シンガポールの国有森林内で青果物の自家栽培など違法行為が横行。密猟の疑いも

シンガポール国内各地の国有森林において、一般市民が無断で小屋を建てたり、野菜を栽培したりするなどの違法行為が複数報告されています。

ストレーツ・タイムズ紙が取材に訪れた西部ブキット・ゴンバックの標高100mほどの国有地では、照りつける太陽の下、バスケットボールコート半面弱の広さの“自家菜園”をくわで1人耕す高齢男性の姿を確認
シーさん(85)と名乗るこの男性は、すでに退職しており、10年以上にわたり、毎日、丘陵地の上まで上り、人知れず花々やタピオカ、さとうきびの菜園活動にいそしんでいるとのことです。丘のふもとには一般市民が利用できる菜園が設けられているものの、シーさんは「あそこは人に任せておけばいい」と語っています。

同様に、西部ブキット・バトック・ヒルサイド・パークの森林内においても、退職者の男性が約20年間、かぼちゃやおくら、トマト、パパイヤを栽培していた事例が伝えられており、男性は屋根つきの物置に園芸用品などを保管していたほか、菜園周辺には、空のばけつやごむブーツ、食用油の缶に加えて、便器も散乱しているのが見受けられたそうです。

また、シンガポール動物園付近の遊歩道沿いにある木々に覆われたトタン屋根の小屋は、以前はひと気が感じられませんでしたが、目撃情報によると、最近、持ち主が戻ってきて、食器や調理器具、農具を置いていった痕跡が認められ、プラスチックや金属製の空包も発見されていることから、周囲の森林に生息するシカやイノシシの密猟を行っている可能性も疑われています。

このほか、MRT高架線からほど近い公園“タンピネス・エコ・グリーン”周辺の茂みの中では、何者かが設けた、線香や生花が供えられた祭壇2基も目撃されています。

こうした違法行為については、国有地を管理する住宅開発庁(HDB)によると、最高5000Sドルの罰金および最長6カ月の禁錮刑が科せられる可能性があるとのことです。

国土が狭く、国民の大半が高層住宅に住むシンガポールでは、人々は自然との触れ合いを切に求めているのかもしれません。

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SingaLife編集部

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