【大人の社会科見学】
シンガポールで楽しむイベントその302
-ディパバリ-

シンガポールの多文化を照らす光 ディパバリの華やかな風景

シンガポールのリトル インディアで毎年開催される「ディパバリ」は、ヒンズー教徒にとって重要なお祭りの一つです。「光の祭り」とも呼ばれ、悪に対する善の勝利を祝うこの行事は、リトル インディアを中心に大々的に行われます。シンガポールの多様な文化が見られるこのお祭りは、地元の人々や観光客にとっても大きな魅力となっています。

ディパバリの期間中、ヒンズー教徒の家庭では女神ラクシュミに祈りを捧げ、家をランプや灯りで美しく飾ります。家族や友人とプレゼントを交換し、豪華な食事を楽しむこの日、リトル インディアの街も一斉にライトアップされ、幻想的な風景が広がります。

特にリトル インディアのセラングーン通り沿いに設置される光のアーチは、祭りのシンボルとして知られ、多くの人がこの美しい装飾を見に訪れます。このイルミネーションは、ディパバリの後も約1か月間続き、その間、訪れる人々はシンガポールの街が光で彩られる様子を存分に楽しむことができます。InstagramなどSNSでも人気のスポットで、写真映えするシーンが多いのも特徴です。

祭りの準備が始まると、リトル インディアは活気にあふれ、バザールでは色鮮やかな花飾りやお香、伝統的なジュエリー、美しい刺繍が施されたサリーが並びます。バザールを歩き回り、ヒンズー教の文化や美しい装飾品を手に取ることができるのも、この時期ならではの楽しみです。また、夜には音楽コンサートやヘナタトゥー体験など、さまざまなイベントが行われ、リトル インディアは昼夜問わず賑わいます。

今年のディパバリは10月31日ですが、その前からライトアップが始まり、文化的なショーをはじめ、さまざまな企画を楽しむことができます。子ども達にとっては特に楽しい思い出となるでしょう。

さらに、ディパバリに先駆けて「銀の馬車のパレード」も開催されます。このパレードでは、女神スリ・ドラウパディ・アマンの像を乗せた銀色の馬車が、ヒンズー教徒たちに引かれてリトル インディアを練り歩きます。また、一週間前にはスリ マリアマン寺院で「ティミティ(火渡りの祭り)」が行われ、信者たちが炭の上を裸足で歩くという神聖な儀式が見られます。

ディパバリの期間中、リトル インディアにはゾウやクジャクをモチーフにした像が飾られます。ゾウは忠誠心と豊穣、クジャクは勝利や愛を象徴するもので、これらの像が街に彩りを添えます。バザールでもゾウやクジャクをテーマにしたジュエリーや装飾品が多く見られ、訪問者の目を楽しませます。

シンガポールのディパバリは、光と喜びに包まれた祭典です。リトル インディアを訪れ、現地の人々とともに光の祭りを体験することで、シンガポールの多様な文化と豊かな伝統に触れる貴重なひとときを過ごしてみてはいかがでしょうか。多様な文化にふれることで価値観のアップデートをぜひはかっていただきたいと思います。

大人の社会科見学 筆者

森山 正明
大人の社会科見学シンガポール版は、シンガポールで生活している方々へ、シンガポールの奥深さを知ってもらいたい思いで活動を始めました。「3カ月も住んでいればシンガポールは飽きてしまう」と巷では言われますが、なかなかどうして、この地ならではの楽しみは、尽きることはありません。

2013年11月からこのサークル活動を始めて約11年。行ったイベントは、200回を超え、その中から読者の方にもシンガポールの文化や習俗について年中行事を軸に紹介をして参ります。
 
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●記事内容は執筆時点の情報に基づきます。



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この記事を書いた人

SingaLife編集部

シンガポール在住の日本人をはじめ、シンガポールに興味がある日本在住の方々に向けて、シンガポールのニュースやビジネス情報をはじめとする現地の最新情報をお届けします!

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