ペイナウ(PayNow)とは?シンガポール在住日本人向け登録・使い方ガイド

シンガポールに来たばかりのころ、ホーカーセンターで食事を終えてお会計しようとしたら「PayNow(ペイナウ)でいいですよ」と言われて困った、という経験はありませんか?

友人との割り勘でも「PayNow送って!」とさらっと言われるシーンは日常茶飯事。でも初めて聞いたときは「これって何?どうやって使うの?手数料はかかるの?」と戸惑ってしまいますよね。

今回はSingaLife編集部がPayNowについて徹底的に調査し、シンガポール在住の日本人が知りたい情報をまるごとまとめました。登録方法から送金の使い方・受け取り方、手数料・送金限度額、そして誤送金したときの対処法まで、日本語でわかりやすく解説します。

シンガポール生活をスタートしたばかりの方も、これからシンガポールへ来る予定がある方も、ぜひ参考にしてください。


 

ペイナウ(PayNow)とは?シンガポールの即時送金サービスをわかりやすく解説

出典:PayNow Singapore

ペイナウ(PayNow)とは、相手の銀行口座番号を知らなくても、携帯電話番号・シンガポールのNRIC/FIN番号・VPA(仮想支払アドレス)・UEN(法人番号)のいずれかを使って、シンガポールドル(SGD)を即時に送受金できるサービスです。

2017年7月10日に銀行向けサービスとして開始、2021年2月8日には主要決済機関(MPI)にも拡大され、個人ユーザーには無料で、24時間365日いつでも利用できます。

日本人にとって最もイメージしやすいのは「PayPay(ペイペイ)」との比較でしょう。PayNowもQRコードを使った支払いに対応している点はよく似ていますが、大きな違いが二つあります。

一つ目は、PayNowは専用アプリではなく各自の銀行アプリから使う点。二つ目は、電子マネーへのチャージではなく、銀行口座に直接紐づいた即時送金という点です。財布にお金が入っているイメージより、口座の残高からその場でお金が動くイメージに近いといえます。

QRコードをスキャンして支払う機能にも対応しており、参加銀行のモバイルバンキングアプリを使ってPayNow QRコードやSGQR(シンガポール共通QRコード)での決済ができます。

PayNow QRはSGQRコードと統合されているため、ホーカーセンターや小売店に掲示された一枚のQRコードで複数の決済方式をまとめて使える仕組みになっています。

また、電気・電話料金などのUEN(法人番号)を入力して公共料金の支払いに使うことも、企業間の仕入れ代金支払いに活用することも可能です。さらに、SG BonusなどシンガポールのGovernment payout(政府給付金)を直接受け取るためにも使われます。

つまり個人間のやり取りだけでなく、シンガポール生活全般に関わる”生活インフラ”といっても過言ではないのです。

ペイナウ(PayNow)が使える銀行・決済機関

出典:FinTech Journal

PayNowは、Bank of China、Citibank Singapore、DBS Bank/POSB、HSBC、ICBC(工商銀行)、Maybank、OCBC Bank、Standard Chartered Bank、United Overseas Bank(UOB)など、シンガポールの主要銀行が参加しています。

在住日本人が利用することの多いDBS、OCBC、Standard Chartered(スタンダード チャータード)はすべて対応しているため、これらの口座を持っている方はすぐに使い始めることができます。

銀行に加えて、MPI(主要決済機関)としてGrabPay(グラブペイ)やWise(ワイズ)なども対応しています。海外送金サービスとして日本人在住者にもなじみ深いWiseにPayNowで入金できるのは便利なポイントです。

参加機関の最新リストはABS(シンガポール銀行協会)の公式サイトで確認できます。

ペイナウ(PayNow)の登録方法|銀行アプリへの設定手順

出典:PayNow QR – Google Play

PayNowを使うには、参加銀行またはMPIのインターネットバンキングかモバイルバンキングアプリから設定します。専用の別アプリをダウンロードする必要はなく、普段使っている銀行アプリから登録が完了します。

登録に必要なものは次の2点です。

◆PayNow対応銀行の口座
◆登録する携帯電話番号またはNRIC/FIN番号

日本人の場合はNRIC(シンガポール国民向けの身分証)ではなく、就労パス・学生パスなどに紐づくFIN番号を使います。

なお、同じ携帯電話番号を2つの異なる銀行でPayNow Proxyとして同時に登録することはできないため、別の銀行に切り替える場合は先に既存の登録を解除してください。

また、以前はPayNow登録時に相手に見せる「ニックネーム」を設定できましたが、2026年6月6日以降は名前表示の方式が変更され、ニックネーム機能は廃止されました。

現在は送金時に銀行に登録されている名前の一部が表示される仕組みに変わっています。なりすまし詐欺対策として導入された変更ですので、覚えておきましょう。

DBS(digibank)での登録手順

出典:DBS digibank – Google Play

DBSの場合、最も手軽な方法はdigibankモバイルアプリからの登録です。手順は以下のとおりです。

01

digibankモバイルアプリにTouch ID/Face IDまたはUser ID & PINでログインする

02

画面下のナビゲーションから「Pay & Transfer」をタップし、「PayNow」を選択する

03

画面上部の「PayNow profile(プロフィール)」をタップする

04

「Register your mobile number(携帯番号を登録する)」または「Register your NRIC/FIN」を選択する

05

紐づけたい口座を選択し、内容を確認する

06

「Register now」をタップして登録完了

FINをPayNow Proxyとして登録する場合は、あらかじめDBS/POSBにFIN番号が登録済みであることが必要です。登録画面にFINの選択肢が表示されない場合は、まず銀行側への情報更新を行ってください。

OCBCでの登録手順

出典:OCBC Singapore – Google Play

OCBCのモバイルアプリ(OCBC app)での手順は以下のとおりです。

01

アプリ下部のナビゲーションバーで「More」をタップし、「Payment & transfer」内の「Manage PayNow」をタップする

02

「Register」をタップして携帯番号を登録する

03

PayNowで受け取りに使いたい口座を選択する

04

内容を確認し「Confirm」をタップする

05

これで携帯番号がPayNowに正常に登録されます



インターネットバンキングから登録する場合は、以下の手順で進めてください。

01

「Customer service」タブ内の「Link or Manage PayNow」をクリックする

02

登録方式(携帯番号・NRIC・FIN番号)を選択して「Next」を押す

03

OTP(ワンタイムパスワード)を入力し、内容を確認して送信する

 

その他の銀行・決済機関の場合

UOBやStandard Chartered、GrabPayなど他の参加機関も、基本的な手順はDBS・OCBCとほぼ同様です。各銀行・MPIのアプリ内でPayNow設定画面を探し、携帯番号またはFIN番号を登録するだけで完了します。

詳細な手順は各機関の公式サイトやアプリ内ガイドを参照してください。

ペイナウ(PayNow)の使い方|送金・QR支払い・受け取りの手順

登録が完了したら、いよいよ実際に使ってみましょう。PayNowには大きく「送金」「QRコードで支払う」「受け取る」という3つの使い方があります。

送金する場合

ホーカーセンターのお釣りを避けたいとき、友人との食事代を割り勘するとき、個人売買の代金を送るとき——そんな場面でPayNowは大活躍します。

手順は以下のとおりです。

01

銀行アプリにログインし、「PayNow」または「Transfer(送金)」を選択する

02

送金方法を選ぶ(相手の携帯番号・NRIC/FIN番号・UEN番号のいずれか)

03

相手の番号を入力すると、名前の一部が画面に表示される

04

表示された名前が正しいことを必ず確認する(誤送金防止のための重要なステップです)

05

送金金額とメモ(任意)を入力し、内容を確認して送金を実行する

送金はほぼ即時に完了します。慣れれば非常にスムーズに操作できます。

QRコードで支払う場合

ホーカーセンターや小売店の店頭には、SGQR(エスジーキューアール)コードが掲示されていることが多いです。

PayNow QRはSGQRコードに統合されているため、一つのQRコードをスキャンするだけで複数の決済方式から支払えます。手順はとてもシンプルです。

01

銀行アプリを開き、QRスキャン機能(「Scan & Pay」など)を選択する

02

店頭に掲示されたSGQRコードをカメラでスキャンする

03

金額が自動入力されていない場合は手入力する

04

内容を確認して「送金(Transfer/Pay)」をタップして完了

※QRコードを読み取れない・エラーになる場合は、QRコードの有効期限が切れている可能性があります(詳しくは後述の注意点セクションを参照してください)

受け取る・自分のQRを見せる場合

「PayNow送ってください」と頼まれる立場になることも、シンガポール生活ではよくあります。PayNowへの受け取り設定は、登録を完了した時点で自動的に有効になっています。相手に自分の携帯番号またはFIN番号を伝えるだけで送金してもらえます。

また、自分のQRコードを相手に見せて支払ってもらうことも可能です。銀行アプリのPayNow画面から「Receive(受け取り)」またはQRコード表示機能を選択すると、自分専用のQRが表示されます。日本人同士のやり取りや、フリマ・中古売買などの場面でも役立ちます。

ペイナウ(PayNow)の手数料・送金限度額


手数料について

PayNowの利用にサービス手数料はかかりません。個人間・個人から企業への送金も同様に無料です。

また、店舗や企業側がPayNow決済を選んだ顧客に手数料を上乗せする(サーチャージを課す)ことは、規則で明確に禁止されています。PayNowで支払うことを選んだ顧客に対して、価格の引き上げなどの形を含めてサーチャージや特別手数料を課すことはできません。

「PayNow払いは手数料がかかる」と言われた場合は、このルールを頭に入れておきましょう。

送金限度額について

送金できる1日の上限額は銀行によって異なります。主要銀行の情報は以下のとおりです。

◆DBS/POSB
他のDBS/POSB口座への送金はデフォルトS$200,000)、他の銀行口座への送金はデフォルトS$200,000)。S$ 1,000を超える場合はトランザクション署名(digibankトークン使用)が必要です。

◆OCBC
1日の送金限度額はS$200,000の範囲で設定可能(S$500・S$3,000・S$10,000・S$50,000・S$200,000)。Premier Banking/Premier Private Clientのお客さまはS$300,000まで送金できます。

送金限度額は各銀行アプリのTransfer Settings(送金設定)から変更できます。

ただし、限度額を引き上げる場合、変更が反映されるまでに12時間かかります。急ぎの送金が必要な場合は、余裕を持って事前に設定変更しておくと安心です。

ペイナウ(PayNow)を使う際の注意点・よくある質問


誤送金してしまったら?

PayNowで誤った番号に送金してしまった場合は、まず銀行のホットラインに連絡してください。また、必要に応じて警察への被害申告を行い、調査に協力してください。

銀行は返金のための協力を行いますが、強制的な返金は保証されません。送金前に必ず受取人の名前を確認することが最大の防止策です。

誤送金を防ぐためのポイントをまとめると以下のとおりです。

◆携帯番号またはFIN番号を入力した後、画面に表示される
◆相手の名前を必ず確認する
◆名前に少しでも違和感があれば、相手に番号を再確認してから送金する
◆特に初めて送金する相手には、少額でテスト送金するのも一つの手です

 

QRコードが使えない・エラーになった場合は?

店舗でQRコードを読み取ろうとしたときにエラーになることがあります。その場合に考えられる原因の一つが、QRコードの有効期限切れです。

QRコードを使った支払い機能は参加銀行のモバイルバンキングアプリに対応していますが、PayNow QRコードはStripe経由で生成された場合、生成後1時間で有効期限が切れます(Stripe公式ドキュメントより)。エラーが出たときは、スタッフに新しいQRコードの表示を依頼してみてください。

PayNowで海外送金はできる?

PayNowはシンガポールドルの参加銀行間での送金に限定されており、海外口座への直接送金には対応していません。ただし、一部のクロスボーダー連携が進んでいます。

インドのUPI(統一決済インターフェース)とのUPI-PayNow連携は、RBI(インド準備銀行)とMAS(シンガポール金融管理局)が協力して構築したもので、個人間の国際送金を数秒で実現します。

タイのPromptPayとの連携も2021年4月から始まっており、対応銀行のアプリで相手の携帯番号を入力するだけで送金できます。いずれも1日の送金上限など通常のPayNowとは異なる条件が設けられているため、利用前に各銀行の案内をご確認ください。

日本人はNRICとFIN、どちらを使う?

シンガポール国民が使うのはNRIC(青いカード)、就労ビザや学生パスで滞在する外国人が使うのはFIN番号です。日本人在住者はFINを使って登録します。

日本人在住者がFINをPayNow Proxyとして登録するには、FIN番号と携帯番号があらかじめ銀行に登録されている必要があります。最新情報が銀行に届いているかを事前に確認しておきましょう。

SingPassとPayNowの関係は?

SingPassはシンガポール政府のデジタル認証システムで、行政手続きなどに使います。PayNowはSingPassとは別のサービスであり、利用にSingPassへのログインは必要ありません。

ただし、銀行口座の開設時や一部の設定変更でSingPassを使う場合があるため、混同しないよう注意しましょう。

ペイナウ(PayNow)を設定して、シンガポール生活をもっと便利にしよう!

キャッシュレス化が進むシンガポールでは、PayNowはホーカーセンターでの支払いから友人との割り勘、企業への支払い、政府給付金の受け取りまで、あらゆる場面で使われる生活インフラです。

登録は各銀行のアプリから数分で完了するので、まだ設定していない方はぜひこの記事を見ながら試してみてください。次に「PayNowで送って」と言われたとき、この記事を思い出してスムーズに対応してみてください。

●記事内容は執筆時点の情報に基づきます。

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この記事を書いた人

SingaLife編集部

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