シンガポールの温泉 エネルギー利用を模索

※写真はイメージです

シンガポール北部センバワン・ホット・スプリング・パーク内の温泉が、新たな再生可能エネルギー源として、研究者の間で注目を集めています。

地元英字紙ストレーツ・タイムズによりますと、温泉の地下熱を発電や冷却化プロセス、塩水の淡水化処理などに活用する可能性を探る研究が進められているとのことです。

シンガポールでは、カーボンフットプリント(温暖化ガス排出量)削減に向け、再生可能エネルギーの利用を拡大する取り組みが推進され、太陽光エネルギーが最も実行可能な選択肢とされているものの、大型ソーラーファーム(太陽光発電施設)を建設する土地が国内に乏しく、活用できる太陽光の量が制約される点が難点です。

南洋理工大学(NTU)、政府系インフラ・コンサルタント会社スルバナ・ジュロンなどから成る研究チームは、地熱の温度データを収集する調査を行っており、140°C以上であれば発電に、以下であれば、冷却、淡水化処理などにそれぞれ利用可能とみられています。

また、研究チームは、国内において十分な地熱を確保するうえで利用可能な技術を調査しているほか、こうした技術の経済性や生産性も見極める方針です。

さらに、センバワンの地熱エネルギーの利用可能性が証明されれば、温泉の存在が知られているプラウ・テコンなどシンガポール本島沖の島々にも調査を拡大し、島内で生産されたエネルギーを海底ケーブルを通じて本島に供給する計画も検討されており、研究チーム関係者は、地熱エネルギーの可能性に期待を示しています。

天然資源が限られているシンガポール。地熱のエネルギー利用は、化石エネルギー源に代わる代替エネルギーの開発を図る世界に先がける試みとなるかもしれません。



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SingaLife編集部

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