シンガポールでおうちごはん -第1回- ​​低温調理でしっとりチキンライス

今月から始まった食育に関する知識などをご紹介する「シンガポールでこどもごはん」の連載に引き続き、Kanakoさんによるレシピの連載が始まります。

シンガポールで手に入る食材や調味料を使った手軽に作れるお料理、日本では手に入りにくいアジア食材やハーブを使ったお料理などご紹介していきます。ぜひ作ってみてくださいね。

「シンガポールでおうちごはん」第1回目は、炊飯器を使用した低温調理で作るしっとりチキンライスのレシピです。




チキンライス

シンガポールといえば海南鶏飯(シンガポールチキンライス)

お米とペーストと鶏肉を炊飯器に入れ一緒に炊き込むレシピが多いですが、今回は炊飯器の保温機能を使って低温調理します。鶏肉が圧倒的に柔らかく仕上がります。

ライスの代わりにレタスと市販のジンジャーソースでスープレストランのジンジャーチキンを再現することも。茹で鷄は冷やし麺のトッピングに、お好みのソースをかけて前菜としても召し上がっていただけます。


材料

チキン

鶏肉(もも肉やムネ肉)500g
ネギの青い部分 1本分
生姜スライス 5〜6枚
お好みの砂糖 小さじ1
熱湯 500mlくらい
塩 小さじ2/3〜小さじ1
パンダンリーフ1〜2枚(あれば)(【パンダンリーフ】で詳しくご紹介しています。)
きゅうり 1本

チキン用ソース

チキンの茹で汁(こしたもの) 大さじ2
醤油 小さじ2
ごま油 小さじ1

ライス

ジャスミンライス 2合(約300g)
チキンの茹で汁と水 合わせて380ml
市販のチキンライスペースト 1パック
(今回はAsian Home Gourmetのペーストを使用。【チキンライスペースト】で詳しくご紹介しています。)
パンダンリーフ1〜2枚(あれば)




チキンのレシピ

今回はスーパーでも手軽に購入できるこちらのチキンを使用しました。

Sakura Chicken Boneless Breast(骨なしムネ肉)はフェアプライス
Fresh Organic Lacto Chicken Boneless Legs(骨なしもも肉)はコールドストレージ/RedMart
でそれぞれお取り扱いがあります。どちらもホルモン剤、抗生剤不使用です。

もも肉は骨付きもありますので、購入時は表示を確認してくださいね。

下準備

・鶏肉は余分な脂を除いておく
・鶏肉に砂糖をまぶし、なじませて10分程おく
 (砂糖を加えることで保湿性が高まり肉質がやわらかくなる効果があります。)
・生姜はスライスしておく
・きゅうりは皮を剥き、細長く切っておく


1.炊飯器の内釜に砂糖をなじませた鶏肉とネギ、生姜スライスとパンダンリーフ(あれば)を入れる

2.熱湯500mlくらい(鶏肉がしっかり浸るまで)を注いだら、炊飯器の保温スイッチをオンして、1時間加熱。火が均一に通るように、途中鶏肉を裏返す

3.1時間経ったらスイッチを切り、別容器に茹で汁1カップ(200ml)を取り分け、塩を入れて溶かし、鶏肉を浸して冷ます
(塩分はお好みで調整してください。チキンライスではなく蒸し鶏として使う場合は強めでも◯)

4.鶏肉が冷めたら切る



ライスのレシピ

下準備

・ジャスミンライスはさっと洗って水切りしておく(浸水は不要)
・チキンのレシピ3で残った茹で汁はキッチンペーパーなどを使いこしておく
・こした茹で汁をチキン用ソースに大さじ2程取っておく


1.こした茹で汁(ライス用)に水を足して380mlにする

2.鍋に洗ったジャスミンライスを入れ、市販のペーストとパンダンリーフ(あれば)と1を入れ強めの中火にかける(蓋はしない)

3.ぐつぐつと沸騰したら、スプーンで鍋底からしっかりと混ぜ、蓋をして弱火で10分加熱する

4.10分経ったら火を止めて蒸らす

炊飯器を使う場合は、Long Grainコースもしくは早炊きコースで


チキン用ソースのレシピ

こして取っておいた茹で汁 大さじ2
醤油 小さじ2
ごま油 小さじ1

*材料をよく混ぜ合わせる


盛り付け

きゅうりとチキンを器に盛り、チキン用のソースを上からかけます。
ライスの上にチキンをのせてきゅうりを添えたら、上からチキン用ソースをかけて、ワンプレートでサーブしても◯


鶏肉の加熱温度

鶏肉の加熱殺菌について、食品安全委員会の発表では、「中心部の温度が63度で30分以上加熱」とされています。各メーカーの炊飯器の保温温度は70度前後に設定されているものが多く、細かく温度設定ができる高機能な機種もあるようです。鶏肉の加熱は65度が理想。わが家の炊飯器は蓋を開けていると66度程度、蓋を閉めると70度ちょっとまで上がるので、鶏肉を加熱する場合は、蓋を開けています。それぞれのご家庭の炊飯器の保温温度次第で、調整してあげてください。火の通りが不安な場合は、蓋を閉めて加熱することをおすすめします。低温調理器をお持ちの方はジップロックを使用して65度で加熱してください。


パサつきやすいムネ肉の切り方

5cm程度に切ったら、包丁の腹で上からぎゅっと押し潰してからお好みの厚さに切ります。見た目は悪くなりますが、切った断面を上にして押し潰してから切ると、食感はさらにほろほろになります。


鶏肉を浸していた茹で汁でスープを作ろう

鶏肉を浸していた茹で汁を鍋に入れ、水を2カップ程度足したら火にかけます。沸騰するとかなりアクが出るので丁寧に除きます。

味見をして鶏ガラスープの素か塩を加えて調整します。細かいカスが出るので、器に注ぐ時は茶こしを使ってあげるときれいに除けます。


ジンジャーソースを作ってみよう

皮を剥いた生姜 50g
にんにく 1〜2片
鶏がらスープの素 小さじ1
チキンスープ or 水 50cc
ネギ油(or ごま油) 少し
砂糖 少し(お好みで)

1.ネギ油以外の材料をフードプロセッサーにかけてペーストにする
(もしくは生姜とにんにくを摩り下ろしてから他の材料と混ぜる)

2.軽くラップをしたら500wのレンジで2分ほど加熱する

3.ネギ油を加え軽く混ぜる
(甘めのソースがお好きな場合は、砂糖を少し加えてください。)

 

チリソースとダークソイソース

お手持ちのチリソースで十分ですが、チキンライス用のチリソースを購入することも可能です。

Tiger Brandのダークソイソースはタイガーのロゴがかわいくてお土産にもおすすめ。わが家は、Kwong Woh HingのPremium Dark Soy Sauceを使っています。


チキンライスペースト

今回使用したのはAsian Home Groumetのペースト(写真左)。添加物が一切入らず、市販のペーストの中ではいちばんシンプルかと思います。Dancing Chefのペースト(写真右)も定評があります。無添加ではありませんが、MSG不使用で、しっかりと旨味の効いたライスが炊き上がります。

裏面のレシピに記載されたライスの水加減はメーカーにより様々ですが、基本的には1合につき180mlで問題ないと思います。柔らかめがお好みの場合は水分量を増やしてみてください。Asian Home Groumetのペーストならお米2合、Dancing Chefのペーストならお米3合で作っていただいてよいと思います。


パンダンリーフ

今回チキンとライスの香りづけに使ったパンダンリーフ。甘くて爽やかな香りのハーブで、「東洋のバニラ」とも呼ばれています。

シンガポール在住の方なら鮮やかな緑色のシフォンケーキをご存知ではないでしょうか。カヤジャム、チェンドルに添えられたニョロニョロのゼリー、プラナカンのお菓子Kueh(クエ)やOnde Onde(オンデオンデ)にもパンダンリーフが使われています。ナシレマのライスを炊く時にも使います。

ココナッツとの相性が抜群な香り高いハーブ。パンダンリーフを使った他のレシピもいつかご紹介できればなと思っています。コールドストレージなどのスーパーでも購入できます。より香りが出るように、軽く縦に裂いてからキュッと結んで使いました

蚊除けや害虫対策にもなるようで、タクシーの後部座席のポケットに置いているドライバーさんもいます。余ったら虫除けに使うのもありかもしれませんね。


究極の手抜きアイディア

チキンライスをテイクアウトしたときに、ライスだけ多めに購入して冷凍しておきます。炊飯器にお任せのチキンさえ作れば、ライスはレンジでチンするだけ。手軽にチキンライスを楽しむことが可能です。私は実際にやっています。(笑)

『本帰国する時に、せめてチキンライスだけは作れるようになっておきたい。』という声をよく耳にします。しっとりと柔らかい炊飯器チキンのチキンライス。ぜひ作ってみてください。

第2回はこちらコクと旨みたっぷり!海老と春雨でタイの本格クンオップウンセン




この記事を書いた人

Kanako

シンガポーリアンの夫と6歳の息子と3人暮らし。できる限り無添加とうす味を意識した、素材を味わう「こどもごはん。」今日はどこいこ ︎「旅するごはん。」「カラダにやさしいごはん。」手抜きしつつ、楽しみつつ作ってます。幼児食インストラクター、食育アドバイザー。 インスタアカウント:kanako_kgym(日常アカウント)/kanako_ong(こどもごはんアカウント)

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