シンガポールで基本的な生活水準に必要な費用 4人家族の場合、月額約6,400Sドル

シンガポール国立大学リー・クアンユー公共政策大学院(LKYSPP)および南洋理工大学(NTU)の研究者らは、国内世帯が基本的な生活水準を送るうえで必要な収入について調べた調査結果を発表しました。

調査は、性別、民族、社会経済的バックグラウンドが異なる196人を対象に実施。

国民が衣食住に困らず、教育、医療などを受けられる生活を基本的な生活水準と定義し、調査参加者が挙げた生活必需品・サービスの価格・料金に基づき、1カ月の生活に必要な費用を算出しました。

調査結果によりますと、親子4人(父母、7~12歳および13~18歳の子ども各1人)が基本的な生活水準を送るため、必要な額は、月最低6,426Sドル、高齢者1人世帯については1,421Sドルでした。

親子4人世帯の場合、親1人あたりの所得が2020年の国内平均額4,534Sドル(税引き後、雇用主の中央積立基金(CPF)拠出分込み)に達していれば、十二分にカバーできることになりますが、収入が必要額以下にとどまっている世帯は、国内の就業世帯全体の約30%に上っています。

また、あらゆる世帯構成を通じて、住宅費、医療費、教育費、子育て費が支出の相当部分を占め、その割合は、2人親世帯で28%、1人親世帯で39%に及んでいることも調査で明らかになりました。

これを受け、調査チームは、平均月収が1,535Sドルの清掃員など低賃金労働者や若年労働者、低学歴者が、子どもを持った場合、収入が最低必要額に満たない可能性があると指摘。

高齢者についても、月給が60歳以上の平均額2,330Sドル程度の職に就いていれば、必要額を十分カバーできる一方、基本年金額が月800Sドルと、高齢者1人あたりの必要額の56%にすぎないCPF給付金に依存する場合、不足するケースもありえます。

こうした状況を踏まえ、調査を主宰したLKYSPPのウン・コックホー上級研究員は、収入格差是正に向け、賃金への介入政策の改善や公共サービスへの政府支出増額などを提案しています。

住宅費を中心に物価水準が世界的に高いシンガポール。国民1人ひとりが経済的に安定した生活を送れる社会の実現には、政府の役割が不可欠のようです。


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SingaLife編集部

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