シンガポール当局、ネット上の女性イスラム教教師人気投票の削除を指示

シンガポール情報通信メディア開発庁(IMDA)は5月28日、ソーシャル・メディア・プラットフォーム「MeWe」上で、国内の女性イスラム教教師の魅力度を問う人気アンケートが実施されたことを受け、「女性イスラム教教師に対する性暴力にあたる」として、MeWe側にアンケートの削除を求めました

地元紙ストレーツ・タイムズが確認したところによりますと、投票総数は1000票あまりに上り、約20~30人の女性イスラム教教師がランクインしました。アンケートをめぐっては、シンガポール国内のイスラム教指導者が5月26日、インスタグラム上で言及したことがきっかけとなり、女性イスラム教教師自身などからインターネット上に非難の声が殺到しました。

IMDAは、「アンケートには、シンガポールのインターネット行動規範の下、禁止されているコンテンツが含まれており、性暴力を助長する」と指摘するとともに、「このようなコンテンツはシンガポールにおいて容認できない」と強調しました。

さらに、与党・人民行動党(PAP)の婦人部門長も務める女性閣僚のジョセフィン・テオ情報通信相が、「自らを信仰にささげた女性を卑しめるものであり、最も強い言葉で非難する」とFacebookに記したのをはじめ、ハリマ・ヤコブ大統領、マサゴス・ズルキフリイスラム問題担当相など、政府関係者からもアンケートを非難する声が上がっています。

また、「アンケートを始めたのは、イスラム教教師を目指す学生たちだ」とするうわさもインターネット上で流れており、シンガポール国内のある女性イスラム教徒支援団体は、「アンケートの主催者がイスラム教教師を志望する学生たちかもしれないとわかり、とても困惑している」と懸念を示しました。

なお、MeWe幹部が5月30日、ストレーツ・タイムズに明らかにしたところによりますと、アンケートはすでに投稿者自身によって削除され、アンケートについて現在、警察の捜査が進められているとのことです。

オンライン上の性的嫌がらせが後を絶たないが昨今。すべての人の人格が尊重されるネット空間の確立が、早急に望まれます。

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SingaLife編集部

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