シンガポール国民の健康状態が低下: 政府調査

持病を抱える人や不健康な生活を送る人が増えるなど、国民の健康状態が低下している実態が、保健省(MOH)と健康促進局(HPB)による最新の健康調査“National Population Health Survey”で明らかになりました。

今回の調査は、約6,000人を対象に、2019年7月~2020年3月までの8カ月間にわたり、実施されたものです。

調査結果によりますと、調査対象者のうち、高血圧の人が占める割合は、2017年の調査時の24.2%から35.5%へとわずか2年間の間に、およそ50%増加。

また、糖尿病患者の割合が、この間、8.8%から9.5%に拡大した一方、運動量が推奨されている水準に達している人は減少しました。

喫煙が認められる年齢が引き上げられたこともあり、喫煙する人の割合は11.8%から10.1%に低下したものの、若い男性を中心に、過度の飲酒も増加しており、アルコールの飲みすぎが認められた人の割合は、8.8%から10.5%に増えています。

コロナ下で、運動量が減り、状況のさらなる悪化が懸念されるなか、調査結果を受け、MOHは11月18日、声明を発表し、国民が健康的な生活習慣を継続する必要性を強調。

運動量などを測定するウェアラブル端末フィットネストラッカーを国民に配布し、記録された数値に応じて、各種商品・サービスに交換できるポイントを付与するプログラム“National Steps Challenge”や、高血圧対策として塩分摂取量を減らすよう国民に奨励するキャンペーンなど健康促進策を推進する考えを明らかにしました。

同時に、飲料メーカーに対しては、2022年末以降、商品の栄養価が消費者に分かるよう、新たなラベル表示方法の導入を義務づけるとともに、特に不健康な飲料については、広告を禁止する方針です。

新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、運動や外出の機会が激減した昨今。私たちも日々、自らの健康管理に努めるよう心がけたいものです。



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SingaLife編集部

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