クラスター発生のシンガポール・Tan Tock Seng病院職員への差別広がる。リー首相が国民に結束を呼びかけ
新型コロナウイルスのクラスター(集団感染)が発生したシンガポールのTan Tock Seng病院(TTSH)のスタッフに対する一部の市民からの差別的行為が相次いで報告されています。TTSHでは4月に新型コロナウイルスの感染例が確認されて以降、クラスターが拡大。
5月6日時点で、TTSHのクラスターに関連した感染者数は、40人に上っています。
こうした状況のなか、同病院に勤務するある女性職員は、「配車サービス利用時に行き先がTTSHだとわかったドライバーから予約を取り消されたケースが繰り返しあった」とツイッターに投稿。別の女性職員は、「TTSHの制服を着て、MRTに乗車すると、他の乗客が自分を避ける」と語っています。
このようなTTSH職員に対する差別的行為の増加を受け、リー・シェンロン首相は5月7日、「みなさんが怖がるのはわかるが、心を痛めている」と自身のフェイスブックに記しました。
リー首相は、その一方で、TTSHに対する企業からの支援も行われていると紹介。TTSHがあるノビナのショッピングモール、スクエア2内のサラダなどを扱うStuff’dという店舗が、TTSH職員に感謝の意を示すため、無料で食事を提供している取り組みにも言及しました。「この1年あまりの間、われわれ全員が協力した結果、状況は着実に改善している。われわれが団結を失えば、ウイルスに負けてしまう」として、国民に結束を呼びかけました。
It’s been a tough period for many, but particularly hard for the staff at Tan Tock Seng Hospital (TTSH). Not only have…
Posted by Lee Hsien Loong on Thursday, 6 May 2021
まだまだ終わりが見えない新型コロナウイルスの感染拡大。収束に向け、全力を尽くしている医療従事者に対する感謝と敬意を私たちも日々、忘れないよう心がけたいものです。
この記事を書いた人
SingaLife編集部
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