駐在夫、子を育てる-39- ポジティブ

これはシンガポールに駐在する妻に帯同し、“駐在夫”として家事や育児に奮闘する日々を綴ったコラムです。シンガポールのフリーマガジン「シンガライフ」誌上で連載しているものに一部加筆して、ウェブでも公開しています。

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2020年9月に生まれたモモタ(仮名)が1歳を迎えた。モモタを通わせているシンガポールの地元のインファントケア(保育園)では、節目節目で担任の先生との面談がある。つい先日、1歳になった節目で、オンライン面談が行われた。


面談に先立ってメールで送られてきたのが、1歳の子どもが出来るであろう行動のチェックリスト。補助なしで自分で立ち上がれるかとか、ひと言ふた言発するかとか、およそ10の項目が列挙されている。モモタはほぼ全ての項目で「すでにその仕草が見られる」ということだった。つまり、まぁ順調に育っているということで一安心だ。

面談ではチェックリストについての説明のほかに、モモタが保育園でどのように過ごしているのかを話してくれた。そして、先生がどこまでもポジティブであることに和まされた。

例えば、保育園で先生が本を子どもたちに読みきかせをするとき。本を読む先生の周りに子どもたちが集まって輪を作るそうで、モモタはいっつもその輪の最前列にいるとのこと。そのことに対して先生は「モモタは本に強い興味があって素晴らしいです」と嬉しそうに教えてくれる。

ふむふむ。

さらに「モモタは英語もすでに理解しているの。だって、本を見て、ブック!ブック!って言っているんだよ」と。

ふむふむ。

大変ありがたい評価をしてくれているのだけれど、ちょっとそれは、ポジティブが過ぎるんじゃないかなぁ、と思ったり。

親の見解はこうだ。読み聞かせのとき最前列に陣取るのは、先生の隙を見て本を奪い取り、ページをびりびりに破ってやろうと考えているに違いない。家での読み聞かせでは、何冊もの絵本が犠牲になってきた。そして、モモタはきっと絵を見ても、猫を見てもブックと(いうような言葉を)発するはずだ。

おっと。親がこんなネガティブに捉えてばかりではいけない。肯定してあげなければ。どちらの仕草もポジティブに捉えれば、モモタがひょっとしたら神童なのではないかとも思えてくるから、不思議なものだ。

うんちを1日に何回もしたり、親の腕や脚に噛み付いてばかりいることもポジティブに捉えれば、腸内環境が抜群で、噛むと分泌されるという「セロトニン(心の安定には欠かせないといわれる脳内の神経伝達物質)」をたくさん出しているんだろうと思うようにするか。


この記事を書いた人

SingaLife編集部