シンガポールのスーパーで手に入るおすすめ野菜!ユニークなものから和食にピッタリなものまでご紹介
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海外では、日本で見かけない食材にいろいろと出会うものですよね。ここシンガポールのスーパーマーケットでも、さまざまな珍しい食材が売られています。今回は野菜にスポットを当て、日本人にも使いやすい野菜や和食に活用できる野菜、ユニークな野菜やローカル料理で人気の野菜などを、おすすめの調理法と共にご紹介します!
シンガポールの野菜はほとんどが輸入品
国土の狭いシンガポールは、食料自給率が極めて低い国です。令和4年度の日本の食料自給率は、農林水産省が公表している「食料需給表」によると、野菜全体で約80%です。それに対し、2022年のシンガポールの野菜の自給率は、シンガポール食品庁の調査「Singapore Food Statistics」によると4%に満たないと公表されています。このことからも、その割合の低さがわかりますよね。
ちなみにシンガポールの野菜の輸入元、ダントツの1位はお隣マレーシアです。それに続いて中国が多く、2021年の統計では、この2か国産のものが輸入野菜の70%ほどを占めます。スーパーではその他にもオーストラリアやインド、インドネシアやタイなど、さまざまな原産国の野菜を見ます。
野菜に限らず食料全体の自給率が約10%と極端に低いシンガポールでは、2030年までに食料自給率を30%まで上げようという、通称”30 by 30”と呼ばれるプランを政府が打ち出し、対策に乗り出しているところです。最近は、少しずつですが、葉物野菜などを中心にシンガポール産のものを以前よりは見るようになってきましたが、価格の高さをはじめとする問題を、どうクリアしていくのかが関心の的となっている現状です。
シンガポールの野菜、価格は?鮮度は?
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白菜のような日本人に馴染み深い野菜を、シンガポールで「むむ、ちょっと高いのでは」と思ったことのある方は多いのではないでしょうか。スーパーのランクにもよりますが、日本で馴染んでいるものを、シンガポールで高めだと感じることは、野菜に限らず少なくありません。
だからこそ、日本では買ったことのない食材でも、その日お買い得なものを狙って購入し、楽しんでみたいですよね!シンガポールでは葉物や瓜など、日本のスーパーでは見かけない種類を多く取り扱っていて、開拓のしがいがありますよ!
また、シンガポールのスーパーで、極端に傷んだ野菜が売られるということはありませんが、それでも日本と比べると、やや古くて傷みはじめそうな野菜が、棚に残っていることがないわけではありません。こちらのスーパーではビニールパッケージされた野菜が多く、なかなか気づきにくいかもしれませんが、購入の際はしっかり状態を確認することをおすすめします!
オーガニック野菜も!外国人に使いやすいスーパーマーケット
シンガポールで野菜を買える場所は、スーパー以外ではウェットマーケットがポピュラーです。活気があり、スーパーで見ない食材にも出会えるウェットマーケットを訪れるのは、とても楽しいもの。
ですが、品物の名称や価格がほとんど書かれておらず、スーパーより言葉のやり取りが必要となるウェットマーケットは、日常の買い物に使いづらい……という方もいるかもしれません。また、早い時間に閉まってしまうことや、クーラーがなく暑い中での買い物になることにも、ハードルの高さを感じる方がいるのではないでしょうか。
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その点、遅くまで営業していて、涼しく買い物ができ、品名や価格がわかるように表示してあるスーパーは、外国人にとっては特に便利なものです。FairPriceやCS Freshなど、シンガポールでポピュラーなスーパーには、オーガニックのコーナーもあり、健康志向の方も助かりますよね!
シンガポールで日本産の野菜は買える?
シンガポールのローカルスーパーでも、白菜や大根やキュウリ、ニンジン、キャベツなど、日本人に馴染みのあるさまざまな野菜が手に入ります。ただ、日本産のものは、残念ながらほとんどありません。
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例えばこちらの写真のキュウリ。Japaneseという大きな文字が目を引きますが、日本産というわけではないので注意が必要です!パッケージをよく見ると、マレーシアのキャメロン ハイランド産ということが書かれていますよね。Japaneseというのは、あくまで品種を指すだけのようです。
それでもできるだけ日本産の食材を求めたいという方、またピーマンなどシンガポールのスーパーではほぼ見られない野菜を手に入れたいという方は、日系スーパーや日系の食材店、DON DON DONKIなどに足を運んでみてくださいね。時期によって在庫は異なり、価格も日本で買うよりどうしてもお高めになってしまいますが、状態のよい品が多く、ローカルスーパーでは出会えなかったさまざまな日本産の食材に出会えるのがうれしいですよ!
シンガポールのスーパーで買えるおすすめの野菜をご紹介!
シンガポールのローカルスーパーで購入できる野菜の中から、使いやすいもの、チャレンジしていただきたいユニークなもの、和食に便利なものなどをご紹介します!お買い物の際の参考にしてくださいね!
kang kong(water spinach)
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日本ではヨウサイ、または茎が空洞のために空芯菜と呼ばれるkang kongは、タイレストランや中華系レストランなどで、日本でもいただく機会がありますね!kang kongは、シンガポールではホーカーの炒め物にも使われる、とてもポピュラーな野菜です。ホーカーではサンバルというスパイシーな調味料で味つけされることがありますが、辛いものは苦手という方は、「ノー サンバル、プリーズ ガーリック!」などの表現で、マイルドな味つけをオーダーすることもできます。
火が通りやすく短時間で炒めることのできるkang kongは、ご家庭でも使いやすい野菜です。鶏ガラスープの素やオイスターソースなどの味つけで炒めものにすると、日本人好みの一品になりますよ!
kailan(Chinese kale)
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中華系ホーカーで、kang kongと並んでよく見るのが、kailanの炒め物です。kailanの茎はブロッコリーのようにしっかりしており、kang kongに比べると歯ごたえのある野菜として人気があります。調理の際は、アスパラガスの茎の太い部分にするように、ピーラーで茎を剥くと固くなり過ぎなくてよいですよ。kang kongの炒め物と同じような味つけで、単品でもお肉や卵と合わせてもおいしい炒め物になり、おすすめです!
peria (bitter gourd)
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日本ではゴーヤと呼ばれることの多い苦瓜ですが、シンガポールのスーパーで出会うことのある苦瓜にはいくつかの種類があります。日本人がゴーヤと聞いて思い浮かべる、深緑のゴツゴツした形のものや、それと同じような色と形で、大きさが小ぶりなもの、そしてこちらの写真のように、色が明るめでゴツゴツしていない形のものなどです。
写真のタイプのものは、ゴーヤチャンプルーでお馴染みの深緑のゴーヤよりも、苦味は控えめです。ただ時期や原産国によっての違いもあるので、苦味が心配な方は、まずはサラダや和物ではなく、しっかり火を通す調理で苦味を抑えて試してみてくださいね。
苦瓜は、マレーシアやタイ、ベトナムなどでもポピュラーな食材で、ゴーヤチャンプルーのようにほかの食材と炒めたり、輪切りにしてワタを取ったところに肉詰めをしてスープで煮込んだりするなど、さまざまに活用されています。日本でゴーヤ料理を作っていた方なら、ちょっと違った品種の苦瓜でも、いつものレシピを試してみる価値ありですよ!
marrow green
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炒めたりスープに入れたりと、万能な使い勝手が人気のmarrow greenは、ホーカーでも卵と合わせた炒め物などで出会うことの多い食材です。別名hairy gourdとも呼ばれるこのウリは、クセがなく、日本の方にも比較的チャレンジしやすいローカル野菜ではないでしょうか。
皮を剥いたあと千切りにし、春雨や油揚げと一緒に煮炒めにしたり、同じく千切りにしたものをひき肉と一緒に炒めたりなど、日本人にも真似がしやすい、ポピュラーな調理法がたくさんあります。どちらもシンガポールで手に入るチキンスープストックが、味つけとしてよく合いますよ!
petola ular(snake gourd, snake marrow)
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買い物袋から大きくはみ出しそうな野生味あふれる姿をしたpetola ular。生で食されることもありますが、慣れないと青臭さを感じることもあり、炒め物や煮込みにするほうがポピュラーです。食感のお好みはそれぞれだと思いますが、火の通りや味の染み方を考え、柔らかめのものを選ぶのがいいと言われます。
お肉や卵と炒めてオイスターソースでからめるなどの調理が日本人にも食べやすいですが、ちょっと違ったローカルな食べ方をしたいなら、インド系の方の使い方を真似て、スパイスと炒めドライカレーにしてみるのもおすすめです!できるだけ臭みなくクセの少ない状態でトライしてみたいという方は、皮を剥く、塩ずりする、一度茹でてから使うなど、下ごしらえに一手間かけてみてくださいね。
kacang panjang(long bean)
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こちらの豆をご覧ください。ぐるんと輪を描いで袋詰めにされており、とても長いのが目を引きますよね!その長さにたじろいでしまいそうですが、同じくシンガポールのスーパーで定番のフレンチビーン(サヤインゲン)に比べると、価格が低めで、インゲンマメのように和食にも使いやすい食材です。
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例えばこちら。シンガポールでも手に入りやすいすりゴマを使い、ニンジンと合わせてゴマ和えにしたものです。味わいや食感もインゲンマメに近く、和え物だけでなく、炒め物にも使いやすい食材ですよ!
yam/baby yam
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シンガポールでは、ローカルなアイスや中華まんのフレーバーとしてもポピュラーなイモ類のyam。ソフトボールくらいの大きさのこのイモは、すりつぶして輪のように形づくり揚げた、ヤムリングという料理が、中華系レストランで人気です。
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そしてこちらは小ぶりなbaby yam。形も大きさも日本の里芋を思わせますよね!味も食感も使い勝手も里芋と変わらず、日本の国産里芋と比べても手頃な価格なので、シンガポールで日本の味を再現したい方には強い味方です。
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こちらのbaby yamはFairPriceにて500gをS$2.98で購入し、煮転がしにしました。粘り気のある舌ざわりが里芋と変わらず、味つけもシンガポールで手に入りやすい調味料のみでできるbaby yamの煮転がしは、シンガポールに暮らす日本人ご家族の、食卓の定番にできますよ!
エスニックな風味づけに役立つハーブもたくさん!
中華・マレー・インドの料理に限らず、ホーカーでタイ料理やベトナム料理に出会うこともあるシンガポールでは、それらの料理に欠かせないさまざまなハーブが売られています。
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日本でパクチーの名で知られるハーブは、シンガポールではチャイニーズパセリ、もしくはコリアンダーという名で売られています。パクチーの根は、タイ料理などで生姜のように用いられ、料理に独特のフレーバーを与え、肉や魚の臭みも消してくれる素材です。葉や茎を使い切ってしまっても、根を捨ててしまわずぜひ活用してみてくださいね。残った根をすぐに使わない場合は、冷凍保存しておくのがよいですよ!
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レモングラスはタイやベトナムでスープや煮込みの香りづけによく使われますが、熱湯を注ぐだけでハーブティーにできるのも魅力です。東南アジア各地で使われ、日本ではコブミカンの葉と呼ばれるライムリーフは、葉脈を取り除いて細かい千切りにし、ひき肉と混ぜると、いつもの肉団子をエスニックテイストにしてくれますよ。インドカレーに欠かせないカレーリーフがいつでも手に入るのも、スパイス料理好きにはたまらなくうれしいものです。
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もちろん、シンガポールを代表する麺料理のラクサの風味を担うラクサリーフや、伝統菓子のクエなどでお馴染みのパンダンリーフも、スーパーで手に入ります。シンガポールでパンダンの香りのファンになった方なら、お菓子作りの際、香りだけでなく自然な緑の色をつけるのにも、パンダンリーフを活用することができますね!
お馴染みの野菜もさまざまな品種にトライ!
海外では、日本で見ることのなかった野菜との出会いもありますが、それだけでなく、お馴染みの野菜もいろいろな形や大きさのものがあり、さまざまな品種にトライすることができますよね。
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たとえばこちらはシンガポールで出会えるナスの数々です。英語表記はeggplantのほか、インド英語などで使われる呼称のbrinjalとなっているものをよく見ます。タイやベトナムの料理で定番の小さく丸いもの、それとは逆にとても大きく色の濃いものなど、その形状はバラエティ豊かです。水分量や固さ、味の染み込み方もそれぞれなので、いろいろと試して使い分けられるようになると楽しいですよね。
海外では、日本で慣れていた素材のすべてを同じように手に入れることはできず、苦労もしますが、その状況を逆手にとり、野菜の知識を増やす、お料理の経験値を上げるなどのチャンスにすることもできます!今までご購入経験のない野菜や品種にも積極的にチャレンジし、シンガポールでの食卓のレパートリーを増やしてみてはいかがですか?
●記事内容は執筆時点の情報に基づきます。
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この記事を書いた人
SingaLife編集部
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