シンガポールで急病!ただ緊急じゃなければ料金が発生するので注意。救急車の呼び方と夜間外来の利用法は?
クリニックが開いていない夜間や週末などの時間に突然けいれんが起きた、転落して頭をぶつけた、家族が胸を苦しがっている、などなど、突然襲ってくるアクシデント。日本ならすぐに119番すればいいと知っていると思いますが、シンガポールではどうしたらいいのか分からずに、パニックになってしまうかもしれません。
そんな時はどうするのが正解なのでしょうか。タングリンにあるGleneagles Hospitalに入る日本メディカルケアの佐藤健一医師にお伺いしました。
シンガポールの救急車で注意すべき点
日本で生活している時のように、とにかく「何かがあったらAmbulance(救急車)を呼べばいい」とダイヤルしたい気持ちもわかります。
シンガポールの救急番号「995」に電話をかけることで救急対応を行っているSCDF(Singapore Civil Defence Force)に連絡することは可能です。
しかし、シンガポールでは本当に緊急状態にある方に注力するため、電話応対時に緊急性があるかどうかのトリアージ(治療の優先度を決めること)がなされます。
SCDF:https://www.scdf.gov.sg/home/about-us/information-on-ems/scdf-emergency-medical-services
救急車の優先順位
SCDFのWEBサイトによれば、以下のように4つに分類されます。
① 生命に関わる緊急状態
心停止、意識消失、呼吸困難、続いているけいれん、重症な怪我、脳卒中などが「生命に関わる緊急状態」として分類され、最優先での対応になります。
② 緊急状態
重度のアレルギー、緊急分娩、頭部外傷、骨折、喘息発作、慢性疾患のある高齢者、病気の小児は「緊急状態」として分類され、最優先ではないものの対応の優先度は高くなります。
③ 軽度の緊急状態
出血を伴う裂傷、傷のある事故、腫脹、軽度の外傷、継続する発熱などは軽度の緊急状態とされ優先度は低くなります。
④ 非緊急性
上記以外の場合は、緊急性がないと判断され「1777」に電話をして対応してもらうように伝えられます。
SCDFが緊急状態と判断した時には使用料はかかりませんが、非緊急と判断されてもなおSCDFに搬送を依頼したい場合は、S$274の使用料がかかります。緊急を要さない医療サービスを求める場合は「1777」へ連絡しアドバイスを受けましょう。
SCDFに依頼したときは自分の希望する医療機関には搬送してもらえず、一番近い通常は公的医療機関に搬送されることが多いでしょう。
緊急状態の時であればSCDFに依頼するのが無難かと思いますが、
・電話で英語で状況を伝える必要があること ・必ずしも救急対応してくれるわけではないこと ・希望する先に搬送されない可能性が高いこと |
から、状況によってはタクシーやGrabなどを利用した方が到着が早いことも十分にあります。
また、重症ではないものの自分で動くことが出来ずにストレッチャーが必要、救急隊に来てもらいたい、Gleneagles Hospitalなど自分の希望する病院に搬送してもらいたいといったときにはGleneaglesが手配する民間の救急搬送を利用することが出来ます。
電話番号:6473 2222 WEBサイト |
特に妊婦さんの搬送では通い慣れた医療機関にストレッチャーで移動したほうが良いかと思いますので、上記のような民間の救急サービスをお勧めします。
救急外来に到着後は
さて、A&E(救急外来)に到着しました。
救急車で到着しても、タクシーなどで到着してもまずは入り口でトリアージを受けます。つまりどの程度の重症度、緊急度であるかを確認し、より緊急性の高い患者を優先的に治療する体制となっています。
公的医療機関での医療に対しては、補助があることから多くのシンガポール国民が受診しています。また、交通事故などでの重傷者も搬送されて来ますので、状況によっては2〜3時間も待つというのも珍しくありません。公的医療機関を利用するのであれば、その点は覚悟して受診するか、または、私的医療機関を利用することになります。
あまり待ちたくないときは私的医療機関のA&Eを利用するのが便利かと思います。
日本メディカルケアが入るGleneagles HospitalにあるA&Eであれば治療を受けたあと、どのような治療を受けたのか、投薬を受けたのかなどの情報を共有しやすいので、受診後のサポートを日本メディカルケアで行うことも比較的楽にできます。
また、私的医療機関のA&Eでは、患者様が医師を選ぶことが出来ます。つまり、救急外来でその日担当している医師に診察をしてもらうか、対象となる診療科の専門医に診察をしてもらうかを選ぶことができるのです。
担当医であれば診察料などは病院が決めた診察料ですし、その場ですぐに診察してもらえます。医療の質も問題はないですが、必ずしも専門医と同じ治療方針とは限りません。専門医に依頼するときは担当医の時に比べ診察料は上がり、専門医がA&Eに到着するまで待たなければなりませんが、専門的な視点からの治療を受けることが出来ます。
費用面ですが、Gleneagles Hospitalや Mt. Elizabeth Orchard では日系海外旅行保険、ヘルスケアプログラム(プレステージ)を使用することでキャッシュレスでの治療対応が可能となります。
A&E受診時は常にIDカード(もしくはパスポート)、クレジットカード、使用している薬のリスト、母子手帳等情報となりそうなものは持参されるようにしましょう。特に服用している薬は重要となりますので、写真にとってスマホに入れておくのがいいでしょう。
<取材協力>
日本メディカルケア 住所:6A Napier Rd #03-31, Annexe Block Gleneagles Hospital S258500 電話番号:6474 7707 診療時間:平日 9:00-12:00、14:00-17:30、土 9:00-12:00 休診日:日祝 最寄駅: Napier駅 徒歩1分(MRTトムソン イーストコースト線) バスでお越しの場合: Orchard駅から、バス7番、77番、106番、123番、174番のいずれかに乗車し、Botanic Gardensのバス停で下車 無料シャトルバス(マウントエリザベス病院間の無料巡回バスあり) WEBサイト |
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この記事を書いた人
SingaLife編集部
シンガポール在住の日本人をはじめ、シンガポールに興味がある日本在住の方々に向けて、シンガポールのニュースやビジネス情報をはじめとする現地の最新情報をお届けします!