの期間、シンガポールでは「産褥ナニー」と呼ばれる、プロのケアサポーターに手助けしてもらうことが一般的です。

産褥ナニーは、赤ちゃんのおむつの換え方やミルクのあげ方、お風呂の入れ方など、丁寧に教えてくれます。また、洗濯、掃除、買い出し、ご飯の準備など、家事も同時にサポートしてくれます。産後不安も多いお母さんに頼れる存在がいることが、なにより心の支えになります!

自宅に専門の方が来る「産後マッサージ」もシンガポールならではです。骨盤のメンテナンスと母乳のケアが中心のマッサージは、育児に奮闘するお母さんにとって自分の身体を労わる大切な時間です。


出産は楽しむもの

シンガポールでは「出産は楽しむもの」という概念があり、産後のケアも含めてポジティブに出産をとらえているイメージがあります。出産は人生の中でも、特別な瞬間の一つなので、母子ともに健康に幸せに迎えたいですよね。

シンガポールでの出産後は、出生届やビザなどの手続きがたくさんあります。出産をハッピーに迎えるために、事前準備をしっかりして幸せなお産に臨みましょう。

●記事内容は執筆時点の情報に基づきます。




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この記事を書いた人

SingaLifeママパパサークル

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