駐在夫、子を育てる-49- 母親と父親の違い

これはシンガポールに駐在する妻に帯同し、“駐在夫”として家事や育児に奮闘する日々を綴ったコラムです。シンガポールのフリーマガジン「シンガライフ」誌上で連載しているものに一部加筆して、ウェブでも公開しています。

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妻が夫のことを理解できないのと同じように、母親が息子の行動を理解するのは難しい。そんな気がしている。1歳の男児は危険なことをしたがるし、汚れるようなこともしたがる。父親は、自らも幼い時にそうだっただろうから、おおらかでいられるのに対して、母親にとっては理解不能で制止をしたがる。一概には言えないけれど、なんとなくこんなスタンスの違いが見えてくる。


モモタ(仮名、1歳4カ月)は、車の往来が頻繁な道路にも飛び出そうとするし、落下すると危険な高いところに登りたがる。水たまりがあれば自ら手を浸しにいくし、泥で汚れることなどお構いなしに公園で這いつくばって何かを探している。

子どもを危険なことから遠ざけるのは、親の努めだと思っている。これはもちろん夫婦間で見解が一致している。ただ、汚いこと=汚れるようなことについては、駐在夫と妻とで考え方が異なる。

モモタが取る行動は、月齢がそうさせているのかと思ったが、モモタと同じ月齢で泥まみれになりながら笑っている女児をこれまでにみたことがない。大抵が男児だ。

「命に危険はないんだから、好きなようにやらせたらいいじゃん」というのが駐在夫の考えだ。駐在夫自身も、小学生のころは雨の日はあえて水たまりに入っていたし、長靴に雨水を溜めては喜んでいた記憶がある。ザリガニ釣りのためによどんだ池に入るのだって気にしなかった。そしてそれが楽しかった(と記憶している)。

そうしたことから遠い世界で育ってきた妻にとっては、なぜそんな汚れるようなことを自らやるのか、理解しがたいだろう。モモタの行動を嘆き、止めに入る。

なぜ男児はそんなことをするのか、それを理解するために妻が読んでいた育児書には、男児の特徴としてこう書いてあった。「汚いことを気にしない」。まさにその通り。その本を読んだ妻は頭では理解しているものの、ショッピングモールでほふく前進をするモモタの行動をやめさせたいようだ。「汚れるし、病気をもらったらどうするの!?」と考えるのだろう。駐在夫は「自宅の床も相当汚いから大丈夫でしょ」と思って放置をしている。

その育児書には、他の特徴として「品のないことが好き」と書かれていた。これもまさにそう。モモタがもう少し大きくなれば「おなら」や「ちんちん」や「かんちょう」などと言いながら、はしゃぎ回るようになる。その時の妻の反応が楽しみだ。駐在夫は、モモタと一緒になってはしゃぎ回ろうかな。


この記事を書いた人

SingaLife編集部

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