シンガポールの公立医療機関で11月以降イスラム教徒の女性看護師にヒジャブ着用を許可

※写真はイメージです

シンガポールのリー・シェンロン首相は8月29日、ナショナル・デーを記念した施政方針演説“ナショナル・デー・ラリー”において、11月以降、国内の公立医療機関で働くイスラム教徒の女性看護師に、本人の希望に応じて、勤務中に制服とともにヒジャブ(イスラム教徒の女性が髪などを覆うスカーフ)の着用を認める方針を明らかにしました

制服での勤務が求められる女性看護師によるヒジャブ着用は、これまで、看護師の間で服装に違いが生じるのは、患者にとって望ましくないとの理由などから、認められていませんでした。

病院や軍など、制服を着る職場で働くイスラム教徒の女性や女子児童・生徒によるヒジャブ着用をめぐっては、イスラム教の指導者らが2014年、リー首相との会合で、イスラム社会におけるヒジャブの重要性を説明。

職場・学校における着用許可を求めました。

これに対し、リー首相は、イスラム教指導者らの考えに理解を示しつつも、制服を着用する職場・学校では、一体感を高めるうえで、全員が同じような服装をする必要があるとの認識を明らかにしました。

ただ、その一方で、リー首相は当時、「看護師のヒジャブ着用をめぐる政府の方針は固定されたものではなく、政府は状況を見守っていく」とも述べており、イスラム教徒の女性によるヒジャブ着用になじむ非イスラム教徒が増える中、医療関係者やイスラム教、労働組合の代表者らとの協議の結果、今回の決定に至りました。

リー首相は、決定に関し、「イスラム社会にとって、ヒジャブを着用する重要性が増している」と指摘。

ヒジャブ着用が、多くのイスラム教徒の女性にとり、信仰の大切な部分になっており、職場など社会でヒジャブを着用するイスラム教徒のシンガポール人女性が増加している現状に言及しています。

なお、民間医療機関については、雇用主に、ヒジャブ着用を認めるよう強制はしないものの、公立医療機関の措置を基準とするよう推奨されるとのことです。

服装などに対する社会の考え方は、時代とともに、移り変わっていくようです。



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SingaLife編集部

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