駐在夫、子を育てる-46- 世代間交流

これはシンガポールに駐在する妻に帯同し、“駐在夫”として家事や育児に奮闘する日々を綴ったコラムです。シンガポールのフリーマガジン「シンガライフ」誌上で連載しているものに一部加筆して、ウェブでも公開しています。

載の過去記事一覧はこちらから


さまざまな年齢の子どもたちが遊んでいる公園やプレイグラウンドや児童館。人と絡むのが大好きな息子のモモタ(1歳4カ月)は、自分より年上の子どもたちと遊ぼうとするものの、なかなか相手にされずに寂しそうにしている。大人社会と同じように、子ども社会でも世代間交流は難しいようだ。


モモタは、ひとり遊びをするよりも、周りのもの(子どもでも大人でも動物でも)と絡むのが好きなようだ。それはいいことなのだが、まだ歩みは安定せず、口から音声は発するものの声になっていないので、言いたいことを相手に伝えられない。

ただ、こんな状態でも公園に行けば、3歳、4歳ぐらいのお兄ちゃんお姉ちゃんたちに積極的に絡む。ボール遊びをしているお兄ちゃんたちに近づいては、ボールを奪おうとするし、三輪車やシャボン玉で遊んでいるお姉ちゃんには「僕にもやらせてよ」と言わんばかりに欲しそうな仕草を見せる。

モモタ本人は「一緒に遊ぼうよ」という気持ちなのだろうけれど、ボールを相手に向かって投げることや三輪車を漕ぐことができないがために、お兄ちゃんお姉ちゃんにとっては「そんなこともできない子どもと一緒に遊んでもつまらない」となってしまうのだろう。冷たくあしらわれるのが日常だ。

ある日訪れたプレイグラウンド。2〜3歳ぐらいのインド系のお姉ちゃんが1人で、ままごとのような遊びをしていた。キッチン道具やカトラリーをローテーブルに並べて何やら演じている。臆せず、そこに絡みにいくモモタ。もちろん、並べてあるそれらをがちゃがちゃにする。呆れ顔のお姉ちゃん。別の遊びをしようとその場を離れても、後をつけていくモモタ。執念深さはなかなかたくましい。ただ、仕舞いには強めの口調で「いい加減にして」というようなことを言われていた。

年上から冷たくされているモモタが、年下に優しく接するかというとそうではないようだ。数ヶ月遅く生まれた友人の男の子(Aちゃん)。Aちゃんはまだ歩くことができない。つかまり立ちがようやくという感じである。そのAちゃんがモモタに近づいたときに、モモタが向ける眼差しには「ふん、まだ歩けねーのかよ、そんなんで俺と遊ぼうなんて6カ月はえーよ」というメッセージが込められている(ような気がする)。

なかなか厳しい子ども社会の世代間交流である。



この記事を書いた人

SingaLife編集部