シンガポールの職場でセクハラが横行 被害女性が辞職・解雇に追い込まれるケースも

シンガポールで勤務先の上司や先輩からセクハラを受けた女性が、辞職や解雇に追い込まれるケースが頻発している実態が、女性の権利団体“Association of Women for Action and Research(AWARE)”の調査により明らかになりました。

この調査は、1,000人を対象に行った以前の調査を基に、過去5年以内に職場でセクハラを経験した、銀行・金融をはじめさまざまな業界で働く20~50代の女性39人を対象に2020年に実施したものです。

調査結果によりますと、セクハラの内容別の内訳は、“自分の体について、同僚から露骨なことを言われた”、“深夜のデートに誘われた”など言葉によるセクハラを受けた人が28人。

“同意なしに、不当に体を触られた/マッサージをされた”といった身体的嫌がらせを経験した人は、24人に上っています。

セクハラを受けた場所は、オフィス内、出張先、職場の飲み会、オンライン上など、多岐にわたり、女性たちはセクハラの被害に遭った結果、職場への不満が募り、仕事に対する意欲が低下。

調査対象者のうち、22人が職場でセクハラを受けた後、辞職しており、解雇された人も2人いました。

“加害者にまた会うのが怖い”、“高い地位にある加害者に、自分に関する悪い評判を広げられた”といった理由から、同一業界にいられなくなったケースも報告され、女性の多くは、その後、報酬が低い仕事やフリーランス、パートの職に変わらざるをえなくなり、以前よりも収入が減っています。

また、被害を公に訴えた人は、17人にとどまり、このうち5人が、加害者や雇用主から、低評価の勤務査定、賞与の不払い、退職の強要といった報復行為を受けたとのことです。

日本でも被害事例が後を絶たない職場のセクハラは、国を問わず、深刻な社会問題となっているようです。



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SingaLife編集部

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