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仏連続テロ事件 シンガポールのイスラム教最高指導者が非難

フランスで最近相次いだイスラム過激派による殺害テロ事件を受け、シンガポールのイスラム教最高指導者ナジルディン・モド・ナシル師は10月30日、当地のキリスト教指導者らに宛てた書簡の中で、これらの事件を非難しました。

フランスでは10月16日、パリ近郊で18歳のチェチェン系難民の少年が授業中にイスラム教の預言者ムハンマドの風刺画を生徒に見せた中学校の男性教師を罰する目的で、頭を切断し、殺害。

同29日には、南部ニースで、イスラム教徒とみられる、ナイフを持ったチュニジア国籍の男が、教会内に侵入し、3人の命を奪いました。

ナジルディン師は、2つの事件について、「過激派が再び無実な人々に対する凶悪な犯行に及んだ」として、「ムハンマドの生誕月に発生したこのたびのテロは、人間の精神の神聖性に対する侮辱であるだけではなく、イスラム教への攻撃でもある」と主張。

「テロリストらは共感を得るため、ムハンマドへのイスラム教徒の愛を利用しようとしたのかもしれないが、彼らの行為はムハンマドの教えに対する明確な冒とくであり、宗教のいかんにかかわらず受け入れられるものではない」と糾弾しました。

さらにナジルディン師は、「われわれは事件の犠牲者とその家族に心から祈りをささげ、手を差し伸べていく」と記すとともに、シンガポール社会が共通の価値に今後もコミットし、平和と調和の維持に努める大切さに言及。

「双方の信頼の強化が国内におけるこうした事件の防止につながると確信している」と述べ、シンガポールのイスラム教コミュニティーが、“信仰と友好のきずな”に対するコミットメントを示すうえで、キリスト教コミュニティーと引き続き手を携えていく考えを明らかにしています。

世界に衝撃を与えた2件のテロ事件。授業でムハンマドの風刺画を使用した教師を擁護し、フランス憲法が掲げる“表現の自由”を守る決意を表明したマクロン大統領の発言をめぐり、アラブ諸国においてフランス製品の不買運動が広がるなか、東南アジアのイスラム社会への影響が懸念されます。

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