シンガポール企業 環境問題への取り組みは依然低水準

仏電機大手シュナイダーエレクトリックは、シンガポール国内の企業・消費者の環境意識に関する調査結果を発表しました。

この調査は8月、石油・ガス、建設、製造、運輸、小売りなどの業界の企業500社と消費者500人あまりを対象に実施されたものです。

調査対象企業の68%が、“カーボン・ニュートラリティー(温暖化ガス排出を実質ゼロにすること)”、シンガポール政府が掲げる環境保護計画“シンガポール・グリーン・プラン”、“パリ協定”といった持続可能性に関する用語やイニシアティブについて、“平均以上に理解している”と答えた一方、自社が“持続可能な方法で事業を展開している”と回答した企業は43%にすぎず、“環境をめぐる目標達成に向け、技術をフル活用している”と答えた企業は27%にとどまりました。

事業のグリーン化を推進するうえでの課題としては、特にコロナ禍の中の資金難や社内の企業風土の変更が挙げられています。

一方、消費者は、回答者全体の3分の2以上が、“企業は利益よりも、環境問題を優先するべきだ”と回答しているものの、“企業は持続可能な環境実現に向け行動している”とした人は、わずか4分の1でした。

また、気候変動の影響について、“直接的または間接的に受けている”と答えた消費者は、96%に上り、33%が“非常に懸念している”と回答しています。

ただ、よりグリーンな生活を送るにあたっては、コストと利便性が最大の懸念事項ともされており、回答者の90%が国内エネルギー源の化石燃料からの転換を支持した反面、クリーンな電力の利用に際し、電気料金の値上げを受け入れるとした人は約半数ほどとなっています。

持続可能な地球環境の保全を目指し、私たちも日々心がけていきたいものです。


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SingaLife編集部

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