シンガポール国内2カ所で道路を歩道にする試験運用を実施。車を減らす社会の実現に向けた取り組みの一環

シンガポール陸上交通庁(LTA)は2月から、車が少ない社会の実現に向けた取り組みの一環として、北部アドミラルティ地区と中心部ブキット・ホー・スウィー地区周辺において、車道の一部を歩道化する試験運用を進めています

対象区間は、付近に学校や高齢者入所施設“カンプン・アドミラルティー”などがあるウッドランズ・リング・ロードのウッドランズ・ドライブ63~ドライブ71(約200m)と人気商店・飲食店が並ぶハブロック・ロード715~745(約100m)です。それぞれ、2月20日と3月22日に試験運用を開始し、ウッドランズ・リング・ロードは1レーンを、ハブロック・ロードは路上駐車スペースを歩行者・自転車利用者専用としました。

試験運用期間は、6カ月にわたりますが、地域社会の支持が得られれば、早期に恒久的に歩道化するとのことです。

これまでのところ、歩道化に対する地域住民・道路利用者の反応はおおむね好評であるものの、「車両の交通量は多い一方、歩行者はほとんどいない」、「頻繁に納品がある道路沿いの商店の駐車スペースがなくなり、商売に影響する」などといった意見も寄せられています。

ウッドランズ・リング・ロードが位置するセンバワン選挙区選出のマリアム・ジャファール議員は、道路の歩道化について、「徒歩や自転車利用を推奨するうえで、シンガポールは道路、社会双方の面で他の都市ほど成熟していない」と指摘。

「したがって、われわれは、今回のアプローチの目的は、コストを抑えつつ、一時的な変更を通じて、試験的に運用し、学ぶことにあると認識している」と述べました。
マリアム氏によると、ウッドランズ・リング・ロードが歩道化の試験運用区間として選ばれたのは、周辺地域の高齢者人口の割合が高いためだそうです。

なお、LTAは今後、公聴会やオンライン対話集会を開催し、道路の歩道化に関する市民の意見を募る計画です。すべての道路利用者にとって快適な道路環境の確立が期待されます。

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SingaLife編集部

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