駐在夫、子を育てる-9- おっぱい

これはシンガポールに駐在する妻に帯同し、“駐在夫”として家事や育児に奮闘する日々を綴ったコラムです。シンガポールのフリーマガジン「シンガライフ」誌上で連載しているものに一部加筆して、ウェブでも公開しています。


駐在夫=男の私が、おっぱいについて語ると、周囲からの視線が気になるのではあるけれど、子育てにおいて、いや、子を育てる前から、女性にとっておっぱいの悩みは尽きないだろうし、男の私から見てもおっぱいとは女性をこんなにも悩ませる存在なのか、と感じることがある。いやぁ、おっぱい、大変だよなぁ。。。

「『大変だよなぁ?』そんな呑気なこと言っていると、ぶちのめしますよ」という妻の怒声が聞こえてきそうだ。

妻が言うには、妊娠するとしばらくして、張りが出てくるそうで、その張りはときには痛いほどにもなるという。胎児がいるお腹にプラスしておっぱいも張るという状況になる。

そして側で見ていて大変だな、と痛烈に感じるのが、出産してからだ。まず、母乳はとめどなく自分の意思に反して作られ、その母乳を数時間ごとに搾乳するなり授乳するなりして、体外に出さなければならない。でないと勝手に染み出るそうだ。

先日「母乳パッドを買ってきて」とおつかいを頼まれて初めて母乳パッドの存在を知った。おっぱいに貼る大きな絆創膏のようなものだった。これがあっても、ときにずれたり、装着時間が長かったりすると漏れでることがあるという。パッドをしていても制御できない母乳は、もはや人知を超えている。さらに母乳を出さずに放置していると乳腺炎という病気になる可能性すらあるという。

夜中でも外出中でも、ご飯を食べているときでも、車に乗っているときでも。張りが限界に近づくと、母乳を外に出さなければならない。もちろんモモタも空腹を待ってはくれない。

乳児と母乳。この二つのアンコントローラブルな存在を相手にしている妻の姿は敬服するしかない

かたや男性は、出さなければ出さないで大丈夫な人もいるので、おっぱいのある無しだけで、育児における負担の差は相当である。妻はよく「私が産んだんだから、母乳ぐらいお前が出せ」と言っている。冗談半分だが、半分本気だ。ただ、恨み節は私にではなく、ヒトを創造した神に言ってくれ。と心の中でつぶやきながら、今日もモモタにミルクや搾母乳をあげている。



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この記事を書いた人

SingaLife編集部

シンガポール在住の日本人をはじめ、シンガポールに興味がある日本在住の方々に向けて、シンガポールのニュースやビジネス情報をはじめとする現地の最新情報をお届けします!

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