ペットを連れてシンガポール移住!気をつけたいポイントを徹底調査!

日本からシンガポールへ移住することになったとき、ペットは一緒に連れて行けるのか気になる方も多いのではないでしょうか?そんな方のために、シンガポールのペット事情からペットと一緒に安全に移住する方法をご紹介します。




シンガポールのペット事情

2016年のシンガポール農業食品家畜庁(AVA)の調査によると、シンガポール国内のペット総数は数年間で急増し、ペットケア関連やペットフード関連の市場規模も大きく拡大すると発表されました。

ペットとして飼われている動物の中でも特に犬の数が大きく伸びて、犬関連の市場が活性化しています。犬の忠誠心や愛くるしさが人気の理由で、家族の一員として飼いたいと思われるケースが増えたとされています。

しかし一方で、ペットへの虐待や飼育放棄などの問題もあり、政府がペットに対しての責任をとるように義務付けています。ペットが一生を終えるまで飼い続けることを推進するキャンペーンが行われたり、違法ペット販売業者への取締りなど、対策の強化なども働きかけられています。


ペットを連れてシンガポールに移住する際の注意事項

ペットと一緒にシンガポールへ移住するためには、日本で揃えなければならない書類や受けなければならない検査が多くあります。事前にしっかり確認して早めに準備するようにしましょう。

移住の準備を始める前に

シンガポールへ犬や猫を入国させるためには、AVS(Animal & Veterinary Service)と呼ばれる認可局の示す条件を満たす必要があります。まずは、ペットの品種がシンガポールで許可されているか確認してください。

シンガポールで許可されていない犬種シンガポールで許可されていない猫の品種
アメリカンピットブル テリア  

アメリカンスタッフォードシャーテリア
スタッフォードシャーブルテリア
アメリカンブルドッグ
これらと他の品種の交配 

秋田犬、土佐犬
ボアボール
ドゴアルヘンティーノ
フィラブラジレイロ
マスティフすべて(ナポリタン、ドーグ ドボルドー含む)
ペロ デプレサカナリオ
これらと他の品種の交配  
初代から4代目のベンガルまたはサバンナキャットの交配

次に、シンガポールの居住予定地で犬や猫の同伴が許可されていることを確認しましょう。

HDB(公団住宅)では1軒につき飼える犬の頭数と大きさが決まっていて、猫は禁じられています。
チワワやトイブリードなどの小型犬のみ(詳しくはこちら)で、1匹まで飼うことができます。

コンドミニアムや一軒家など、私有の住宅では犬は3匹まで飼うことができます。また猫の飼育に関する規則については、各建物の管理者に確認してください。また、詳しくはこちらを参照してください。


ペットの品種がシンガポールで許可されているか、居住予定地での同伴が可能かを確認したら、出国までの6カ月間は国外に出さないでください。

全体のスケジュールが決まったら、必要な処置を確認してペットを動物病院へ連れて行きましょう。ペットの心身状態も重要です。ペットの年齢、病状、移動中のストレスが与える影響なども考慮し、獣医師に相談しましょう。


マイクロチップの装着

まずは、マイクロチップを確認しましょう。日本で犬や猫を販売するペットショップやブリーダーなどの事業者には、令和4年6月以降に取得した犬、猫へのマイクロチップの装着が義務付けられています。マイクロチップが挿入されているか確認し、必要な場合はかかりつけの獣医師に施術してもらいましょう。

日本のマイクロチップは、動物愛護法で国際標準化機構(ISO)11784および11785に適合する必要がありますので、分からない場合は獣医師に確認しましょう。手術は日帰りで行われますが、余裕をもっておくことをおすすめします。

装着費用は動物病院によって異なりますが、数千円~1万円程度が一般的です。また検査やワクチン接種のために獣医師の診察を受けるたびに、すべての書類にマイクロチップ番号を記録する必要があります


狂犬病の予防接種

犬や猫の場合、狂犬病の予防接種を受ける必要があります。一度も狂犬病予防注射をしていない場合は、注射の前にマイクロチップを装着してください。マイクロチップを装着せずに行った狂犬病予防注射は、農林水産大臣の定める予防注射の方法に適合しないことになります。

シンガポールへペットを連れて行く場合は、2回以上の接種が必要です。初めての予防注射は生後91日以降、2回目は1回目の予防注射から30日以上の間隔をあける必要がありますので注意してください。接種後、証明書にマイクロチップ番号、ワクチンの製品名、製造会社、ロット番号を記載してもらいましょう。接種費用は3000円~4000円程度です。


抗体検査依頼

狂犬病の予防接種が2回済んだら、抗体検査を依頼します。犬猫の狂犬病抗体検査をおこなっているRIAS(一般財団法人生物科学安全性研究所)に、動物病院で採取したペットの血清を送ります。基準の抗体価を得るためには、2回目の狂犬病予防注射後7~14日頃に採血することが推奨されていますので、予防接種は早めに済ませておきましょう。

検体の到着日を含め2週間程で検査結果が出ます。日本語と英語の証明書を取得しましょう。 


ワクチン接種

ワクチンもあらかじめ接種しておく必要があります。犬と猫で必要な証明書が異なりますので、確認しておきましょう。

犬の場合、ジステンパーウイルス感染症、犬伝染性肝炎、パルボウイルス感染症に対する有効なワクチン接種が必要です。

猫の場合は、猫インフルエンザ(猫カリシウイルス感染症)、猫腸炎(猫汎白血球減少症)、猫白血病ウイルス感染症の予防接種証明書が必要です。

またマイクロチップ番号が、すべての予防接種記録に記載されていることを確認してください。ワクチン接種は受ける自治体や病院によって費用が異なります。


ドッグライセンスの取得

シンガポールで犬を飼う場合、事前にドッグライセンスを取得しなければなりません。輸入許可書の申請をする前に取得してください。AVSからオンライン申請ができます。

避妊・去勢が済んでいる場合は、ライセンス料がかなり安くなります。ライセンス申請時に証明書が必要になるので、避妊・去勢施術証明書を準備しておきましょう。

詳細はこちら:AVS


輸入許可書の申請

ドッグライセンスを取得したら、輸入許可書の申請をします。申請にはドッグライセンス番号が必要になりますので、準備しておきましょう。

GoBusiness Licensingから申請ができます。指示に従い必要事項を入力したら、狂犬病予防接種証明書、抗体検査証明書、犬の全身写真、ドッグライセンス番号、避妊・去勢証明(済んでいる場合)などの記録を登録します。

書類審査で不備がなければ、支払い手続きをします。すべて完了すると、輸出入許可番号が発行されます。輸入許可書は出国時に犬のケージに添付する必要がある場合や、検疫時にも必要なので複数枚用意しておくことをおすすめします。

詳細はこちら:GoBusiness Licensing


英文の健康診断書・予防接種証明書などの取得

予防注射や健康診断を受けた動物病院で、英語で診断書を発行してもらいましょう。

診断書にはペットの品種、性別、生年月日、マイクロチップ番号などの個体情報や、発行動物病院名、発行獣医師の氏名、狂犬病予防接種年月日やその他の予防接種年月日、ペットが健康で狂犬病にかかっている疑いがないことなどの内容が記載されます。

診断書の有効期限は7日間ですので、取得後速やかに先へ進めるよう予定を組みましょう。予防接種証明書の取得には、マイクロチップやワクチン接種歴などの証明が必要です。 


輸出検疫証明書の取得

輸入許可が出たら、日本を出国するために必要な輸出検査申請をします。検査には時間がかかる場合もありますので、出国予定日が決まったら早めに輸出検疫を受ける動物検疫所に連絡しましょう。出国日の7日前までには、輸出検査申請書の提出を済ませてください。またはNACCS(動物検疫関連業務)からオンライン申請も可能です。

国によっては、輸出検疫証明書に獣医官のサインが必要な場合があります。そういった際は獣医師家畜防疫官による検査が必要になるので、事前にシンガポールの場合はどうなのか、確認や問い合わせをしましょう。検査を受ける動物検疫所に検査受付時間を確認しておきましょう。依頼をしておかないと、獣医官による検疫ができません。

AVA指定用紙にサインをしてもらいます。事前に取得した証明書や検査結果通知書などは、動物検疫所の出国検査の際に原本を提出してください。出国時の輸出検査終了後に、英文の輸出検疫証明書が発行されます。

NACCS


シンガポールの検疫所営業日の確認と予約

シンガポール到着予定日の検疫所の営業日を確認しておきましょう。日曜祝日は休みですので、シンガポールの祝日を事前に確認しておくことをおすすめします。Inspection & Laboratory e-Servicesからオンラインで検査日の予約ができます

Inspection & Laboratory e-Services


ペット同伴で出国する際に確認すること

シンガポールへペットを連れて出国するには、さまざまな手続きをクリアしなければなりません。そのためにも、十分な事前準備や計画が重要になってきます。必要な書類や注意事項を確認しておきましょう。

出発当日の検疫

出発日当日は動物検疫があるので、時間に余裕をもって空港に到着しておくことをおすすめします。検疫所で健康診断を受け輸出検疫証明書にサインをもらったあと、チェックインします。

ペットと一緒に飛行機に乗ることはできませんので、ペットはケージごと貨物室に乗せられます。チェックイン後はケージから出すことができないので、餌や水などはチェックイン前に済ませておきましょう。

また慣れない窮屈な場所に長時間おかれることで、ペットには大きなストレスになります。出国までの健康管理に十分気をつけることも重要です。


航空会社でのペット持ち込みについて

シンガポール航空では、ペットを受託手荷物または貨物として預けることができます。ただし受託手荷物として預ける場合は、生後3ヶ月以上のペットに限ります。またペットとケージの総重量が1個あたり32kgを超える場合は、ペットは貨物として預けなければなりません。

ペットを貨物として輸送する場合は、事前にシンガポール航空カーゴオフィスへ連絡しましょう。出発の2週間前までにシンガポール航空オフィスに連絡し、以下について報告する必要があります。また、Release & Indemnity(免責に関する承諾書)が届きますので記入しておきましょう。

・タイプ / 品種 / 性別
・名前
・年齢
・色
・ペットの重量
・ケージの重量
・ケージの寸法 (幅×奥行き×高さ)
・輸出入許可番号(すでに発行されている場合)

ペットとケージは無料受託手荷物許容量に含まれません。ペットとケージの合計重量を超過分とみなされ、超過手荷物料金が発生します。ペットに苦痛を与えず安全に輸送するために、ケージは自由に立つ ・座る ・寝る ・回転することができる大きさで風通しがよく、ペットが逃げ出せないつくりのものにしましょう。

ペットが2匹以上の場合は、別々のケージが必要です。(生後3ヶ月以上の兄弟の仔犬または仔猫で、体重の合計が14キロ以下の場合は、2匹まで同じケージでも可能)またケージにもIATA(国際民間航空輸送協会)が定めた規定がありますので、事前にご確認ください。

IATA

空港チェックイン時の提出書類

・輸出入許可書
・輸出検疫証明書
・有効な健康診断書・狂犬病接種証明書
・Release & Indemnity(免責に関する承諾書)<シンガポール航空利用の場合>



輸送禁止の犬種

シンガポール航空では、シンガポールで許可されていない犬種に加えて、以下の犬種はどのフライトでも輸送できませんのでご注意ください。

ボクサー、ブリュッセル グリフォン、チャウチャウ、イングリッシュ ブルドッグ、フレンチ ブルドッグ、ジャパニーズ チン (ジャパーニーズ スパニエル)、ラサ アプソー、パグすべて(Carlino、Mopshond、 Mops Hund、ペキニーズを含む)、シャーペイ、シーズー、イングリッシュ トイ、キングチャールズ、チベタン スパニエル、ボストン



輸入手続き

シンガポールに到着したら、ペットはそのまま動物検疫所に送られます。輸入手続きをして検疫が問題なく行われれば、ペットはその日に引き取ることができます。長時間、飛行機の中にいたペットは非常に疲れています。到着した日は、ゆっくりと休ませてあげることをおすすめします。


シンガポールでペットと暮らす際に気をつけること

シンガポールでペットを飼う環境

シンガポールではペットを飼う人の数が年々増え、国内には270件を超えるペットショップがあると言われています。公園にはドッグランが整備されペット施設も充実し、ペットと生活を楽しむ環境が整っています

一方で多民族国家のシンガポールには、犬を不浄と位置づける宗教もあります。またレストランやホーカー、そして生鮮品市場では衛生管理の規定により基本的にペットは立ち入り禁止となっています。

バスや電車などの公共交通機関も、ペットを連れて乗ることはできません。またタクシーも、運転手の宗教上の理由から断られることもあります。ペット専用のサービスがある配車アプリを利用するのがおすすめです。


シンガポールのペット飼育に関する法律

シンガポールでは犬を飼う人にはドッグライセンスを取得することが義務付けられていますが、登録・更新を行わなかった場合、最大でS$5000の罰金が科せられます。

もし飼っている犬が人を噛んでしまった場合、飼い主はS$5000以下の罰金と、怪我をした被害者へのS$2000以下の補償金を支払わなければなりません。また公道の木や植物、フェンスなどを傷つけた場合もS$1000以下の罰金を支払うことになります。

公共の場では、常に犬にリードを付けることをおすすめします。ジャーマンシェパードやロットワイラー、ドーベルマンなどの犬種には、公共の場でのリードや口輪は必須です。


ペットとシンガポール移住や旅行の際にトラブル!おすすめの動物病院は?

ペットと一緒にシンガポールに移住するときには、予測できないトラブルに見舞われることもあります。そんなときにパニックにならないためにも、安心して預けられる動物病院を把握しておくことも重要です。ここからは、シンガポールでおすすめの動物病院をご紹介します。

Vets For Life Animal Clinic

出典:Vets For Life Animal Clinic

シンガポールに3つの支店を持つ動物病院。経験豊富な獣医師と、最新の医療設備を完備。またペットの栄養アドバイスも行っていて健康的な食事、必要な運動量、定期的なケアの方法まで教えてくれます。

犬や猫はもちろん、うさぎやハムスターといった小動物まで診察可能。急性および慢性の疾患の治療も行っていて、夜間救急対応もしています。

Vets For Life Animal Clinic(ベッツ フォー ライフ アニマル クリニック)
River Valley院
住所:Valley Point Shopping Center, 491 River Valley Road #01-05/06, S248371
営業時間:月〜日 9:30-12:30、14:00-17:00 
夜間営業:月~金 18:00-20:00
定休日:祝
電話番号:6732 0273
WEBサイト

 

Companion Animal Surgery

Toa Payoh駅近くにあるこちらの動物病院は24時間365日診療を行っていて、鳥や馬などの動物も診察可能です。医療サービスの幅が広く、ワクチン摂取やヘルスチェックも行っています。

ペットが入院することになっても、常時の獣医が動物たちをケアしてくれます。ペットと一緒に日本へ帰国する際に必要な資料の提供までしてくれます。受付は英語のみですが、メールでも診察の相談を受けつけています。

Companion Animal Surgery(コンパニオン アニマル サージェリー)
住所:12 Boon Teck Road, S329586
最寄り駅:Toa Payoh駅
営業時間:年中無休
定休日:無
電話番号:6255 7950
WEBサイト

 

Animal Recovery Centre

出典:Animal Recovery Centre

診察時間外は獣医が電話で対応をしてくれるというAnimal Recovery Veterinary Centre (アニマル リカバリー ベトリネリー センター)。で、最高水準の設備が揃っています。

定期的で丁寧な検診や漢方治療などで、ペットの不調を早期発見・治療することができます。健康状態の相談も随時受けてけています。相談できるペットの種類は犬や猫のほか、鳥類や爬虫類なども対応しています。

Animal Recovery Veterinary Centre
(アニマル リカバリー ベトリネリー センター)
住所:482 Serangoon Road, S218149
最寄り駅:Bendemeer駅
営業時間:月〜金 10:00-20:00 土日祝 10:00-18:00
定休日:無
電話番号:6252 2623
WEBサイト

 

シンガポールでペットと快適な生活を送るために

今回は、シンガポールにペットを連れて移住する際の手続きや、シンガポールに到着してからの注意事項などをご紹介しました。手続きには数か月かかる場合もありますので、早めに最新情報を収集して準備を始めることをおすすめします。シンガポールで、大切なペットと快適で充実した生活をお楽しみください!

記事内容は執筆時点の情報に基づきます。

 




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この記事を書いた人

SingaLife知りつくし隊

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