新型コロナウイルスの影響で家庭ごみ増加の一方、清掃員は人手不足に
人々が多くの時間を家で過ごすようになり家庭ごみが増加する一方で、清掃作業員が人手不足に陥っています。
タンピネス地区の国会議員・バエイ・ヤム・ケン氏のFacebookの投稿によると、タンピネス・ノースの外国人清掃員の60%が、シンガポールに入国することができていません。新型コロナウイルス対策のフェーズ2の期間中、多くの人々がほとんどの時間を家で過ごしていることで家庭ごみが増加する中、国内にいる残り40%の作業員が余分に働いて懸命に仕事をこなしている状況だということです。
複数の国会議員が、同様の人手不足問題が各地域で生じており、住民自ら地域をきれいに保つことを心掛ける必要があると話しています。さらに、人手不足に陥っているのは清掃分野に限らず、メンテナンス作業員や修繕作業員、庭師も不足していると指摘する人もいます。
母国に帰国した移民労働者がいる一方で、入国管理が厳格になったことで代替要員の入国が難しくなっています。
バエイ議員は「ほとんどの人はルールを守っていますが、残念ながら一部の人はそうではありません。その人たちには、しっかりと自分の役割を自覚して地域をきれいに保つことを意識してほしいです」と語っています。
バエイ議員は、食べ物やデリバリーの容器などで以前より家庭ごみが増加したにも関わらず、清掃員は地域を清潔に保つために全力を尽くしてくれていると話しています。
また、不適切なごみの投棄も増えているといいます。
あるケースでは、3階の住人からダストシュートがごみであふれていると苦情があり行政が調査したところ、ダストシュートの中から物干し竿が見つかりました。ダストシュートは、各階に設けられたごみ投入口で、最下層でごみを集積する仕組みになっています。何者かが物干し竿をダストシュートに投棄し、詰まっていたのです。その結果、ごみがあふれてしまっていました。
マウントバッテン地区の国会議員でありマリンパレードタウン議会の議長でもあるリム・ビオウ・チュアン氏は、家庭ごみが増加するなか清掃員のマンパワーをなんとかやりくりしている状況だと話しています。
そのうえで、無分別なごみ投棄の問題点について強調します。
食べ残しなどのごみは害獣や害虫の餌となるうえ、食べ物の容器に水が溜まると蚊の発生源になってしまいます。また、ごみが廊下に積みあがった状態は火災の際避難の妨げになると指摘します。
前出のリム議員は、町議会は国家環境庁(NEA)と協力してごみ捨てに関する規制を強化することも検討していると話したうえで、次のように付け加えます。
「しかし、法律による規制によってできることは限られています。住民が、清掃員がきれいにしてくれるのが当たり前だと考えずに自らの役割をきちんと果たすこと、それがなくてはきれいな街はありえません。ごみを適切に片付けることは全ての人が責任を持って行うべきものであると伝わることを祈っています」
この記事を書いた人
SingaLife編集部
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