コロナ2年目…ニューノーマル時代の東南アジアビジネス、牽引役は誰か?

世界的にコロナ禍が続く中、年が明けて2021年になりました。発生から1年が経過し、ワクチンという朗報と同時に変異種が出現してしまう等、残念ながら収束への道のりは平坦なものではなさそうです。

一方、今回のコロナ禍は、全ての産業が大打撃を受けた2008年のリーマンショックとは異なり、非常に厳しい業界がある一方で大きくビジネスを伸ばしている業界があり、明暗が非常に分かれています

本稿では、コロナ禍で生じた代表的な変化と発生1年後の状況を踏まえ、Withコロナ時代のシンガポールと東南アジアで重要なビジネスのあり方を考えていきたいと思います。

コロナ禍からの変化:eエコノミーの加速

先ずコロナ禍がもたらした最大の変化としては、あらゆる領域で加速した「デジタル化」があげられます。自分の身を守るには、感染しているかもしれない「他者」やウィルス付着の可能性がある「モノ」との接触を避けることが必須のため、「ソーシャルディスタンシング」、「コンタクトレス」、「在宅勤務」等のバズワードが生まれ、必然的に、あらゆる分野でオンライン化が進みました。

Google、Temasek、Bainの3社共同調査レポートによると、コロナ禍でオンライン化が加速したジャンルは、東南アジアのB2Cでは、「教育」、「ローン」、「グローサリー」がトップ3で、「映像サービス」と「フードデリバリー」が続いています。

幼稚園から大学まで生徒の年齢を問わず、「学校」に通うことが出来なくなったため、トップが「教育」となったこと、また「食品を含む日用品」がこれに続くのも、生活必需品であることから、非常に納得感のある結果です。一方、「アパレル」や「ビューティー」関連は、外出が極端に減ったことから、在宅時に必要なもの以外の需要が落ち込んだことからの結果と容易に推測されます。

出典:e-Conomy SEA 2020(Google、Temasek、Bain共同調査)

コロナ2年目以降:ニューノーマルの世界でビジネスを伸ばすには?

コロナがいつどのように収束するかを正確に言い当てることは不可能ですが、ほぼ確実に言えるのは、コロナ以前の世界に戻ることは無いということでしょう。逆説的に言えば、今まで「対面」で行っていたサービスをオンラインと上手く組み合わせて、対面のみ以上の価値を提供することが商機を掴むポイントになると思います。

ここでは、あらゆる産業で加速している「eコマース」に着目したいと思います。eコマースは、コロナ禍で加速するeエコノミーの筆頭ですが、商取引の全ての工程をオンライン化することは現在の技術では不可能なので、ニューノーマルに合った形でオンラインにリアルをどう使うかを考える必要があります。つまり、従来のオフライン(リアル店舗)起点での発想を、オンラインを中心にリアルをどう活かせるのか?に切り替えてビジネスを展開していくのか。「OMO(オンラインとオフライン融合)」戦略がビジネス成否の鍵を握ります。

OMOの好例として「ブログショップ」があげられます。東南アジアでは、タイのO&B(https://us.oandb.store/)というスタートアップが有名です。このブランドは、2012年にフェイスブックを活用した若者向けシューズブランドのオンラインショップとして創業。その後、着実に成長し、2019年にバンコクの中心部にリアル店舗をフラッグシップショップとして開始しました。
シンガポール発としては、LoveBonito(https://www.lovebonito.com/sg/)がオンライン発のファッションブランドとして2010年に創業し、今ではシンガポール国外含めて東南アジアに17の実店舗を構えています。

参照: 博報堂コンサルティング・アジアパシフィック OMOスタディ

博報堂コンサルティング・アジアパシフィック・シニアディレクターの堀場久美子さんは、次のように述べています。
「事業主体者としてOMOの肝要な点は、顧客データを一つのIDで蓄積していくことです。それによって顧客を深く理解し、顧客にとってより最適な体験をもたらすことが可能となります。しかし、完璧な統合データを作ろうとするよりも、アジャイル的に進めていくことが大切と考えています。まずはブログショップの例のように、自社の顧客の満足度を向上させるための情報提供や利便性(アプリで注文し店舗で受け取る仕組みなど)を向上させることが、結果として顧客データの蓄積と、オンライン上でのシェアやクチコミを誘発するために有効であると考えています」
出典:https://www.hakuhodo-consulting.co.jp/blog/hcap/hcap_20201118/

東南アジアにおけるニューノーマル時代の牽引役は「ミレニアル」と「Z世代」

コロナ禍で、「オンライン」の重要性が高まる中、今まで「リアル」が主体だったビジネスであっても、上述のように、「オンライン」起点の発想に切り替えることで広がる商機は予想以上に多いと思います。ショッピング以上に、オンライン化が加速した業種に「教育」があります。教育は、今まで伝統的に「通学」での対面授業が主流でしたが、講義形式の科目は、むしろオンラインの方が受講しやすく、その意味ではコロナで加速したオンライン化の流れは良い変化と言えます。

一方で、クラスメートとのグループワークや討議は、リアルで行わないと難しい部分も多く、オンラインで全てを再現するのは困難です。アメリカ発のオンライン教育プラットフォームであるCoursera(https://www.coursera.org/)やUdemy(https://www.udemy.com/)はともに2010年創業。コロナ禍で大きくビジネスが伸びていますが、こういったオンライン発の教育コンテンツに、リアルな「場」をどのように絡めていくのか? この答えは、オンラインシフトの牽引役である「ミレニアル(1981年以降に生まれた層)」と更に若い「Z世代(1996年以降に生まれた層)」が握っています。これらの層の人口が圧倒的に大きい国が大半を占める東南アジアでは、彼ら・彼女らのライフライフスタイルと価値観の理解が特に重要だと言えるでしょう。域内の情報ハブであるシンガポールから、ぜひ域内の新しい動きを捉えてビジネスチャンスにつなげて下さい。

記事寄稿:ExpertConnect Asia
Web:https://expertconnect.asia/


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この記事を書いた人

SingaLife編集部

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