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どう価値を生み出すか?イノベーションが発生しない業界で新規柱を作り出す!! I-O&YT Pte Ltd

I-O&YT Pte Ltd 末岡さん

移り変わりの激しいIT業界。業界、事業を選択し戦う!

移り変わりの激しいIT業界。昨今そのスピードは更に加速している。今回は、その中でも、トレンドに敏感で新しい取り組みも積極的に行っているIT系企業、株式会社I-o&YTのDirector末岡洋平さんに話を聞いた。

SingaLife編集部
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始めに末岡さんの経歴や仕事内容を教えて下さい。

2005年外資系の半導体の販売をマネジメントする目的で来星しました。当時は、液晶テレビの日系メーカーが強かったので、メーカー向けの専用ICを扱うのがメインで、3~4年はその業務をやっていました。

SingaLife編集部
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IT業界は昨今どのような状況でしょうか?

2010年頃にアイフォンの類が出始めて、イノベーションが始まりました。台湾や中国なども台頭し始め、液晶テレビも差別化が難しくなってきたんです。徐々に日系のテレビメーカーが押されはじめ、同時に半導体業界自体も衰退し始めました。

リーマンショックもあり、業界自体が苦しいところに更に波が来たという状況で、半導体に加えて新しいことをしないと、このままでは会社として厳しいと感じました。業界全体の厳しい状況は今も同じですね。

SingaLife編集部
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そのためにどんな打開策を?

半導体のトレーディングビジネスから、もの作りや生産代行に徐々にシフトしていきました。弊社は全員バイリンガル、トリリンガルなので、外資系のタイ、マレーシア、台湾、中国などの工場と強いパイプを築いています。これを活かして日本のメーカーと工場の間に入り、生産代行を受けるビジネスも始めました。安く作りたい日系メーカーと外資の工場との間に入り、双方をとりもつコンサルティングを行っています。

現在は半導体のトレーディング業務は激減し、生産代行がメイン。日本の大手半導体メーカーの代理店もしていましたが、傾くと代理店は切られるので、自分たちでバリュー付けをしないとサバイブできない。自分達だからこそできる、ものづくりのコンサルを行っているというわけです。

SingaLife編集部
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具体的なビジネスの内容を教えてください

海外で商品を作りたい日本メーカーの希望を聞き、用途にあわせて、タイやマレーシアなどから生産拠点を選びます。
最近は台湾や中国も良い部品を作っています。日本の設計者は日本の部品を使いがちですが、我々はこのメーカーにした方が安いなど置き換えや技術の提案も行っています。常に状況を確認し、どこで作るのがベストかを検証して提案します。提携工場は、アジアだと、マレーシア、タイ、中国などにパイプを持っています。

SingaLife編集部
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課題はなんでしょうか?

ここ4~5年は、表示系デバイス(液晶ビジネス)にも着手しています。ものつくりだけをやっても差別化が難しいので。人件費は必ず上がっていく傾向にあり、今後、安価に物づくりが出来る方向となりません。今後は設備投資をして、良い設備を入れているところが益々強くなります。マレーシア、フィリピンでも値差がなくなってきていて、競争は激化しています。

例えばアイフォンなどが出ると(パソコン、カーナビも)全て代替えできるので、プロダクトが減って仕事も減ってしまいます。なので、ものづくりだけをやっていても厳しいですね。

日本と海外の品質が違うので、そこをどう調整するかも課題です。「安くて悪い」をいかに、自分たちが調整して価値を上げるか、が重要です。IT業界全体に言えることですが、中国や台湾などが力をつけてきているので、日本メーカーの差別化は厳しく、大手でも特殊技術を持っていないとしんどい状況になっています。

全てにおいて先駆者はいますが、表示系のビジネスは増えています。レッドオーシャンだけど、もの自体は増えていく傾向があるので、そこには需要がある。現在は多くの液晶メーカーと提携し、最適なソリューションを提案するビジネスも行っています

後、ケーブルもアナログでイノベーションがかからない。表示デバイスもPCやアイフォンの画面で極端にシュリンクしない。新しくはないが、無くならないので参入してもいいかなと。

SingaLife編集部
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B to Cもスタートされていると聞きました

コンシューマービジネス、B to Cも始めました。私が石川県金沢出身で、石川の文化、産業の発信でお手伝いできないかと考え、石川県の産品漆塗りや九谷焼を百貨店などで売ってきのですが、こちらも差別化が難しい

そこで目を付けたのが、全国の生産の99%が金沢産の「金箔」です。素材として全世界の人が認知しており、単価も高く、場所もとらないということで金箔素材を使ったお土産を作り始めたんです。金箔ケーキ、チョコレートなども今年リリース予定です。

シンガポールは550万人の人口に対して、インバウンドは約2000万、ギフト系のビジネスはイノベーションもかからないし、面白いと思います。

SingaLife編集部
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レッドオーシャンの中楽観視できない状況で、御社の強みはなんでしょうか?

この規模(10数名)だからこそ、需要のあるところにシフトしていくようにしています。工場を持つと身動きがとれなくなるので、敢えて工場は持たないんです。ファブレスだけど、バリューを出し、お客様にご満足頂けるサービスを常に提供していたいと思います。

SingaLife編集部
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今後の展開について教えてください

目標を実現するためには、やはり人が重要です。シンガポールは語学も堪能で優秀な人材を雇用しやすいので、色々なビジネスができるのが強みです。

ビジネスの仕組み自体は同じなので、今後もITで培ったビジネスやもの作りのノウハウを応用できると考えています。勉強は必要ですが、横転換はできるかなと。

シンガポールは色々な人種がいますが、グローバルで成功する企業はどの人種にも受けるものを作っています。シンガポール政府が観光に力を入れているので、お土産は大きな市場。私達は今後は日本の一部のみでしか知られていなかった面白いものもどんどん世に出していきたいと思います。ここでしか入手できない九谷焼のシンガポールバージョンの制作販売も、その一環です。

今後も、需要が必ずある消えない市場を探していきたいと思っています。もちろん、ITビジネスは今後もコアビジネスとしてリソースを割いていきますが、イノベーションのかからないところで、外資ともうまく付き合いつつ、お客様のご満足頂けるサービスを提供していきたいですね


《 I-O&YT Pte Ltd 》 
Tel: 6665-4478
Address: 25 International Business Park Rd,
#01-11/14 German Centre,
S609916
https://www.ioyt.com.sg/


末岡 洋平 SueokaYohei Director
2000年に金沢工業大学電気工学部を卒業し、同年IT専門商社に入社。
日本で外資系半導体のトレーディングを中心とした業務を得て、2005年にシンガポールに来星。
I-O&YT Pte LtdのDIRECTORとして現在に至る。

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この記事を書いた人
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