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コロナ禍のシンガポールの就活。専門性の高い分野の学生が有利、人文系は苦戦 専門家指摘

新型コロナウイルスの感染拡大は、シンガポールの大学生の就職状況にも影響を与えています。専門性があまり高くない分野を専攻した学生ほど影響を大きく受けており、就職先を見つけるのに苦労していると専門家は指摘しています。より専門性の高い分野を専攻した学生の採用は優先されているようです。2月19日に発表された大卒者の就職状況の年次調査結果で、この傾向が明らかになりました。

昨年大学を卒業した人でフルタイムの仕事に就いた人は全体的に少なくなっています。しかし、IT分野や健康科学などの医療系分野、経営を専攻した人は影響を受けていません。これら専門性が高い分野を専攻した人のうち4分の3以上が、大学を卒業してから6ヵ月以内にフルタイムで無期雇用の仕事を見つけています。

一方、ジェネラルな(一般的、総合的な)分野を学んだ人はそうはいきませんでした。人文系や社会科学系でフルタイムの仕事を見つけた人は6割にとどまり、アート、デザインおよびメディア系分野を専攻した人はそれよりさらに低い数字となっています。

シンガポール・ヒューマン・リソース・インスティチュート(SHRI)のロウ・ペック・ケム氏によると、コロナ禍で企業は人件費などの費用を抑制しなければならず、この傾向は想定されていたといいます。

ロウ氏は「企業は採用プロセスをより厳密にし、事業を続けるために必要なスキルを持つ人材を採用するだろう。スキルへの需要は高まっている。雇用が減る状況では総合的な分野の人は苦戦する傾向にある」と話します。

人材紹介エージェントのマネージングディレクター、ジャヤ・ダス氏は、感染拡大の影響で企業は、主要事業の継続に優先的に力を注ぐようになったといいます。ビジネスの存続に従業員がどの程度貢献できるかが、採用の決め手になるのです。ダス氏は「ビジネスは回し続けなければなりません。そのため、優先順位をつけて、事業が生き残るために必要であるかどうかを基準に採用活動を行うのです。こうなると有利なのはジェネラリストではなく、スペシャリストのほうでしょう」と指摘します。

調査によれば、フルタイムの無期雇用は減少しているものの、大学生の就職率そのものは上がっています。大学の最終試験から6ヵ月以内に就職した人の割合は全体で93.6%で、2019年の90.7%を上回っています。

キャリアコンサルタント会社のポール・ヘン氏は「大卒者の16.9%は政府のプログラムを活用して就活を成功させた。大学の新入生やポリテクの学生にも役立つだろう」と話しています。これに対し、シンガポール国立大のワルター・セシア准教授(経済学)は「良いプログラムではあるが合わない学生もいる」と懸念を示しました。

実学重視や就職を念頭にした専攻選びは、コロナでさらに拍車がかかりそうです。


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