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ワークフロムホーム(WorkFromHome)は「地獄勤務(WorkFromHell)」?在宅勤務で「ストレス増す」と専門家が警鐘

新型コロナウイルスの感染拡大で、シンガポールでも盛んになった在宅勤務(リモートワーク)。オフィスに行かず家で働けるなんて夢のようだと思う人もいるでしょう。でも、在宅勤務は多くの人にとって悪夢のようになっています

シンガポールのあるコンテンツマーケティング会社では、在宅勤務中の従業員は一時間毎に何をしていたかの詳細をタイムシートに記入する決まりになっています。この会社は従業員に対して私的な用事や知人との会合に時間を使わないように警告し、リモートで勤怠管理を行うためにタイムシートを導入しました。

この会社で在宅勤務をしているジュニア・マネジャーは「本当に煩わしい。普段の業務をこなした上で、タイムシートを記入する時間を別に作らなくてはいけない」と話します。「何をしていたか思い出すために、メールや電話の通話記録を遡らなくてはならないことも度々です」。

深夜に緊急性のないテキストメッセージを送り、素早い返信を求める上司もいます。また外出制限措置「サーキットブレーカー」中には従業員が家にいるのをいいことに、ウェブミーティングを就業時間後まで引き延ばす人もいるといいます。

別のコンサルタント会社で働く女性は、夕食後の時間に上司から緊急性のないメッセージを頻繁に受け取ることがありました。プロジェクトについて提案を求めるメッセージを深夜にグループチャットに送ってきたこともあったといいます。「サーキットブレーカー中は特に多かった。私たちが絶対に家にいると知っていたからこそでしょう。寝る直前まで仕事が頭から離れなかったことも多いです」。

専門家は、このような状況は強いストレスを招くといいます。その上で、法曹界や広告業界、監査法人などでは新型コロナ以前から長時間労働が当たり前になっていたとも指摘します。

広告会社の元アカウント・マネジャーの女性は、在宅勤務が始まる以前のオフィス通勤だったとき、午前10時のリポート・タイムに遅刻した従業員には1分につき2ドルの罰金を科していたと話します。その会社では、夜は10時過ぎまで働くのが普通でした。「私のチームはほぼ毎日遅くまで、時には朝4時まで働いていました。どんなに前日遅くまで働いていたとしても、毎朝のリポート・タイムには間に合わなければいけなかったのです」。

ピープル・ワールドワイド・コンサルティング社のデヴィッド・レオンは、シンガポールを含む多くのアジア人が、猛烈に働くことや勤勉であることを美徳としているといいます。「一方で、労働者が過酷な環境とプレッシャーの結果として倒れてしまえば、仕事のパフォーマンスが落ちるということに雇う側は気付かなければなりません」。

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